コラム”

「東京ダービー!」
2016年6月6日

今年もいよいよ、東京ダービー!
地方競馬所属馬だけに出走権があるレースとしては、日本で最高額の賞金となっていることもあり、1988年以降は14頭以上が出走。
そして最近は、出走するためのボーダーラインがハイレベルになることも多い。
しかし改めて今年の出走馬を見渡すと、それまでの成績である程度ふるいにかけられるJRAの日本ダービーとはちょっと違う感じがしますなあ。
日本ダービーの出走馬には「勝負権がありそう」という馬と、「ちょっと厳しそう」という馬がいるように感じることが多いのだけれど、
東京ダービーはいつも「どの馬も狙えそう」と思えるだけのメンバー構成になっている。
(※意見には個人差があります)

それは、芝路線におけるサンデーサイレンスのような大種牡馬がいないという点が大きいのかも。
過去30年で東京ダービー馬を2頭以上出した種牡馬というと、
フィガロ(2012年プレティオラス、2007年アンパサンド)、モガミ(2000年ヒノデラスタ、1992年グレイドショウリ)、
ミルジョージ(1995年ジョージタイセイ、1989年ロジータ、1987年ジョージレックス)だけなんですよ。
てことは、ダービージョッキーを目指す的場文男騎手が手綱を取るアンサンブルライフは、父がアジュディケーティング。
2004年の東京ダービー馬は、アジュディミツオー……。
うーむ、これはちょっと気になるぞ。

そういうわけで、最近の東京ダービー馬の父は、
サイレントディール、アッミラーレ、タイムパラドックス……と、どこから活躍馬が出てくるのかワカランという状況。
サイレントディールなんて、ほとんど開店休業に近い状態からダービー馬が出たものだから、今年はまずまず繁盛している様子。
めでたいことですなあ。

サイレントディールが繋養されている、ブリーダーズスタリオンステーション

(サイレントディールが繋養されている、ブリーダーズスタリオンステーション)

そういうわけだから、種牡馬業界も実力以上に運が試される部分はあるように思いますね。
まさに「これが競馬」というところでしょうか……
我々ファンも、運が試されるというのはご存知のとおり。
私は昨年の東京ダービーで、それを痛感しましたよ。

その日は大井競馬場に早い時間からいて、でも夜7時半から池袋で打ち合わせがあったため、
パドックは見ずに無料バス乗り場前の発売所で馬券を買ったわけですわ。
その買い目は、羽田盃で4着だったクラバズーカーを軸にして、そこから6頭に流す3連複。しかし……
クラバズーカーは11着でハズレだったのだけれど、相手にした6頭のなかに1着馬から3着馬までが全部入っていたのですよ!!!
9番人気、6番人気、10番人気。
そして表示された払い戻しの画面を見て悶絶。
だって7万馬券なんだもん……
どうして7頭ボックス35点買いにしなかったのよ、バカバカバカ!!!
いま思えば、それが影響して、その後の打ち合わせで正しい判断ができなくなった気がしますわ。

それからというもの、私の心のなかに、座右の銘がひとつ加わりました。
「流すな、ボックス」
それまでも「迷ったら買え」とか「締め切り寸前には買うな」、
「買い足し厳禁」など標語的な座右の銘があったわけですが、昨年の東京ダービーはもう本当にションボリでしたよ……。
ということで今年は同じ轍を踏まないことを誓って、3連複7頭ボックス35点買いをすることを、ここに宣言します!!!

その東京ダービーは、特異的なデータがあるというレース。私が書いた「ダービーウイークガイドブック」には、このように掲載されています。
まずひとつめは
「過去10年の連対馬は2、4、5、7、8枠からしか出ていない」
ということは、1枠と3枠と6枠は3着まででいいということ。
そりゃこのデータが継続するという確証はないわけだけれど、少し割り引く手はあるのかなと。

続いて「前走3着馬が好成績」
ハイ、昨年のダービー馬、ラッキープリンスも羽田盃3着でしたね。
うおお、今年の羽田盃3着馬は6枠11番じゃないですか!
こりゃ割引材料かなあ……

そして「2走前までに、ゼッケン1番か2番を付けていた馬が1頭だけ連対!」
ザ・オカルトですね。
でも過去10年の共通項で、しかも該当馬が1頭だけ連対していることを発見してしまったのだから仕方がありませんですよ。
さてさて今年の該当馬は、モリデンルンバ、トロヴァオ、バルダッサーレ、プレイザゲーム、タービランス。
5頭ですか、けっこういますなあ。

という案件を踏まえつつ考えますと……

◎モダンウーマン
○タービランス
▲モリデンルンバ
△アンサンブルライフ
△スアデラ
△トロヴァオ
△サブノクロヒョウ

注目の羽田盃3着馬が6枠に入ってしまったからには、割り引かざるをえないわけですわ。
ということで今のところ、この7頭のボックスで攻める予定でおります。
そして上記のデータをもとに理詰めで考えて、馬複、3連単を買おうかな?
しかし本当に今年も混戦。白熱の戦いが見られることは間違いなし。
ぜひリアルタイムで興奮しましょう!!



 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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