
先週金曜日(9月18日)に大井競馬場に突撃しまして、結果から申し上げますと残念な感じだったわけなんですが、
内容的には惜しかったなあというところもありまして。
といっても、たくさんある私の座右の銘のひとつが「惜しいとハズレは同じ意味」なんですけど。
たとえばジャンボ宝くじをバラで買って、1等と2番違いを持っていてもそれは「ハズレ」。
組違い賞も残酷なもので、1等との金額の落差に悶え苦しむに違いない。
私の知り合いで「2等の組違い賞=ゼロ円」の宝くじを持っていた人がいて、その話を聞いたときも
『自分がもしその立場だったら』と考えてしまい、もうゾッとする……としか言いようがなかったことがありましたわ。
馬券なら「いや~、惜しかったなあ~。考え方は合っていたんだけどなあ~」と、
軽口を叩いてビールを飲んだら忘れるところでも、宝くじはケタが違うからそんなものでは済まされない。
『オレは恵まれない星の下に生まれてきたんだなあ……』と、涙の一粒も落ちそうなくらいにヘコみそうだ。
というわけで、私は「紙の宝くじ」は買わないことにしている。だってそのリスクが怖いもん。
それにお上の取り分が公営競技の倍ぐらいあるわけだしさ。
でも、惜しいハズレはやっぱりくやしい。
その9月18日の最終レース、3連単が7ケタ配当になった波乱のレースが、ちょっとまあ惜しかったなあ、という感じだったのだ。
といっても、狙った人気薄が予想通りに好走した、という程度のものなんですけど(汗)。
このレース(中央区特別)は、9番人気のケイズイーグルが勝って、2着に7番人気のスパイスフレイバー。
で、3着が13番人気=最低人気のハーフブロード。
私の軸馬は4着だったマイネルコンキスタ。
この馬は1番人気だったのだが、でも3.4倍はいい数字だなあと思って、単勝まで買っていたのですよ。グッスン。
で、今回の主題は、そのマイネルコンキスタ。
この馬、3走前が名古屋のA2クラスで1着。
そこから大井に転入して、2着、1着と来ていたのだから、人気を集めるのは当然のこと。
ただ、この馬は個人的に2歳時に牧場で見たことがあって、その印象から「1800mは微妙かもしれないな~」とは思っていた。
しかし、それでも中心視したくなる理由があったのだ。
それは「東海地区のA級で好勝負=南関東のC1で十分通用」という、個人的なモノサシがあるから。
それは4年前の夏の、ボニータシチーという馬のおかげ。
その馬は笠松のA3クラスを勝って船橋に転入し、初戦と2戦目は左回りに対応できずに負けたものの、3戦目の大井C1クラスで1着。
そのときに馬券が大的中したのだ。
と、冷静に文字にすると脆弱な感じがするこのモノサシ。しかしそれはわりと合っているようで、その後もけっこう役に立っている。
たとえば一昨年の10月30日。
船橋競馬場の予想トークイベントに出させていただいた折、クラス編成の話になって、
頼まれてもいない最終レースについて「シンビオシスが勝つと思いますから注目してください」と口走ってしまったのだ。
その馬は笠松のA2クラスを勝って、転入初戦がC1クラスの最終レース。
その成績でC1なら、モノサシ的には絶対に通用するはずである。
といっても転入初戦だから、左回りを苦にするかもしれないし、体調が万全でない可能性もある。
それでそんなエラソーなことを言ったのだから、我ながら自分で危ない橋を作ったもんだよなあ。
しかしながら、結果は2番人気で完勝。
おかげで競馬場の帰り道に用心する必要はなくなった。
自分の馬券も爆裂に当たってめでたしめでたし。
でも、ここで通用するはずという確信めいたものは実際にあったのだ。
それはクラス分けのやり方の違い。
南関東は番組賞金の一覧表があって、それにあてはめると自分の格付けがわかる形。
つまり「絶対評価」である。
それに対し東海地区は、番組賞金による格付けはあるものの、そこに属する馬を順に並べて
「上から○○番目まではA1で、その次から○○番目まではA2……」とする、
いわば「相対評価」なのである。
だから、A2クラスのレースにキングスゾーンやノゾミダイヤなどの重賞ウイナーが出て無双する、というケースもあるわけだ。
そういえば笠松に行ったとき、なぜかトウホクビジンがA2戦に出ていて、ここなら負けないだろうと
(ほぼ)有り金勝負をして成功したことがあったなあ。
……改めて調べたら、それ、トウホクビジンの最後の勝利だった模様。
当たったからいいけれど、じつは危険な橋だったらしい。
でも過去の成績をチェックしてみると、東海地区のA級で好走してからの南関東転入初戦がC1クラスならば、積極的に狙ってよさげ。
相対評価から絶対評価に変わるとき、そこにズレが生じるのだと解釈したい。
この条件に合う馬は年に何頭もいないのだけれど、それだけに発見したら気合を入れて攻めていきたいところ。
大多数のファンが半信半疑という転入初戦だからこそ、宝の山も大きいはずだ。
という論点で話を展開してきたのだが、交流重賞には関係なし。
水曜日の浦和・オーバルスプリントは、交流重賞に昇格した過去4年をみると、JRA所属馬が2着以内に1頭以上入っている。
そのJRA所属馬の共通点は、5枠から7枠に入っていたこと。
ならば、5枠のレーザーバレットと6枠のサウンドガガに注目だ。
そこから中心に取るのは、叩き2走目のレーザーバレット。
展開的に不利な感があった5月のかきつばた記念(名古屋)で2着に入った末脚が、左回りのこの舞台で炸裂するとみた。
サウンドガガは同型がいるのが微妙な感。
そうなると前走のサマーチャンピオン(佐賀)を快勝したタガノトネールが強敵となる。
穴で強調したいのが、3歳馬のジャジャウマナラシ。
最内枠には過去3回入っているが、距離が長かった羽田盃を除くと、2回とも勝利しているのだ。
そのなかには、園田競馬場の兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)も含まれる。
インで馬群に包まれて脚を溜め、向正面でそれが途切れたところで大マクリ!
というシーンを想定しておきたい。
◎レーザーバレット
○タガノトネール
▲ジャジャウマナラシ
△サウンドガガ
△リアライズリンクス
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。