コラム”

「推しメンを想うチカラはすごい!」
2016年1月11日

ご存じかどうかわかりませんが、ワタクシは世間でいうところのいわゆる“おっさん”なわけなんですけれど、1月9日に行ってきましたよ。
さいたまスーパーアリーナ。
そこで行われたのは「俺の藤井」というイベント。
内容は、スターダストプロモーションに所属するアイドルグループが次々に登場して、ライヴしていくというものであります。
開演が14時で終演が20時予定という長丁場で、しかも買ったチケットは“アリーナスタンディング”。
つまりイスがない席ですね。

そのため、整理番号順に入場して自分の力で陣地をゲットしなければならないので、会場に入ったのは12時半。
チケットの半券を切られてアリーナ内のブロック図をみると、指定された「ふ」の場所はステージにいちばん近いところ。
同じアリーナでも横2列×縦5エリアになっているので、最前方と最後方では50m以上も違う。
こりゃ超絶ラッキーではないですか!
急いで指定された最前方のエリアに移動すると、まだまだ余裕がある感じで前から5列目、ステージから10m程度という場所をゲット。
よっしゃ、この位置で見られるなんてすんばらしい~。
絶対にここをキープし続けるぞ!

さあ、あとは7時間半以上、足と腰が耐えられるかどうか。
最近は競馬場で朝イチから最終レースまでパドックと本馬場を往復し続けるという修行をしなくなったものなあ。
それになにより私はオッサンですからね。
開演前に大型モニターに映し出されている過去のイベント映像をしばらく見ていたら、だんだん首が痛くなってきた……

しかし14時のスタート後は、そんなことなんか忘れるものですな。
私のお目当ては最後、つまり5時間後に出てくる「ももいろクローバーZ」なので、それまでの出演グループはみんな前座。
でもまあなんというかスンマセン、楽しいんですわ。
最初の2時間半で6組が出て、休憩をはさんで後半は4組で合計3時間ちょっと。
後半の「チームしゃちほこ」のところで、
箱推し(グループ全体のファンのこと)の衣装でバッチリとキメた角刈りのおっさんが私の背後で異様にハァハァしていたので、
「前に行っていいよ」と場所を譲った以外は、前から5列目をキープ。
そのおっさん、およそ50分のステージの間、ずっと跳ねて踊って汗かいてる。
その横ではチケットを取ってくれた私の友人(46)が踊り狂っている。
いやあ、いいねえ、青春だねえ。
でも私も「ももクロ」のときは少しだけ跳びました。
テヘッ。

というわけで、テンションが上がりっぱなしだったから、8時間スタンディングでも問題なし。
途中、水もほとんど飲まなかったから、1kgぐらいは減量したかも?
しかしまあ、周りを見るとオッサンオバハンの多いこと。
7500円というチケット代からも、ターゲットは若者ではないというところだろう。
AKB48劇場は3100円で入れるが、チケットを買うのがなかなか大変なのよね。
そして……

チケット

(チケットです)

私の先輩の自宅には、CDの塔が立っているわけでして。
ちなみにその人は50代独身の大企業の課長。
可処分所得がメチャメチャ多い、その行き先がそこなんですなあ。
私はそういうお金の使い方をしている人を、つい2年ほど前まで「ハア、そりゃ大変ですねえ」という感覚で見ていた。
しかし今では立場がそっち側。
アイドルは生きる気力を与えてくれるし、GDPの向上にも役立つ。
何にせよ、楽しいことはいいことだ!

終演後の風景

(終演後の風景)

そういう現場の空気を経験して、ちょっと気になることがある。
「ももクロ」ファンの多くは、5人いるメンバーのなかで自分が応援したい人の「色」の服を着ている。
「チームしゃちほこ」「たこやきレインボー」のファンも同じで「私立恵比寿中学」は出席番号。
「推しメン」の服を着るのはスポーツでも同様で、野球もサッカーもレプリカユニフォームに背番号を入れている人が多い。
しかし地方競馬では騎手ごとに違う服を着ているのに、そのレプリカを着ている人がほとんどいないんですよねえ。

大井では一部の騎手のTシャツが販売されているけれど、売上的にどうなのかしら。
川崎の売店は昨年の秋に営業を終了してしまったし。
確かに騎手は、アイドルに比べるとファンの層が薄い。
でもそこは「未開拓」と捉えることができるのでは?
JRAではウィナーズサークルの最前列にピッタリとくっついている人たちがいる。
応援幕を熱心に張っている人もいる。
ただ、JRAの勝負服は馬主さんごとに違うから、騎手ごとのカラーは表現しにくい。

地方競馬はそこがアドバンテージになると思うのだ。
その部分を開拓していくためにも、各騎手には勝ったときに観客席に向かって喜びの表現をしてほしい。
どの競馬場も検量室はゴールの先にあるのだが、その前に少しの距離でいいからファンエリアに近づいてくれればいいのだけれど。
それだけで騎手に対しての好感度が上がるし、馬券を取った人もお礼が言える。
そういったことの積み重ねは、各騎手のモチベーション向上につながるだろうし、より白熱した競馬にもつながっていくと思うのだ。
そういう流れが発展していけば、交流重賞でもJRA勢と互角以上にやれるはず。
ただ、今週のTCK女王杯はちょっと厳しいかなあ。

◎ホワイトフーガ
○ディアマイダーリン
▲パワースポット
△ノットオーソリティ

Jpn1を勝った馬が56㎏というのは圧倒的に有利。
初ダートのクイーン賞で違和感のない走りを見せたディアマイダーリンを目標にできるのもプラスだろう。
パワースポットはクイーン賞が先行3頭でのワンツースリーだったなか、最後方から長く脚を使って4着に入った。
コース替わりのこの舞台なら、順番が変わる可能性が大きそうだ。



 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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