コラム”

「コパノリッキーに恐れ入りました!」
2016年7月4日

いやいや、帝王賞でのコパノリッキーは圧勝でしたねえ。
友人がコパノリッキーに少々かかわりがある人なので、
私もリッキーくんは2割から3割増しで考えることにしているのだけれど、でも帝王賞のパドックで見た「プラス15㎏」にはビックリしましたわ。
その数字にたじろいだ結果、私が買った馬券は「コパノリッキーの複勝」。
よわ~。

それと、コパノリッキーとホッコータルマエの2頭軸での3連複。
というわけで、こちらは軸馬が1着4着でハズレでございました。
その友人はコパノリッキーが出てくるたびに、単勝1万円を購入することにしている模様。
ちなみに、最低人気で勝利したフェブラリーステークスのときは「いや、さすがに……」と言っていたので残念。
おそらくそれを薬にしたので、こんにちの繁栄があるのだと思われます。
でもしかし、コパノリッキーが6歳にして、デビュー以来の最高馬体重で出てきたら、そりゃ「調整に失敗したか?」と思っちゃうでしょ!
とはいえ、そう思ってしまったところに信心の足りなさが出たわけで、そこは反省すべき点ですよ。
信じる者と書いて「儲ける」と読むのだから……
そんなことを書いておいてナンなのですが、私はコパノリッキーにはかなり以前から注目していたのですよ。

最初にその強さを目の当たりにしたのは、3歳5月の兵庫チャンピオンシップ。
まったくの馬なり楽勝で、しかも勝ち時計は歴代で3番目。
その第1位と第2位の時計は不良馬場でのもので、コパノリッキーのときは良馬場。
それを楽々と計時していたわけだから、この情報は教えなきゃならんと、梅田地下街の飲み屋から村山明調教師に連絡してしまいましたわ。
となればジャパンダートダービーも楽勝でしょ、と確信していたらなんと、
骨折したとの新聞報道。あんなに無理なく走っていたのにどういうこっちゃと思ったが、半年後には戦列に復帰。
しかしその初戦と2戦目が差のある敗戦だったのだから、2013年のフェブラリーステークスがビリ人気だったのは仕方のないことだろう。

ちなみにわたくし、その日はJRAの「WIN5」を買っておりまして、フェブラリーステークスだけがハズレ。
もしですよ、最後のレースを総流しにしていれば、1000万円以上の払い戻しがあったわけで……。
というか、コパノリッキーが勝ってなければ的中していたんですけど(涙)。
その後の快進撃はご存じのとおり。
盛岡のJBCクラシックでは、勝った直後に大興奮のオーナーと遭遇。
前出の友人は翌日が朝から仕事なのに、盛岡駅前で開催された祝勝会へと拉致されていった。

その翌年、つまり昨年は、フェブラリーステークスのあとに骨折してしまい、復帰戦となった日本テレビ盃では直線で失速して3着。
友人はそのときも単勝1万円を持っていたが、その損失は次のJBCクラシックであっさり回収された。
しかしその後はJRA中京のチャンピオンズカップ、暮れの大井の東京大賞典、そして3連覇を狙ったフェブラリーステークスと苦戦続き。
さすがにその友人も弱気になったようで、かしわ記念では「単勝5千円にしちゃいました……」と痛恨の告白。
なんという薄情者!

かしわ記念で復活の優勝!

(かしわ記念で復活の優勝! 撮影:福嶌弘)

そういう私も、コパノリッキーの単勝とソルテの複勝を買っていたのに、連勝式はハズレるという大惨事だったんですが……(金額は非公開)。

パドック中ですが、馬券は1枚も売れていません

(コパノリッキーおめでとう! 撮影:福嶌弘)

そんな思いを経ての帝王賞ですよ。
そこで何も考えず、コパノリッキーと村山明調教師と武豊騎手を信頼していれば、これほど悔いが残る結果にはならなかったのに!
よく「なにもしないでする後悔より、やってする後悔のほうがマシ」などと言われますが、まさにそれを実感ですわ。
さて、6歳のリッキーくんはこのあとはしばらく休養に入り、秋には北米の競馬に参戦するかも、という予定らしい。
話に聞くところではトライアル戦からブリーダーズカップデイに臨むというプランもあったのだけれど、どうやら一発勝負になりそうな気配。
うーむ、これは現地に突撃するべきか、悩むなあ。ちなみに今年のブリーダーズカップ開催日は、川崎のJBCの直後。
スケジュール的には厳しいのだけれど、これこそ「行かないでする後悔」の最たるものかも?

でも……、秋になるまで考えます(汗)
しかし改めて考えると、私の競馬歴のなかで、これほどまでに長く一線級で活躍した“気になる馬”というのはいなかったかも。
これからまた、そういう馬に出会えるのだろうか。
もしまたそういう馬が出現したら、そのときには絶対に「信じる者」を実践したいなあ。
その前に、コパノリッキーはまだまだ現役。
いちおう書き添えておきますが、コラムなどで付けているシルシは、
自分なりに平等に公平に各馬を評価して、展開やらを加味して付けるようにしております。
帝王賞の予想だって当たったでしょ!
現役の牝馬となると、個人的に常に注目している馬は思いつかないなあ。
ちょっと前まではトウホクビジンだったのだけれど、あの馬では的中までが遠かった……

◎ブルーチッパー
○ヴィータアレグリア
▲タイニーダンサー
△ホワイトフーガ

川崎コースは船橋よりも逃げ馬にやさしい形態。
それを加味してブルーチッパーに注目してみました。
マリーンカップのときも本命にして、惜しくも逃げ粘れずだったという、そのリベンジに期待して単勝を!
急上昇しているヴィータアレグリアが当然ながら強敵ですね。
タイニーダンサーは3歳馬という点が微妙。
ちなみに過去に3歳でこのレースを制した2頭(ラヴェリータとレマーズガール)の共通点は、「関東オークスを3馬身差以上で勝っていた」こと。
タイニーダンサーは前走が2馬身半の差で勝利……。
ということで、ちょっと割り引いて3番手。
ホワイトフーガは58㎏という負担重量では厳しそう。
ということで、3着付けまでが妙味と考えてみました。



 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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