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「女性騎手に注目が集まっています」
2016年3月14日

3月4日は名古屋競馬場に「レディス&ヤングジョッキーズシリーズ」の取材に出かけましたが、先週末は佐賀競馬場で行われた同シリーズの取材に。
あちらこちらに顔を出せている状況は、まことにありがたい限りです。
しかし3月6日に佐賀所属の岩永千明騎手が3コーナー手前で落馬して、救急搬送されるという重傷を負ってしまった。
このため、本来ならば「レディスチーム」と「ヤングジョッキーズチーム」が5名ずつで行われるはずの団体戦が、
レディスチームが4名というハンデキャップマッチとなった。
それでも3月12日の佐賀競馬場には、大型のカメラを抱えたファンがたくさん来場。
本州からの遠征組も多いようだった。

しかし女性騎手って、なかなか増えないものですなあ。
10年ほど前は、たとえば南関東にも女性騎手が数名いたし、2004年に荒尾競馬場で実施された「全日本レディース招待」は11名の参加があった。
しかしそういった全国規模で実施されるイベント(レディースジョッキーズシリーズ)は、2011年に6名で実施されたのを最後に休止。
最近になって、愛知の木之前葵騎手、岩手の鈴木麻優騎手が騎手デビューを果たしたという動きはあったが、
地方競馬の平地競走で活躍する女性騎手は5名以上になかなかならない状況が続いている。
これはどうしてなんでしょうかねえ?

別府真衣騎手と木之前葵騎手

(別府真衣騎手と木之前葵騎手)

とはいいつつも、世界的にみても女性騎手が大活躍しているのは豪州ぐらい。
香港には1名だけ女性騎手がいるらしいが、世界の名手が続々とやってくる場所だから、騎乗数を確保するのは難しそうだ。
韓国には女性騎手が5名いるが、リーディング上位に食い込んでいるのは1人だけ。
JRAに短期免許で来た女性騎手はともに豪州(すべてニュージーランド)からだったし、かの地にはそういう風土があるのかもしれない。
競馬場の数だってものすごく多いし。
それでも以前は日本にたくさんの女性騎手がいたのだから、なんで今が少ないのかという説明にはならない。
そういえば北海道の育成牧場の従業員も、以前よりも女性が少なくなっている気がする。

ということは、単に時代の流れってこと?
とはいえ、競艇、競輪には女性選手がたくさんいる。
電車の乗務員の女性率も著しく上昇している。
これらの業界に共通しているのはサポート体制が充実しているということだろう。
女性用の控室やアメニティー施設がきちんとしていないと、来てくださいとも言いにくいし、来てくれたとしても長続きしにくい。
という点で考えると、確かに牧場に行くとトイレは大自然ということも多いし、厩舎地区やトレセンでも微妙なところがたくさんある。
JRAが藤田菜七子騎手を無事にデビューさせるにあたっては、競馬学校などが気を使ったところがたくさんあるのだろうなあ。
という状況でも、女性騎手たちは明るく楽しく頑張っている。
しかしやはり騎手は危険な職業。
佐賀ステージの第1戦では、高知の下村瑠衣騎手が落馬して病院に搬送されてしまった。

それにしても、3月に入ってからの藤田菜七子騎手へのマスコミ的注目度はどえらく高い。
ちなみに3月14日の私の現在地は高知県高知市。
明日は高知競馬場に黒船賞の取材で行くのだけれど、初めてですよ。
高知競馬場に取材で行くにあたって、事前申請をしてくれと要請されたのは!
これもすべて、藤田騎手が参戦するおかげ。
ド平日の高知競馬場がどのくらいの人出になるのか楽しみでありつつも、ちょっとコワイ気もする。
1月に高知に行ったときは最終レース時の観客数が50人程度だったと思うのだが、
藤田騎手は最終レースにも乗るわけで、そのときまでどのくらい残っているのだろうか?

という明日の黒船賞は午後5時に発走する予定。頼まれていないけれど、そのシルシを勝手にドン。

◎ダノンレジェンド
○ニシケンモノノフ
▲ドリームバレンチノ
△ラブバレット

現在の高知市内は冷たい雨が絶賛降水中。
いやホント、マジで寒いです。
そんな状況なら、先行力とスピードがいきそうなダノンレジェンドを中心に。
ニシケンモノノフも先行力があるタイプで、
そしてわたくしはきのう、「ももいろクローバーZ」のコンサート@京セラドームに行ってきたんですわ。
なので「モノノフ」は絶対に外せません(汗)

その翌日は大井競馬場で京浜盃が行われる。
以前は大井の開催日に羽田空港に到着してモノレールに乗ると、ほぼ100%の確率で浜松町に到着できなかった。
それが今は「空港快速」があるものね。
“飛んで火に入るなんとやら”になる危険性が減ったのはありがたい!?
ちなみに羽田空港から品川駅まで公共交通機関でいちばん安く行けるルートは、
羽田空港(京急バス)大森駅(無料バス)大井競馬場(無料バス)品川駅で、280円。
大井競馬場に着いて、そのまま都バスに乗り継げる強い意志があればですが……

◎ポッドガイ
○アンサンブルライフ
▲ヤマノカミ
△キーパンチャー
△ラッキーバトル
△ジャーニーマン

6戦6勝のポッドガイに大注目なのだが、全日本2歳優駿を出走取消で回避してからの休み明けは少々心配。
それでも大井の1700mはスタート直後のペースが速くなりがちなので、展開的に有利とみて中心にしたい。
アンサンブルライフは気性的な面が心配でも、月曜日の雨は追い風になりそう。
昨年9月の若武者賞(ドロドロ馬場)は、本当にスゴいパフォーマンスだった。
その再現をぜひ的場文男騎手の手で。

ヤマノカミは現在のところ、3着内率100%。
ただ、金沢の兼六園ジュニアカップで2着に敗れたとき「馬が先頭に立ちたがらないような感じがするんですよね」と、
手綱を取った佐藤友則騎手が言っていた。
それでも相手なりに走れそうという点を重視して、3番手に抜擢する。
あとは、追い込みがハマる可能性があるキーパンチャー、
最内枠から主導権を取れそうなラッキーバトル、堅実に差を詰めるジャーニーマンを押さえに指名。
最近、私は“節操なく3連複6頭ボックス20点買い”戦法を多用しているので、今回もそれで勝負してみるかな?



 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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