
2年ぶりに有馬記念を見に行ってきましたよ。
いやいや、超絶に混んでいましたなあ。
というわけで、有馬記念を見に行ってきたと書いたものの、レースを見たのはスタンド内のモニター画面。
なんてったって、いろいろな事情で中山競馬場に到着したのが有馬記念の発走4分前だったのだから、
そこからスタンドに出ようとしたって無理な話。
馬券売場からは見渡す限り人のカベで、あとは空しか見えないのだからどうにもなりませんですよ。
という有馬記念の馬券は自宅で買っていたのだが、現場に着いたらなんとなく追加購入。
しかしそこで初心者みたいな大失敗。なんと有馬記念ではなく、最終11レースの馬券を買っていたのだ。
どうか有馬記念がこの買い目で決まりませんように……
と祈ったのが天に通じたわけではないのだろうが、買った馬が1頭も3着以内入っていないという大惨事。
よおし、ケガの功名で「最終レースで有馬記念の予想が当たる」ことを願ったのだが、
パドックを見た瞬間に望み薄であることを悟ってしまった。
こりゃ11番か12番が来るでしょ……
(有馬記念の馬券じゃなかった・・・)
しかしまあ、最終レースのパドックって、なんてガラガラなんでしょう。
写真を撮ってくればよかったが、土曜日のメインレースに毛が生えたぐらいでしたわ。
私は2階のベランダから出走馬を見たのだが、レース確定後にゆっくり行っても最前列を確保できた。
スタンドと反対側のパドックも人口密度が低くて、人よりも地面に貼られたタイルの面積のほうがはるかに大きい。
入場者数は12万7千人余りと、昨年より1割近くも多かったのに?
確かに、場内には学生グループとおぼしき若者グループの姿がたくさんあった。
最終レースは有馬記念と打って変わってスキマたっぷりのスタンドで見たのだが、
周囲にいる若者はスタート直後に「そのまま!」(そんな人気薄、君が持っているわけないでしょ)とか、
「アッゼニ!」(出てないやんけ)とか、しょーもないことを叫んでいた。
つまり、有馬記念だけを見に来た、そういう層が入場者数の増加に影響したんでしょうなあ。
そういえば有馬記念が確定したあと、スタンド内で若者たちが「換金」と言っているのを何回も聞いた。
あのー、競馬の場合は「払い戻し」なんですけど。「換金」はいわゆる三店方式のアレでしょ。
でもまあ、振り返ってみれば私もそういう時期があったんだから、暖かい目で見よう。
あとはこの兄ちゃん姉ちゃんがどのくらいドロドロになってくれるかですな。
ただ、昨今の情勢を見ると、私が競馬初心者だったころとは少し様相が違うのかもしれない。
今年はハロウィンで渋谷の街が恐ろしい状況になった。
11月1日の朝7時に、某ハンバーガーショップに行ったら、ゾンビメークのままで列に並んでいる兄ちゃんがいたものなあ。
そんなふうに、仲間同士で盛り上がりたいという欲求が大きくなっているのかも。
でも、それなら今後のドロドロ化にも期待ができる。
私がウインズ後楽園で初めて馬券を買ったときは、サークルの先輩が後輩をその道に嵌めるというのが日常の光景だった。
私も20名以上の後輩を競馬場に連れていって、そのうちの数名は競馬が一生の趣味になった(と思う……)。
しかし10年前あたりからは、競馬場でも場外でも「仲間同士でつるんでいる」人々がめっきり減った。
私の馬券デビューの地であるウインズ後楽園も、行列に並んで買った、かつての面影はまったくない。
それは電話投票が充実したことも一因なのだろう。
しかし競馬、そして馬券を買うことを実戦で若い衆に学ばせていくのは、我々の役割だと思うのですよ。
伝統芸能の伝承みたいに。
競馬場になんとなく来てみました~という初心者と、
競馬にハマっているリーダーがいるグループに巻き込まれて来た初心者を比較すると、後者のほうが競馬リピーターになる確率が絶対に高い。
と考えると、わざわざ千葉県船橋市までやってきた連中の多くは、今後に見込みがある若者ではないか!!
そう思えば、払い戻しを換金と言っていることも許しましょう。
近いうちに正しい用語を学習してくれるはず。
あとはゴール前で紙ふぶきという名のゴミを撒くとか、フーリガンみたいなことをしなければOK。
かつて私が後輩たちを仕込んだように、どんどん競馬の輪を広げていただきましょう!
そういう若者たちが地方競馬にも目覚めてほしいもの。
じつは私もそのクチで、南関東でのデビューは競馬を覚えてから数年後だった。
ラシアンゴールドとナリタハヤブサが同着だった帝王賞のあたりだから、1992年ですか。
ちなみに南関東を認識したきっかけは、バイト先の居酒屋の板長が「東京ダービーでアポロピンクがよぉ~」とわめいていたのを聞かされたこと。
やはり人とのつながりっていうのは、人生において重要なことなんですなあ。
その巡り合いに感謝しつつ、年の瀬も頑張っていきましょう。
しかし30日の東京シンデレラマイルはむずかしい。だって大半の馬が条件級……
◎ララベル
○ブルーチッパー
▲ハッピーウェーブ
△マルカンパンサー
△ティーズアライズ
昨年は初めて3歳馬が制したが、今年もララベルが続くことを期待。
ブルーチッパーは最内枠を引いたことが何よりの援軍だ。
穴はB1クラスのハッピーウェーブ。
連対率3割超えの出川克己厩舎から送り込まれた格上挑戦は、なんとなく不気味な香りがする。
そして大晦日は東京2歳優駿牝馬。
ローレル賞では逃げ切りを許したスアデラだが、ゼッケン3番なら逆転の可能性が十分ありそう。
モダンウーマンは前走が北海道所属馬だったが、今回は川崎所属での出走だから、輸送距離が短いのが何よりだ。
ただ、前に行く馬が多いだけに、後方からの上位食い込みも考えたいところ。
マックスガーデンはローレル賞で2着から9馬身差の3着だったが、門別ではモダンウーマンを差し切ったことがある。
こちらは今回から大井所属。その点もプラスだろう。
◎スアデラ
○モダンウーマン
▲マックスガーデン
ローレル賞の1~3着馬でも、順番が変わる可能性が大とみてボックスで!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。