
7月1日は川崎競馬場でスパーキングレディーカップが行われる日。
と同時に、ゴール前のスタンド2階で競馬予想トークもする飲食スポット「競馬ガールズスタンド・バール」が営業する日でもある。
ここは確か、2013年のエンプレス杯がスタートだったと思う。雪で中止になったエンプレス杯の翌年ですね。
このイベントが始まったきっかけは、競馬を愛するアナウンサー、荘司典子さんと、競馬を愛するボヘミアン(失礼)、井上オークスさんが、
川崎競馬のイベントの打ち上げかなにかのときに
「こんな企画があったらいいですよね~」
という雑談を、神奈川県川崎競馬組合のかたとしたこと。
そしてそれが本当に実現してしまったらしい。まさに「冗談から駒」という形で始まったのだ。
最初のころのメニューは、飲み物と乾き物程度。
場所が食堂街ということもあって、周辺の飲食店に配慮したのかもしれない。
しかしフタを開けてみると「バール」に集う人々は、周辺の飲食店と客層が明らかに合致していなかった。
まあ、そりゃそうですよねえ。
飲食店を利用する人の多くは「競馬場は俺の庭」的な、いわゆる常連さん。
対して「バール」に集う人々は、競馬場にはよく来るけれど、どちらかといえば勝負一辺倒ではなくて、ちょっと「濃い」という感じの競馬好き。
たまにハァハァしている雰囲気を漂わせている人も見かけるけれど、
おそらく「バール」がなければ競馬場のなかでビールやらを買わない人たちだろう。
という「バール」なのだが、短い歴史ながらいろいろな変遷をみせている。
まず、始まった当初は「ガールズバー」という名称だった。
個人的にはそれで全然オッケーと思っていたのだけれど、年齢が……とは違う理由で「ガールズバー」はダメでしょうという判断があったらしい。
というわけで名称変更。
現在の「競馬ガールズスタンド・バール」という名前になったそうだ。
「バール」とは、強盗事件でよく使用される「バールのようなもの」のアレではなくて、イタリアあたりによく見られる喫茶店のこと。
そのなかには酒を出している店もあるらしい。
とはいえ、気軽に人々が集まれる店というのが「バール」の特徴。
英語の「Bar」とつづりは同じでも、その意味は大きく違っている。
ちなみにスペイン語では「バル」という発音。
こちらはイタリアの「バール」よりも酒場の香りがする。
日本でも「スペインバル」と銘打ったオシャレな飲食店が多くなってきたが、そこは業種としては居酒屋に分類されるだろう。
というわけで、競馬好きが気軽に立ち寄れる「バール」。
私はこの日、午後7時ちょっと前に競馬場に着いたのだが、店の前を通ったが百年目、呼び止められてしまって通り過ぎることができなかった。
まさかボッタクられやしないだろうな……。
というか、美浦トレセンから来たもので、今日はクルマなんですよ。
「いいからいいから。どれにします?」
と、カウンターのなかにいる赤見千尋先生にスゴまれては、もうどうしようもないじゃないですか。
というわけで250円のウーロン茶を選択。
さらに300円のソーセージも注文してしまった……。
クルマじゃなければ飲みたいところだけど……いや、今日は取材のおしごとがあるからどちらにしても飲めませんがな。
ということで、ウーロン茶の肴にウインナー。
けっこう大きくておいしいけれど、中心部分が熱すぎる!
それをわかってもらおうと、「バールスタッフ」の赤見さんと瞳ゆゆさんに1本ずつ食べてもらおう。
いかん、この時点でカモになっている気がする。
さらに瞳さんにレモンチューハイをプレゼント。
つまみがあるなら飲み物もなくっちゃね……
この日は前日から降った雨のせいか、「バール」の客入りはイマイチという感じ。
しかし営業メニューは通常どおりにこなしたらしく、店頭には場立ち予想イベントで使われたとおぼしきホワイトボードが並んでいた。
えーと、赤見さんがピッチシフターからワイド、ふじポンさんがサンビスタから馬単と3連単。
前半の店頭に立っていた牧ほのかさんは、3連複5頭ボックスと、単勝と複勝。瞳さんがサンビスタから3連単……
ひとりしか当たってないやんけ!!!
そのひとりも3連複5頭ボックスで190円じゃあ、豪快すぎるトリガミですよ。
サウンドガガの複勝にしても110円。この日の予想はメロメロですな……
ともあれ、もともとの話の始まりが「競馬ファンのみなさんと、競馬の話でワイワイと盛り上がれる場所があるといいなあと思うんですよね」
という荘司さんのアイデアなのだから、その趣旨には合致していますよね。
次に実施されるのはいつなのか現時点ではわからないけれど、川崎競馬の重賞デーに「バール」が開いていたら、
ぜひぜひお立ち寄りくださいませ!
さて、今週の水曜日は大井競馬場で、ジャパンダートダービー。
雨の影響がどのくらいあるのか悩ましいが、注目の的は兵庫チャンピオンシップを圧勝したクロスクリーガー。
ただ、前走の勝ち時計、良馬場で2分0秒4は、ちょっと微妙かも。
ちなみに2年前に兵庫チャンピオンシップを制したコパノリッキーは1分58秒4だった。
おそらく一本かぶりの人気になりそうだが、もしそうなるなら逆転候補に妙味あり!
その筆頭として、東京ダービー2着のパーティメーカーを指名したい。
的場文男レジェンドが東京ダービーを勝つ前にジャパンダートダービーを勝ったっていいじゃない。
差し脚を発揮して勝利した馬は、テスタマッタ、カゼノコなどがいる。となると、ストゥディウムにも魅力がある。
とはいえ、逆転を望めるのはそのあたりまでかも。
JRA所属馬の多くは、すでにクロスクリーガーとの勝負に敗れた経験がある。ということで、
◎クロスクリーガー
○パーティメーカー
▲ストゥディウム
☆ノンコノユメ
△ディアドムス
兵庫で9戦8勝のインディウムも気になるが、ここはちょっと距離が長いとみた。
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。