コラム”

「女性ジョッキーに大注目!」
2016年3月7日

3月3日の川崎競馬はすごかったですね~。
JRAの藤田菜七子騎手が初めての実戦を迎えるということが、こんな一大事になるとは。
所属する根本康広調教師は面倒見がよくて、楽しいことが大好きという人だからこそ実現した“同期よりもお先にデビュー”。
それにしてもテレビカメラが31台とはよく集まったもの。
取材申請をしたのは63社137人……
いやはや、恐ろしい。
という私も、現地に行ってその様子を見てきましたわ。
といっても、業務の都合で9レース前に到着して10レース後に帰るというピンポイント攻撃。
しかし競馬場に入った瞬間に「いつもより明らかに人が多い」と感じましたね。

第10レース

(第10レースのパドック待ち?)

「1レースのときは、もっとすごかったですよ」と教えてくれたのは、カメラマンの佐々木光くん。
「全レース撮っている僕たちの居場所がなかったですよ」と苦笑いしていた。
でも第10レースのときは、パドックの特設取材エリアで動いていたテレビカメラは6台ぐらい。
本馬場には5台あったかどうかという程度なので、
おそらく大半は第1レースを撮ったあと、昼のニュースやワイドショーに間に合うよう、撤収したのだろう。

しかしながら、馬券のほうは1日中フィーバー状態だった。
今をさかのぼること12年前の2004年。
高知競馬のハルウララに武豊騎手が乗ったときがまさに似たような事態で、
勝てそうにないハルウララが1番人気に支持されたわけだから、そりゃ別の馬の単勝を全力で買うでしょ!
そのときは苫小牧の場外で馬券を買ったのだが、
そこにいた旧知の水産会社の社長から「社員用に交通安全のお守りとして200枚買ったよ」と自慢された。
じゃあ、そのお金は私がいただきますわ~と、別の馬の単勝をガッツリ購入。
でも同じことを考える人は全国にいっぱいいたらしく、ズバリと当たったけれど4倍しかつかなかった……。

それにしても、ハルウララの前に行われた黒船賞がおよそ3億円の売上で、
その次のハルウララのレースのほうが黒船賞より売れたというのにはビックリ。
馬券という商品を売るのに必要なことは、どうやって注目してもらうか、ということがキモなんですなあ。
というわけで3月3日の川崎競馬も、1日の売上高が10億円を突破。
水曜日以外でここまで売れることはなかなかない。
その要因のひとつには、私のような「藤田騎手は過剰人気だから、ハズして買えばオイシイぞ!」
というスケベ心を持った人間の功績があったことは間違いないだろう。

そりゃそうですよ。
単勝だけが売れているのかな~と思って第1レースのオッズを見たら、連勝式も3連勝式も藤田騎手絡みがそこそこ売れているんだもの。
そりゃ相場および商売の格言「人の行く 裏に道あり 花の山」でしょ!
というわけで、第1レースなのに清水の舞台から的な金額を投入(通常の自分比)。
どう考えても単勝1.2倍のロゼッティローズから、藤田騎手以外に流す3連単でしょ!
と気合を入れたのだが、藤田騎手の後方から上昇していったロゼッティローズは、その位置取りが災いした感じで2着まで……。
しまった、3連複3点買いでよかった(涙)

という負債を抱えたならば、現地で巻き返さなければならぬ。
しかし第10レースでも藤田騎手の特需が続いていたのは意外だった。
藤田騎手が騎乗する自厩舎のレガリアシチーは、最近の成績的に厳しいのが明らかで、専門紙上ではシルシがゼロ。
それなのに締切5分前での単勝オッズは、6倍前後で2番人気。さらに馬連も藤田騎手絡みのオッズがけっこう低かった。
これぞファンの底力!?
単勝が売れるのは分かりますよ。
私の背後から「今日の単勝を6枚セットにしてヤフオクに出すんだ」と話す声が聞こえてきたし。
しかし連勝式はねえ……

というわけで、そこに投下された資金は栄養分。
ここはチャンピオンゴッドとオーラゼウスの馬連1点、チャンピオンゴッドとオーラゼウスからの3連単5頭流しで万全でしょう!
と勝負して、みごとに資金を回収。
でも1レースの穴を埋めるまでには至らず……。
それに私は埼玉県人なもので、川崎までの交通費がけっこうかかるのよ。

その翌日は、名古屋競馬場で行われた、
地方競馬の平地競走で活躍する女性騎手が全員集合するという「レディス&ヤングジョッキーズシリーズ・名古屋ステージ」の取材に出かけた。
こちらは川崎の人数には及ばないものの、ウイナーズサークルを囲むファンの熱気は互角以上と思えるものだった。
テレビカメラは1台も来ていなかったけれど、ここに藤田騎手が加わるのならば、違うことになるのかもしれないなあ。

LYJ出場騎手紹介セレモニー

(LYJ出場騎手紹介セレモニー)

その名古屋ステージで総合優勝を飾ったのは、高知の別府真衣騎手。
別府騎手は2010年のダイオライト記念に参戦している。
そのダイオライト記念には「1ケタ馬番と2ケタ馬番から各1頭が連対する」という傾向があるのですよ!
ただ、昨年は4→5→6番で例外となってしまったのは残念。
さらに一昨年も3→6→14番という結果だったから崩れぎみではあるのだけれど、一昨年の14番は7番人気のサミットストーン。
これで3連複が141.7倍だから、まあまあでしょ?

◎クリソライト
○クリノスターオー
△ユーロビート
△ストロングサウザー
△マイネルバイカ
△クラージュドール

1ケタ馬番同士、2ケタ馬番同士のワンツーは「ない」と決めつけて、3番のクリソライトと11番のクリノスターオーのクリクリ2頭軸で勝負!
ちなみにその前の実績を書き添えておくと、2007年から2013年まで7回連続でこのデータに合致。
2006年は10頭立てながらも6→9の順で入ったし、2005年は10→4で決着しているのだから、あながちオカルトでもないと思っているんですが!


 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

コラム一覧