
昨年の浦和記念は、船橋のサミットストーンが勝ち、大井のグランディオーソが2着、3着には浦和のトーセンアレスが入線。
JRAのシビルウォーはそのあとの4着で、地方競馬所属馬のワンツースリーとなった。
私も現地に突撃して、馬券勝負をしておりました。
で、「浦和とは相性が悪いけれど、出せるレースがほかにないから」というエーシンモアオバーが1番人気だったので、1円も買わないことに決定。
さらにグランドシチーの馬体重がプラス21kgというのを見て、心を鬼にしてカット。
ランフォルセも脚元に不安が……ということを聞いていたのでこれも馬券の候補に入れなかった。
それなのにですよ。
わたくしの馬券は全くのハズレ。
グランディオーソをまるで買っていなかったのが敗因です。
もう、御神本騎手の巧さを称えるしかありませんでしたわ。
しかしながら「地方地方地方」の決着なんて、
そうお目にかかれないシロモノなのに、3連複が60倍、3連単が256倍という数字だったことにはたまげましたね。
みんな馬券が上手だなあ……(涙)。
しかしながら浦和記念はダートグレード競走のなかにおいて、数少ない「JRA勢がいまひとつ」というレース。
2歳戦を別にすると、浦和記念は地方競馬所属馬の勝利はもちろん、上位独占も多い一戦になっているのだ。
ダートグレード競走になったのは1996年。
それ以降の歴史を振り返ってみると、
1999年=1着インテリパワー(川崎)→2着ウイングアロー(JRA)→3着アローセプテンバー(船橋)
2000年=1着マキバスナイパー(船橋)→2着サプライズパワー(船橋)→3着ナショナルスパイ(大井)
2002年=1着マキバスナイパー(船橋)→2着ベルモントアクター(船橋)→3着ニシノハナグルマ(JRA)
2004年=1着モエレトレジャー(川崎)→2着カイトヒルウインド(JRA)→3着トーシンブリザード(船橋)
2006年=1着ケイアイミリオン(大井)→2着キングスゾーン(愛知)→3着レマーズガール(JRA)
2009年=1着ブルーラッド(川崎)→2着ルースリンド(船橋)→3着テスタマッタ(JRA)
という具合なのだ。
たいていのダートグレード競走はJRA勢の天下で、なかには創設以来、地方競馬所属馬が勝っていないというレースもある。
なのに浦和記念はこの健闘ぶり。この要因として思い当たるのは、
●JBCクラシックとジャパンカップダート(昨年からはチャンピオンズカップ)、
そして東京大賞典がある関係上、JRAのトップクラスの馬が来にくい
●JRA所属馬の陣営が浦和コースに対応できるか心配するため、あまり積極的に遠征してこない感がある
というところだろうか。
実際、2004年に出走したJRA所属馬は、2着に入ったカイトヒルウインドだけだった。
しかも同馬は1~2コーナー中間にあるコンクリート橋を通過するときに、ちょっとビックリしていたらしい。
個人的な推測だが、おそらく橋の部分を通ったときの脚元の感触が、それ以外のところとは違っていたので面食らったのではなかろうか?
そして過去10年の優勝ジョッキーは、地方競馬でデビューした騎手、または武豊騎手だけという状況になっている。
2013年はJRA所属馬が3着以内を独占したが、騎手は戸崎圭太→内田博幸→岩田康誠の順だった
(この年の出場騎手は、全員が地方競馬でデビューした人でしたが)。
2012年も岩田→戸崎→ライアン・ムーアという順番。
2011年は2着のシビルウォーが吉田豊騎手の手綱だったが、
そのシビルウォーは白山大賞典とか名古屋グランプリとか、コーナーたくさんクールクルという競馬場を得意にしていたクチ。
そうなると、広いコースばかりを走ってきて、そしてJRA所属騎手で臨むドコフクカゼは、データ的にちょっと微妙ではないのかしら?
マイネルクロップもデータ的に同様で、丹内祐次騎手も同様。
今年は南関東で4勝を挙げているが、それを強調材料にするには心もとないという気がする。
ということは、JRA勢で強調できるのは戸崎騎手騎乗のソリタリーキングだけ?
ちなみにわたくし、マーキュリーカップでは単勝を買い、
白山大賞典でも3連単の軸にしておりました。
その決め手はパドックでの雰囲気。
逆に昨年の白山大賞典では、パドックを見た瞬間にダメっぽいという気がしたので、馬券からバッサリ切ったら4着だった(1番人気)。
それ以来、私のなかでのソリタリーキングは「パドックを見ないとなんとも言えない」という立ち位置になっている。
だとすると、場合によっては地方競馬の天下となった昨年の再現があるのかも?
◎ハッピースプリント
○ユーロビート
▲ソリタリーキング
△タイムズアロー
△サミットストーン
ハッピースプリントはJRA中京のチャンピオンズカップに出られないことがほとんど確実になったため、こちらに矛先を変えた。
浦和コースは初めてだが、大井の2000mよりコーナー6つの2000mのほうが合っているような気がする。
ユーロビートはJBCクラシックでハッピースプリントから2馬身差。
秋2戦はひと押し不足という結果だが、背骨の圧迫骨折から甦った吉原寛人騎手に戻れば前進が十分可能だろう。
ソリタリーキングは一昨年7月のマーキュリーカップ(盛岡)を最後に善戦止まり。
今回は初の浦和コースでも戸崎騎手とのコンビは心強いということで、引き続き上位争いに加われるとみる。
あとはタイムズアローとサミットストーンを連下の押さえとしてマーク。
JRA所属の残り2頭は買い目に入れないことが妙味でしょう。
勝負!!
写真は金沢競馬のマスコット、ハッピーくんです(*^^*)
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。