
今年の東京ダービーもハズレましたわ……。
しかし先週書いたデータの「2走前までにゼッケン1番か2番で走っていた」と「前走3着」の2つに該当していたプレイザゲームが2着に入るとは!
ただ、プレイザゲームは過去10年で2着以内が1回もない「6枠」に入っていたんですよね……。
今年の3連複7万馬券は、あとで考えれば取れたような気はするけれど、でも手が届かなかっただろうなあ、という思い出になりました(涙)。
その翌日は北海道にGO!
門別競馬場で行われる北海道スプリントカップを目指して行ったわけなのですが、その前にちょっと牧場にご挨拶。
笠松からタッチデュールを連れてきている厩務員の三谷さん、
このかたはトウホクビジンとともに6年間を過ごした人ですが、ぜひトウホクビジンに会いたい!
と言うので、連れて行ってあげることにしたのであります。
トウホクビジンが走った競馬場は、門別、盛岡、水沢、金沢、浦和、船橋、大井、川崎、笠松、名古屋、園田、姫路、福山、高知、佐賀。
あと、JRAの京都、阪神、中京、新潟。
人間でもこれだけ行くのは大変ですわ。
トウホクビジンは荒尾競馬場に行く機会はなかったが、そこが2011年に廃止されたことで、
2013年の高知・黒船賞で「サラブレッドが走れる地方競馬全場踏破」を達成。
そのときは高知競馬の実況アナウンサー、橋口浩二さんに頼んで、馬場入場のときに
「この黒船賞で、ばんえいを除くすべての地方競馬場での出走を達成します」と言っていただいたのが懐かしい。
163戦13勝とタフに走り、ダートグレードレースで5着以内に8回も入る成績を挙げられる馬は、もしかしたらもう現れないかもしれないなあ。
ちなみにその8回のうち7回は左回り。
それをもとに大師オープンなどに出走してきたときはガッツリ狙ったのだけれど、なかなか馬券圏内までに届いてくれなくてねえ……。
でも、たくさんの思い出をいただきました。
全国各地でたくさん走ったビジンさんは、昨年1月の引退後に新冠のビッグレッドファームにお引越し。
すぐさま繁殖牝馬生活の準備に入って、今年2月14日にアイルハヴアナザーの牝馬を出産しております。
ということで、6年間も一緒に過ごした三谷さんがわざわざ北海道に来たからには、たとえ朝から雨が降っていても会わねばならぬ。
そんな気合で牧場に着くと、雨の粒がすこし小さくなったような。
さっそく、小さめの放牧地にいるビジンさん親子とご対面~!
(トウホクビジン親子)
「誕生当初は小柄かなと思ったのですが、もう普通のサイズになりましたね」と、案内してくれた菊池さん。
「来た当初は氷の上を歩いて滑るとか、ほかの馬とはちょっと違う行動をしていました。
たぶん放牧の経験がなかったから、危険なところにも行ってしまっていたんでしょうね」
ハイ、よくお分かりで。
ビジンさんは笠松に移った3歳春から現役生活を終える9歳1月まで、放牧に出たのは1度だけ。
しかも休養先は長野県の牛系の牧場(?)だったらしい。
それ以外は、笠松の自分の部屋と、競馬場と馬運車のなかだけで生活していたわけだから、
いきなり広い野原に放されても何をどうしたらいいのかよくわからなかったことだろう。
でも現在は、6組の親子と広大な放牧地で過ごす日々。
そしておなかのなかにはゴールドシップの仔が入っている。
「いや~、立派になったなあ」
と、三谷さんは1年半ぶりに会うビジンさんに感動しきり。
「あまり人に媚びるタイプの馬じゃなかったからね」という性格は変わっていないようで、訪問者の近くに来たり遠ざかったり。
それでもきちんと子育てをしている姿に安心しているようだった。
久々の再会となれば、去りがたくなってしまうもの。
雨のなか30分以上もビジンさんを眺めていたが、また来ますということで放牧地をあとにして、現在のビジンさんの部屋も見学。
繁殖牝馬として迎え入れてくれたビッグレッドファームさまに大感謝ですね!
(3月末に撮影したトウホクビジン2016)
そのあとはビジンさんの第2仔の父、ゴールドシップさんにもご挨拶。
スマートボーイの肌にゴールドシップという血統は、どこに適性があるのかサッパリわからん組み合わせになるけれど、
意外性のある仔が産まれるかも?
しかしトウホクビジンはまさに「無事之名馬」。
その意味である「多少足が遅くても、ケガや病気をせずに長い期間を走る」にこれほどまで合致する馬って、いままでいたかしら?
それを含めてトウホクビジンをリスペクトする気持ちを持っているワタクシ。
そしてゴールドシップのおうちにおじゃましたら、空模様が短時間集中豪雨的な勢いになった。
この雨を放牧地にいるときに食らわなくてよかったなあ。
これもビジンさんのおかげ?
(ゴールドシップ)
そのトウホクビジンは2009年の関東オークスに出走していた。
結果は11番人気で7着。
内容的に完敗だったその馬が、その年の秋には岐阜金賞を最低人気で勝って重賞での3連単特払い(70円)を発生させ、
翌年のさきたま杯で4着に食い込むまでに成長するとは、誰が予想できたでしょうか?
本当に馬はどう変わっていくのか、わからないものですなあ。
ただひとつ言えることは、「丈夫がいちばん」ということ。
どんなに能力があっても体が弱かったら全力で走れませんからね。
私も今さらながら体力づくりをしようかな!?
さて、今年の関東オークス。
この話の流れで笠松の馬をシルシに入れるとかはいたしません(汗)。
◎タイニーダンサー
○アルセナーレ
▲ブライトリビング
△ディーズプラネット
△ポッドガゼール
△ワカチナ
今年は実績のある牝馬は東京ダービーに行ってしまったので、南関東勢はちょっと微妙。
ということで、中心にはここに入れば力が違うはずのタイニーダンサーを指名。
アルセナーレの新開厩舎はなぜかダートで好成績を挙げている。
おそらくこれは厩舎カラーということになるのでしょうね。
パワフルな脚があるブライトリビングが3番手。
前走でオープン特別を制したディーズプラネットは個人的に半信半疑という位置づけでの4番手としてみました。
バッチリ当てて、ロジータビールで乾杯しましょう!!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。