コラム”

「東北の場外と競馬場の食堂」
2015年11月23日

11月はしばらく東北方面に滞在していたわけだが、さすがに冬至が近づくと1日が短いですなあ。
夕方は4時には空が暗くなり始めて、5時になるとお星さまキラキラ。
水沢競馬は午後4時前が最終レースだけれど、ちょっと天気が悪いと寒い上に薄暗いという、レース観戦にはとても厳しい環境になる。
しかし乗っている騎手は、そんな状況でも暗さはそれほど気にならないらしい。
レースを映すテレビカメラも感度を上げるから、運営上の問題はとくになさそうだ。

それでも現地に居合わせると大丈夫かと心配になるし、最終レースが終わって競馬場を出ると、周囲が一気に暗くなるので少々ビビる。
最終レースで放馬があって、その馬がなかなかつかまらなかったら、どえらく大変なことになるじゃないの。
と、勝手に要らぬ心配をしてしまうのだが、そんなことよりも水沢競馬がこれから心配しなければならないのは雪でしょうなあ。
昨シーズンの水沢競馬は、12月7日からシーズン閉幕の1月12日まで、全レースが「不良馬場」で開催された。

10年ほど前の冬、非開催日の水沢競馬場で馬場の外ラチ沿いに入ったことがあるのだが、ひたひたのスポンジを踏んだような感触でしたわ。
クッション砂はあってもフワフワ状態だから、馬の脚だと簡単に路盤に届いて、そこからの衝撃が全身を貫いていきそうだ。
とにかくこれからの季節はどこの競馬場でも、寒さによるケガなどがないように祈りたいものです。

その一方で、冬は農閑期になるから、岩手の競馬場への来場者が増える。
それが20世紀の後半、岩手競馬が大盛況になっていた原動力のひとつといえるだろう。
岩手競馬は土日月の開催だが、子供が学校に行って、農家のお父さんが自由に時間を使える月曜日の売上がいちばんいいらしい。
最近はネット投票の割合が増えたので、それほど顕著ではなくなっているようだが、このあたりに地域の特徴が感じられる。

廃止された山形県の上山競馬もそんな売上分布で、
日曜日が4千万円台、月曜日が7千万円台、火曜日が1億円オーバーというのがよくあるパターンだった。
それなのに、なんで最後まで日曜日に開催し続けたのか……。
ともあれ、東北の競馬熱はまだ根強い。
先日はテレトラック&ウインズ横手に行ったが、場内はなかなかの混雑だった。
となりが大型スーパーという立地で駐車場が広く、地元の馬券愛好家の需要を一手に引き受けている様子。
こういう場外、ウチの近所にもほしいなあ。

さて、横手といえば「横手やきそば」。
しかし「横手やきそば」を名乗るためには組合に加盟する必要があるらしく、
場外発売所の食堂で売っている焼きそばは、それとは違うものらしい。
というわけで食べてみた「横手“の”やきそば」は、きわめてフツーのソース焼きそば。
最終レース後に食べた本物の「横手やきそば」は、太麺に甘めのどろっとしたソースを使っていた。
食堂のやきそばは、それに似せて作らないところが逆に正々堂々としているなあと思いましたねえ。
で、写真は横手場外のカツカレーと焼き鳥です。
まったく秋田県っぽさがない……

横手のカツカレーと焼き鳥

(横手のカツカレーと焼き鳥)

しかしながら競馬場や場外発売所の食堂には、
メニューの一部には郷土色があっても、それを前面に押し出している店がほとんどないですなあ。
横手場外の食堂のメニューも、いわゆる大衆食堂という感じ。
旅打ちの心がまったくくすぐられないのだが、場外の食堂にそれを望んでも仕方がないのかも。

その翌日は、盛岡競馬場に突撃。
スタンドの外にある屋台村の奥にある「ジャンボ焼き鳥」は、盛岡名物ではないけれど、盛岡競馬場名物だ。
そのとなりにある「まんぷく道場」の「ホルモン丼」も盛岡競馬場の名物メニューといえるもの。
しかし競馬場の食堂や売店には、内臓系のメニューが多いですねえ。

盛岡のホルモン丼

(盛岡のホルモン丼)

でも寒い時期は体を温めるために、こういう食事で多めのカロリー摂取をするほうがいいのかも。
年末のナイター開催も頑張っていきましょう!

水曜日の勝島王冠は、2010年と昨年が3連単で7ケタ配当。
その一方で、2012年の3連単が37倍。
極端すぎて傾向もなにもなさそうなのだが、ひとつ言えることは「差し馬優勢」ということ。
それを考えると、重賞連勝中のプレティオラスに注目できる。
昨年の勝ち馬、ハブアストロールにもチャンスがありそう。
一昨年の勝ち馬ガンマーバーストの食い込みにも警戒したい。
ファルコンクロウは53㎏の負担重量が魅力的。
10歳馬のフォーティファイドは寒くなると体が動くタイプだけに、3連勝式の穴として挙げておきたい。
埼玉新聞栄冠賞を制したカキツバタロイヤルは、ゼッケン1番だと3着内率100%なのだが、ゼッケン2番だと4戦連続4着以下……。
ただ、このレースに2回出て、2着と3着が各1回という成績だったら、押さえておかないといかんだろうなあ。

◎プレティオラス
○ハブアストロール
▲ガンマーバースト
△ファルコンクロウ
△フォーティファイド
☆カキツバタロイヤル


 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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