
JRAの話で恐縮ですが、7月12日に東京競馬場で行われた花火大会を見に行ってきました。
これは、花火大会を案内する雑誌などには掲載されない花火大会。
府中市の広報紙で告知される程度なのだが、3年ほど前から一気に来場者が増加。
これは間違いなく、スマホ普及のせいでしょうなあ。
なんでもかんでも検索できる世の中になってしまったので
「東京競馬場が地元の皆さまに感謝を込めて、シークレットな花火大会を提供……」
という感じではまったくなくなっている。
実際、我々一行だって世田谷区民とか埼玉県民とかだものね。
しかしながら、この花火大会の費用を拠出しているのはオレたちなのである(いきなり強気)。
だいだいですよ、府中市民は東京競馬場があるおかげで住民税が安いのだから、
それだけでも十分にありがたいと感謝してもらわねば(東芝とかビール工場などのおかげでもありますが)。
私は以前、川崎市高津区に住んでいたのだが、そのときの住民税はたしか月額4千円程度。
これが豊島区に引っ越してビックリ、およそ3倍に跳ね上がったのだ。
失って初めてわかるとはこのことですよ。臨海工業地帯のみなさま、川崎競馬場(と競輪場)、
ロクに感謝しないでごめんなさい……
ということで、競馬場もそこに集う人々も地域住民に気を遣って背中を丸める必要はまったくない、
ということを大きな声で主張したい。
したがって、清く正しく花火大会を鑑賞する権利を持つ我々は、午後3時ごろから場所取り。
しかしその時間帯に競馬場にいるということは、まあそういうことですね。
花火大会が有料となってしまうのか否か。
ここでジッとガマンできないのが悲しいところなのだが、それでも私は心を鬼にしてJRAをやらず、
盛岡のオパールカップだけで踏みとどまった。
結果は1着が大井のロゾヴァドリナで、2着が川崎のウインバローラス。
おお、3連単が当たって44.8倍もついている!
お金をもらって花火大会を見られるなんて超サイコー!
と、気分よく近所のコンビニまで買出しに。
戻ってきて馬場のほうをみると、開放されている障害コースの手前の地下道から出てくる人がいる。むむむ?
あそこはレースを終えた馬が検量室に戻っていくときに使う地下道だぞ?
もしやと思い、実地検分に行ってみた。
まずは普通の地下道を通って内馬場に。
そこから障害コースに入ると、お目当ての方角から続々と人が流れてきている。
おお、やっぱりそのとおり。
いわゆる「帰り馬道」を開放しているのだ。
これ、「勝手にプチ・バックヤードツアー」ができる状況になっているじゃないですか!
こりゃすごいとバシバシ写真を撮りまくったが、アレレ、周りで写真を撮っている人なんて一人もいない。
地下馬道に入って検量室方面に向かうと、その手前に置いてある仮設トイレのところに柵があった。
なるほど、検量室までは行けないようになっているんですね。
でも落馬した騎手が担ぎ込まれる医務室や、特別・重賞競走を勝ったオーナーが入れるシャンパンルームは見られたから、
なかなかプレミアムではないですか。
と、ここに来るまでの間も、写真を撮っている人は誰もおらず。
ちょっと~、無関心にも程がありますよ。なんですか、この温度差は。
まるでありがたみを感じていない人の群れを見るにつけ、若干のむなしさが芽生え、
そして「誰のおかげで花火大会を見られると思っているんだ」というヤサグレた感情が湧出してくる。
というか、モノの価値なんてそんな程度のものなのかも。
我々にとってこんなに楽しい地下馬道も、この人たちにとってはただの道。豚に真珠、ネコに小判……
という状況をネタにしつつ、G1馬よろしくウイナーズサークルへの坂道を上る。
みんな~、ウイナーズサークルですよ~!
秋の開催に向けて養生中の芝コースを間近に見て、そこでも写真を撮りまくり。
なんてったって、この花火大会のスポンサーはオレたちなのだ!
そんな散歩をしていたら、次第に空が暗くなってきた。
この花火大会は打ち上げ時間が30分間。河川敷などでの花火大会のように
「株式会社○○様ご提供の三尺玉です」
ひゅ~~~、どどーん
「続いては株式会社○○様ご提供の……」
というプロセスがない、集中攻撃型の花火大会なのである。さすが一社提供。
そして今年の花火も
こんな感じで華やかだった。
うーむ、陣取った場所が若干スタンドの上すぎたなあ(汗)
それでも最後の10分間で繰り広げられる集中砲火を堪能。終了直後はものすごい煙幕に包まれた。さすがJRA!
この花火大会、来年も開催されるのかは不明だが、競馬ファンならぜひとも体験することをおすすめしたい。
さて、7月20日は一気のスピードが火花を散らす、習志野きらっとスプリント。
昨年の覇者ナイキマドリードは、船橋の1000mで2012年以降は負け知らずでも御年9歳。なかなか悩ましい……
ならば、同じ9歳でも高知のサクラシャイニーが注目できそう。
JRAでは左回りで好走しており、インをさばけるタイプでもある。
船橋の1000m戦は4コーナーのカーブがきつく、インコースが断然有利とはいいがたいのだが、それも器用さがあればカバー可能。
ここは立ち回りの巧さに期待したい。
相手筆頭に期待したいのは3歳馬のルックスザットキル。
完全なスプリンターで、課題は初めての船橋だけだろう。
ナイキマドリードもやはり無視できぬ存在。
カベルネフランの上昇度にも注目したい。
◎サクラシャイニー
○ルックスザットキル
▲ナイキマドリード
☆カベルネフラン
△サーモピレー
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。