
日本にはいろいろな公共交通機関がさまざまな割引切符を発売しておりまして、
私がパソコンのキーボードを叩いている場所は東北新幹線のなか。
3連休最終日の下りはやぶさ号(こまち編成)は1車両に5人程度というガラガラ状態で、とても快適であります。
50歳以上になれば「大人の休日倶楽部」という、JR東日本全線に加えて函館にも行けて、
しかも特急料金も全部込みというすばらしい切符があって、それを使って土曜日が函館、
日曜日が新潟、月曜日が盛岡という競馬3連闘をやってみたいなあというアコガレがあるのですが、
かといって50歳になるのは……という葛藤みたいなものがあるんですよね。
でもそのときはやがて来てしまうので、テンションの高さはこのまま維持していきたいなあと思っております。
というわけで、今回は「休日パス」というフリー切符を購入。
盛岡へは日帰りで行くのですが、しかし切符は2日間有効なので、
どう有効活用しようかと考えた結果、スタンドの解体工事がついに始まったらしい高崎競馬場跡地に行ってみることにしました。
ということで、高崎駅で下車して東口から徒歩10分。
2004年の大晦日に雪のなか最終日を迎えた高崎競馬場へ。
廃止されてからも何回か足を運んだのですが、保存状態(?)が良好で、そのたびにノスタルジーにひたれるすばらしい場所。
現役時代にも10回以上は行っているので、愛着がありますね。
友人知人がたくさん働いていましたし。
さてさて、どんな無慈悲な壊されかたをしているのでありましょうか。
ドキドキ……
と覚悟しつつ行ってみると、アレレ、スタンドは無傷じゃないですか!
(スタンドは当時のまま)
ただ、解体工事自体はすでに始まっていて、入場門は跡形なし。
パドックの出走馬掲示表兼騎手待機所は原っぱになっていたので、これからスタンドなどの破壊活動が本格的に始まるのでしょう。
(入場門はすでに解体済)
2004年の廃止直後は、その跡地をどうするか、いろいろな噂話を厩務員さんなどから聞きましたわ。
「大型ショッピングモール」とか「サッカー場」とか「刑務所」とか……。
しかし10年以上たったところでやっと決定したその結果は「コンベンション施設」とのこと。
うーむ、このご時世にハコモノですか……。
その設計をされるかたにおかれましては、ぜひぜひ走路跡は遊歩道にしていただいて、
できればゴール板もモニュメントとして残していただけるようにお願いしたいです。
たとえば大阪の春木競馬場跡地は、3~4コーナーがそのままジョギングコースになっていて、情緒ある跡地利用がされているんですよ。
そういうふうに再開発してもらいたいなあ。
(1400mのスタート地点)
ともあれ看板によると、スタンドは11月末までには解体されてしまう模様。
かつて「200円単位」という窓口があって、500円分の馬券を買おうと思ってお姉さまに千円札を出したら
「200円単位だから500円は売れないのよ」と、当時は地方競馬初心者だった私に強烈な衝撃を与えた、そんな思い出とともに……
高崎競馬場の敷地自体は県有地なのだが、周辺にあった駐車場の多くは、民間からの借り上げ。
ということもあって、競馬が廃止されても場外馬券売場は残されることに対して、周辺からの反対意見はほとんどなかったらしい。
ということで、現在でもスタンドの後ろ側にある建物で馬券が売られています。
かつては2階に食堂がありましたが、現在使われているのは1階だけ。
そこには高崎競馬時代から営業していた食堂が、規模を縮小しつつ営業しているのですが、
そこの冷蔵庫に貼られていた今年の読売新聞の記事を読んだら泣けてきましたね。
高崎に競馬場があったことを記憶している地元の人は、もうそれほど多くないでしょう。
廃止に至った当時は、全国的に地方競馬の売上が低迷していた時代。
私は1日の馬券売上額が3千万円台だった日に競馬場にいたことがありますが、
そりゃあもう「さみしい」を通り越して「哀しい」という気持ちになりましたわ。
現在の地方競馬の復活ぶりをみると、あの時代を耐えきることができたなら、と思わずにはいられません。
でも高崎競馬はトレセンもあったから、2つの施設を維持するのは厳しかったかもしれないなあ。
でも、駅や街の地図にはまだ「高崎競馬場」の文字があり、
高崎にいたホースマンの何人かは、全国の競馬場や育成施設でノウハウをいかしています。
しかしスタンドがある風景を見られる期間はあと少し。
この夏は高崎競馬場跡地を堪能する最後のチャンスですよ!
(ゴール板はまだ健在)
この流れで「習志野きらっとスプリント」の予想に入るわけですが、でも関連性はつけにくいなあ(汗)
◎ルックスザットキル
○サクラシャイニー
▲ランドクイーン
△アドマイヤサガス
△フラットライナーズ
△クリーンエコロジー
昨年の覇者、ルックスザットキルに期待。
じつは昨年は「3歳馬だし……」と思って半信半疑だったのですよ。
でも目の前で早田功駿騎手に右手を突き上げられまして……
その後は調子を落としたものの、兵庫ゴールドトロフィーのときに見せたダッシュ力は、1000m戦なら断然とみます。
相手筆頭は、昨年の私が気合を入れて応援したサクラシャイニー。
夏場が微妙かもという気はしますが、今回は休み明けなのでその心配は軽微かなと期待します。
3番手には園田所属のランドクイーンを。
前走のレース後に盛本信春調教師は次のレース選択をうれしそうに悩んでいましたが、
ファイナルに来ることを選んだからには、それなりの期待があるのでしょう。
JRAオープンから転入初戦となるアドマイヤサガスは連下の筆頭までが妙味かなと。
押さえにはスピードがあるフラットライナーズ、ハイペースだと力を出せるクリーンエコロジーを。
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。