コラム”

「暑い時期の必勝法!?」
2015年8月11日

私は埼玉県民なもので、夏の暑さはもうすっかり慣れたもの……
といっても、さすがに室内の気温が37度を超えると頭がもうろうとしてくる。
基本的に自宅ではエアコンを使わないようにしているのだけれど、先週は何回かスイッチを入れましたわ。
毎年、熱中症で死亡する人がいるわけだから、私は大丈夫だと思い込むのは危険かも。

それにしても先週の船橋、浦和開催は暑かった。
でも暑さの種類はちょっと違って、船橋の暑さは「蒸し暑さ」。
気温そのものは埼玉より低くても、汗が体にまとわりついて乾かないという感じだった。
天気予報をみたら、8月4日(火)は午前4時の予想湿度が100%。
いくら昼間より気温が低くても、そんな状況での調教は、人も馬もまさに修行という感じがする。

対して浦和の暑さは直球勝負。
太陽の光が「どうだまいったか」と上から目線で照りつけるのは、
童話の「北風と太陽」を思い出させるところだが、だからといって海パン一丁で勝負している人の姿は見たことがない。
おかげで8月7日、SPAT4プレミアムポイント特別が実施された日に場内で行われた予想トークイベントでは、
気合を入れて15分しゃべっただけでTシャツが絞れるぐらいの大汗状態。
そんな気候なのに、入口で100円を払った上に多大なる危険が待ち受けている競馬場に突撃してくださるお客様は、神様ですよ。
本当にそれ以上の感謝と尊敬を捧げるべきであると心から思う。

夏場がキツイというのは馬も同じ。
基本的にサラブレッドは寒帯動物であり、暑さよりは寒さのほうに耐性がある。
そして人間と同じように、好きな季節、体調がよくなる季節というのは多くの馬にあるようだ。
ただし「夏が得意」という馬については、ほかの馬に比べればヘバっていない、と考えるほうが適切だろう。
だったら夏場は休ませればいいのに、といかないのは人間側の事情。
香港の競馬は夏場に2か月ほど休みがあるが、赤道近くのシンガポールやマレーシアには夏休みがない。
しかしながら、日本にはわりとはっきりとした四季がある。
つまり、夏なら夏の狙いかたがあると思うのだ。

 
一例として

 

私ごとで、しかも自慢話になってしまうのだが、私は昨年の宝塚記念で万馬券を的中させた。
優勝馬のゴールドシップは軸不動と考えて、そこから「キ●タマがない馬」に流したのだ。
その結果は、2着がセン馬のカレンミロティック。3着が牝馬のヴィルシーナでごちそうさま。
そう、気温が上がるとキ●タマがついていない馬が有利になってくると思うのだ!!
それは学術的?にも明らかにされているところで、夏バテの兆候として挙げられるものには、

・目の下が黒ずんでいる
・キ●タマが垂れ下がっている(牡馬限定)

などが語られている。
キ●タマがだらんと垂れているのは、体から活力が失われている証拠だろう。
あと、パドックで汗をかいていない馬にも要注意。
暑いのに汗が出ないというのは、体調に異常があることにほかならない。
パドックでよく「発汗がひどいね~」とか言っている人がいるが、
アスリートらしさを感じさせる汗なら、むしろプラスと評価するべきだろう。

 
一例として

 

ただし、泡を吹いてネットリしている感じの汗は疑ったほうがよさげ。
このあたりをチェックできるのは、暑いなか競馬場に突撃した人だけの特権だ。
テレビやネット中継を見ながらの在宅投票では、そこがどうしても不利になってしまうのだが、
それでも情報を補正しながら推理することは可能だろう。
いちばん簡単なのは、牡馬の評価をすこし割り引くこと。
8月7日の浦和競馬で、2~3歳限定戦を除いたレースで3着以内に入った馬の内訳は、

牡馬=7頭
牝馬=17頭
セン馬=3頭

だった。
とくにセン馬は7頭が出走して、2勝、2着1回、4着2回の好成績。
ということを書いていたら、10日(月)の浦和2レースで、
9番人気のセン馬が3着に食い込んで3連勝式が万馬券になっちゃいましたよ。
やっぱり夏競馬の馬券はコレですな~。
それから「夏は芦毛」という格言っぽいものあるけれど、これは本当かどうか怪しいところ。
統計的にみても有意差はないらしく、ついでにさっき、
過去3年の8月のJRA新潟&小倉競馬の成績(500万~1600万条件のレース限定)を集計してみたら、
むしろ黒い馬の占有率のほうが高かった……。

ちなみに、サラブレッド全体における毛色の割合は、
鹿毛=約50%
栗毛+栃栗毛=約25%
黒鹿毛+青鹿毛+青毛=約17%
芦毛=約7%

前記の「過去3年の8月のJRA新潟&小倉」では、
芦毛の優勝馬占有率が3.1%で、黒い馬が27.2%。
人間は白っぽい服装をすると楽だけれど、馬はぜんぜん関係ないんですね。
(ちなみに鹿毛は45.0%、栗毛は24.4%と、全体の割合とだいたい同じだった)

以上を踏まえて黒潮盃を予想すると、
ありゃりゃ、牝馬は1頭いるけれど、セン馬は出走ゼロじゃないですか。
となると、注目したいのは「黒い馬」。昨年は栗毛のワンツースリーだったが、
その3頭は単勝人気でも3番人気以内。2010年と12、13年は黒い馬が勝利している。
そして2012年以降の連対馬はすべて、黒い馬か栗毛ですよ!!

となると、栗毛の牝馬、リボンスティックには注目せざるをえなくなる。
あとは過去の成績を加味して、

◎5.リボンスティック(栗毛)
○1.ゴーオン(黒鹿毛)
▲13.パーティメーカー(栗毛)
☆3.ブラックレッグ(青鹿毛)
△11.アロマベール(黒鹿毛)
△15.ドライヴシャフト(栗毛)

以上の馬連ボックスを主軸にして勝負!!

 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

コラム一覧