
2月28日は、阪神競馬場に行ってきました。
その目的は、個人的にいろいろとお世話になっている橋口弘次郎調教師がこの日の管理馬出走で引退となるから。
その最後の仕事ぶりを見届けようと思ったのだ。
いやしかし、阪神競馬場に行くのはいつ以来なのか、イマイチ記憶があやふやなのですよ。
たぶん、その金ナイターが開始された翌週の土曜日に行ったのが最後だったような……。
ということはつまり、2012年9月以来?
え?そんなに行ってなかったっけ?
園田競馬場には昨年だけで業務とプライベート合わせて6回も行ったのに!
うーん、そうだったっけかなあ。でも業務エリアに行ったら道に迷ってしまったから、確かに久々の影響があったかも。
なにごとも“慣れ”は大切ですなあ。
さて、久々の阪神競馬場に入場し、一般席で兵庫県川西市在住の友人と合流して、まずは普通に馬券で勝負。
とりあえずは黒字で1日を終えないと。
すると、第7レースで6点買いの3連単81倍が的中。
これで今日は左団扇で経営できるぞ~
と気持ちが楽になったところで電話が。
競馬関係を含めて高名な、小説家である乗峯栄一先生から「いま5階で橋口調教師の弟さんと会ったから、すぐ来なさい!」
という内容だったので、スパッと行動。
橋口調教師の弟さんは宮崎県都城市のとなり、三股町に住んでおられて、橋口調教師が生まれ育った実家を守っている人だ。
家の庭には馬房が2つあり、そこでサラブレッドを生産している。
その家があるのは、いわゆる普通の住宅地。
だからサラブレッドが2頭いるにもかかわらず、庭の広さはよくある田舎の家という感じである。
その広さをたとえて書くと、テニスコート1面分ぐらい。
しかし昨年は、そこで誕生して育てられたイザシュツジン(父ダノンゴーゴー・牡)が、
佐賀競馬からJRA小倉の九州産馬限定レース「ひまわり賞」に出走し、さらに佐賀で2歳上級特別戦を勝利するという実績を残した。
という、馬が身近にいる環境で育った橋口ファミリー。
橋口調教師は大学を出てから佐賀で騎手になり、しかし1年で騎手を辞めてJRAの厩務員になり、そして調教師試験に合格。
JRAの調教師は「70歳の誕生日を過ぎて初めて迎える2月末日で定年引退」という決まりがあるので、
個人の意思とは関係なく、2月28日の日曜日が最後の仕事となるわけだ。
(サイン中の橋口弘次郎調教師)
しかしながら、JRAと調教師の間には“免許”という関係性があるとはいえ、調教師は個人事業主。
そこに定年という規定があることには多少の違和感もあるのだが、
それでも期限が区切られているということは、人生設計をする上でいいことなのかもしれない。
ということを、阪神競馬場を後にして仁川駅前の飲み屋に向かう途中に、乗峯先生と話した。
「われわれみたいな原稿屋は、いったいいつまで仕事するんですかね?」
依頼さえあれば何歳でも仕事ができるというのは幸せである反面、ダラダラと時だけが過ぎていくという危険性を含んでいる。
事業計画はもちろん、大小にかかわらず目標を立てるときには「期限」を設けることが重要だ。
もちろん「今の状況で大満足」と思うならばそれでいいのだが、
私のような隙間産業ライターでも、たとえば「本を書きたい」と思ったら、やはり「期限」を切らないといつまでたっても出来上がらない。
橋口調教師は70歳を過ぎてもまだまだ活躍できるだけのノウハウをお持ちではあるが、
逆に70歳という期限があったからこそ、それまでに結果を残そうというモチベーションもあったはずだ。
といいつつも、翌週には息子さんが橋口慎介厩舎を開業。
そこで夢の続きが見られるのは、ご本人にとってもファンにとっても幸せなことでありますなあ。
(橋口厩舎ファンのかたがオリジナルタオルを制作)
いっぽう、地方競馬には定年制がないので、たとえば佐賀の山田勇調教師は1941年9月生まれだから、今年の秋には75歳。
しかし雰囲気的には年齢を感じさせるところがまったくない。
ちなみに手短に調べた範囲では、南関東では川崎の秋山重美調教師が1935年3月生まれで最年長かと。
……1935年って、昭和10年ですよ!
馬の仕事は危険と隣り合わせ。
さらに勝負という世界に身を置いているわけだから、それだけ気持ちが衰えない人が多いのかもしれないなあ。
私はジジイ化が現在進行中ではあるけれど、気持ちはヤンチャなままでいなければ。
「年相応」という言葉と気持ちは人類の敵だ!?
と思っていても、一応は時と場合を考えなくてはね……。
しかしまあ、水曜日の川崎・エンプレス杯は出走馬の大半が5歳以下で、さらに南関東所属馬は2頭だけ。
しかも両方ともB級とはこれいかに?
対するJRA勢もオープン馬が1頭だけで、あとはみんな1600万条件。
春は牝馬にとって引退のシーズンではあるけれど、ダート界の上級条件馬って、こんなにいないもんでしたっけ?
◎アムールブリエ
○ヴィータアレグリア
▲タマノブリュネット
△イントロダクション
△ティンバレス
穴タッチデュール
アムールブリエは単勝1.0倍レベルでしょう。
相手筆頭には急上昇中のヴィータアレグリアを抜擢する予想にしたが、仕掛けひとつで順位が入れ替わりそうなメンバー。
3連単1着固定で相手JRAの4頭で12点。
これでプラス決算は可能かな?
個人的には後方から差を詰めてくる、7歳のタッチデュール姐さんに期待したいが、馬券の対象までは遠いかも。
日本にも4連複や4連単があればなあ。
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。