
先週は、水曜日に鳥取県米子市郊外にある「大山ヒルズ」で2歳馬を取材して、木曜日は岡山県北部の真庭市にある「EISHINSTABLE」で取材。
終了後はレンタカーを岡山駅で返して電車で関西空港に移動。
そこで夜通しで各種の原稿を書いてから、金曜日の午前中の飛行機で北海道へ行き、ファンタストクラブでまたまた取材。
この時期は2歳馬取材のシーズンというのは恒例で、スケジュールがキツキツになるのも恒例。
しかし、やはりというかなんというか、体力的に厳しくなってきた感じがしますなあ。
でも、初めて行く場所ではないから、精神的には楽。
関西国際空港の出発ロビー内にあるビジネスデスクは、すっかり私の定位置になっている。
とにかく机の高さがちょうどよくて、イスもわりとリラックスできる堅さ。
そして電源とLANケーブルがあって適度に静かなので、原稿を書くにあたっての環境が素晴らしいのですよ。
というわけで、関空での夜明かしは今年2回目。
そのビジネスコーナーは6席あるのだが、終電で関空に着いたら残り1席だった。危ない危ない。
関空での夜明かしは外国人旅行客にも定着しているらしく、この日もおそらく100人ぐらいが長イスで横になるなどして朝を待っていた。
鉄道駅をはさんで反対側のエアロプラザでは毛布の無料貸し出しがあるし、
日本国内の空港における居住性の高さランキングでは断然のトップ(筆者調べ)。
しかし利用客が多くなるにつれて、置き引きなどの発生数が多くなっているらしい。
そこは日本が誇る安全の象徴、コインロッカーを利用すれば安心なのだが、大半の旅行者はスーツケースを体の近くに置いたまま、グースカピーと眠っている。
(午前3時の関西空港)
そういう人の大半は、荷物の中身が盗られてもダメージが少ない衣料品ばかり、ということなのだろう。
ただ、夜中の1時頃に警察官が夜明かししている全員に声をかけるということは定番になった。
私もトイレに行きたくなったらパソコンを閉じて、家財道具を全部持って用を済ますようにしている。
何かあってからでは遅いですからね……。
それでも、日本の治安の良さは世界一ではないかとよく思う。
ちなみに私の過去の空港夜明かし歴は、シンガポール、クアラルンプール、ソウル仁川、そして羽田空港。
そのいずれでも危険な香りを察知したことはないのだが、多くの旅行者が荷物をほったらかしにして寝ているのは日本ぐらいだ。
それにしても、そうやってあちらこちらに出没できるのは、インターネットの力によるところが大きいですなあ。
私が会社員だった20年ほど前は、泊りの出張があると「全国ビジネスホテルガイド」をめくって予約の電話をかけていた。
そして宿泊料は向こうの言い値だったから、比較するのにも限界があった。
それが今は予約サイトのおかげで楽に取れる。
飛行機も以前は旅行代理店でチケットを買っていたのだが、航空券を買いに店に行くなんて、5年以上ごぶさただ。
コンサートチケットも同様。
以前は発売日に電話ボックスに行き、午前10時の受け付け開始から電話がつながるまで、果てしない戦いを強いられた。
公衆電話にはリダイヤル機能がないのに、みんなよく頑張ったよなあ。
それが今はネットでひょひょいのひょい。
人気のチケットは発売開始直後だとアクセスしにくいのは以前と変わらないが、テレホンカードを何回も抜き差しするのとは比較にならない。
地方競馬もそうですよ。
高知は一時期、1日の馬券売上高が3千万円台ということがよくあった。
それがこの冬は3億円オーバーが何回も。
ホッカイドウ競馬も累積赤字が大きくなったことで、廃止を唱える知事がいた。
それが昨年は黒字決算。
そう考えると、最近になって廃止した荒尾と福山は本当にもったいないことをしたと思う。
また、インターネットの普及がもう少し早かったならば、高崎&足利&宇都宮、そして新潟&三条、上山は、今も存在していたかもしれない。
大きなことも小さなことも、すべての運命はちょっとしたタイミング。
私だってインターネットがなかったら、このコラムを書いていないわけだし。
そう考えると、残念なことがちょっとあったくらいでクヨクヨするのはバカみたい!
ただ、結果が明確になるものに関しては、そう言ってもいられない。
競馬なんてその最たるもの。
たとえばジャパンカップは1着賞金が3億円で、2着が1億2千万円だから、1着2着の差が「ハナ」だったら、その「ハナ」の価値は1億8千万円。
その「ハナ」は、ほんのちょっとの違いで変わるレベルのものだろう。
それで明暗が分かれるのだから、2着の騎手は悔やんでも悔やみきれないだろうし、勝った騎手、関係者は“運がよかった”と感じることだろう。
馬券もそうですよ。
勝った負けたは時の運。
だからボックスで網を張るのは理に適っている?
でも競馬は「勝つ馬を推理する」のが基本。
東京スプリントはその基本にのっとって予想しよう。
◎ダノンレジェンド
○ブルドッグボス
▲レーザーバレット
△コーリンベリー
△サトノデートナ
△コウギョウダグラス
私の予想のポイントは「コーリンベリーをどう考えるか」ということ。
個人的にJBCスプリントの優勝は、前日までの雨の影響と内枠のアシストが大きかったと判断。
まさしく運が最高によかったのだろう。
しかし今回は月曜日に雨は降ったが7枠12番。
ということで3着までと決め打ちするのが妙味とみた。
中心は昨年の覇者、ダノンレジェンド。
昨年より負担重量が1kg多いが、大井で3戦3連対の実績なら文句なし。
相手筆頭は勢いに乗るブルドックボスで盤石。
レーザーバレットは立ち回り次第で上位争いに加わってくるだろう。
サトノデートナとコウギョウダグラスは、内枠からコースロスなく最後に食い込むというシーンを想定して3連勝式の穴に。
キレイなフォーメーションがバッチリとハマることを期待します!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。