コラム”

「成功のためには果てしなき情熱が必要!?」
2016年9月5日

先週はいわゆる一口クラブの募集馬見学ツアーが北海道でありまして、それに参加してまいりました。
かくいう私も会員でして、地方競馬所属馬にも出資しております。
最初に大井で持った馬は、最高成績が2着1回であえなく引退。
そして現在は船橋所属と大井所属を1頭ずつ、100分の1だけ持たせていただいております。
一口クラブの会員になってから18年が経っているのですが、古馬オープン入りした馬がいないというのが私の自慢(涙)。

その取り組みかたから考えれば、まあそりゃそうでしょというのが実際のところで、
募集開始直後に申し込みをしたことなんか1回もないし、お値段が張る馬にチャレンジしたことだって1回もない。
というわけで、活躍馬に行きあたらないのは当たり前。
なので今年も「浅野さんはハズしてばっかりですねえ」と言われてしまった。
まあ、キャラ的にハズレてばっかりのほうが憎まれないからいいんだけどさ。

でもですよ、ここ数年の私の出資馬には「足が遅くて残念」という馬がいないのですよ。
トウホクビジンの全弟というだけの理由で出資したセクシーボーイはJRAのダートで3勝したし、
マンハッタンカフェの牝馬が芝短距離で4勝するという想定外の活躍をしてくれたこともある。
そして先日は大井でマルボルクシチーが2歳の特別戦を勝利。
次は重賞に出るらしいですよ。
ワクワク~!

なのにハズレを引くイメージがついているというのはいかがなものか。
とは思うのだけれど、だからといってたとえば「いや~、じつはオルフェーヴルを1口持ってましてデヘデヘ」
とか言ってはしゃいでいたら「なんだあのヤロー」と思われるのは確実。
しかし残念なことに、私はいわゆる「良血馬」にはあんまり興味がないのですよ。
総額1億円だから400分の1を買うのにも25万円かかる……なんつう世界には入ったら最後、抜けられなくなってしまうような気がするし。
というチキンなハートを持っているので、基本的にはお付き合い程度。
でもですよ、私の友人知人には気合が入った「投資」をしている人がたくさんいて、その熱の入れようにはビックリさせられますわ!

1歳馬を熱心に吟味

(1歳馬を熱心に吟味)

日曜日まで一緒にいた愛知県民は、某活躍馬を400分の20も持っているとのこと。
つまり全体の5%。
けっこうな良血馬だから募集価格もそれなりで、つまり数百万円を投じたということらしい。
でもですよ、デビュー前にアクシデントがあったり、そもそも足が遅かったりしたらどうするんですか!?

「そうならないように、DVDをしっかりと見て、実際の馬もしっかりと見ているんですよ」
やはり大金を投じるのに「顔がかわいい」とか「ずっと見つめてくれてた」などという材料で決断してはいけないんですな。
別の友人もテンション高め。
帰り際にどの馬にするのか聞いてみたら、一口の価格が私の初任給と同じくらいの馬の名前ばかりを挙げた。
そしてそれをおそらく5口買うはず。ということは給料5か月分?

そんな価格でもあっさりと売り切れになるんだから恐ろしい。
もちろん、それは社台グループ系の某有名クラブだからこその現象ではあるのだろうが、
しかしみんなフトコロが豊かなのだなあと思わずにはいられない。
ちなみに、お値段高めの馬をチョイスした友人は、高所得の職業である上に独身。
もともと可処分所得が多い人なのである。
そういう人が気合を入れて情報収集もしていたら、そりゃ私みたいなライトなレベルの会員が太刀打ちできるわけがありませんわ。
でも、1年後に走る馬を並べられて、どの馬の足が速いのかを的確に判断できる自信はないんだよなあ。

30分後に走る馬を一斉に見せられて、それでどの馬の足が速いのかを判断する目はわりとあるほうだと思っているのだけれど。
そういう弱点を補うために、馬学そのものや馬体の理論などを勉強しないといけないなあ。
「なんとなくこれがいい」から「理詰めで考えてこれがいい」に昇華させなくては!
そうやって、馬体を観察して「ケガなく速く走れるかどうか」を見極められれば、競馬場でもパドック診断の精度が上がるはず。
やはり基本はとても大切。
そして興味をもって数多く見ることもとても大切。
それを「好きこそものの上手なれ」という人たちから教えてもらった募集馬見学ツアーでした。
でも今の私はあやふやな知識しかないわけなので、今年はファーストインプレッションを頼りに買っちゃうかも。
でも世の中には「買わない」という選択肢もあるんだよなあ。だから「様子見」という手でもいいのかも……

悩むなあ~

(悩むなあ~)

そうそう、某クラブの募集馬見学ツアーには南関東の某調教師も来ていましたよ。
今でも南関東には一口クラブの馬がたくさん在籍しているけれど、さらにレベルアップしていくことになるのでしょうなあ。
ところで今週の船橋競馬は、水曜日のメインレースが「フリオーソレジェンドカップ」。
フリオーソ産駒は今年から競馬場で走り始めました。
そういう血統の馬が募集馬のラインナップに入っていたら魅力的に感じるかも。
ちなみにエスポワールシチー産駒は何頭か見ましたよ!

◎グランフィデリオ
○コンドルダンス
▲マサヤ
△バースフォンテン
△ノーキディング
△アサヤケ

メンバーの濃い一戦で難解ではあるのだけれど、転入初戦のグランフィデリオはA2格付けならば有利。
JRA時は関西所属だったのに、4勝のうち3勝は南関東で、残る1勝も東京競馬場という、左回りじゃないとイマイチなタイプ。
一抹の不安は、馬運車に乗らないと競馬のスイッチが入らないかもという可能性?
コンドルダンスは前走を圧勝。
その前走は外枠が有利っぽい馬場にも助けられた感はあるのだが、今の勢いには重賞まで届きそうな雰囲気が感じられます。
マサヤは通算40戦で4着内率が90%という成績。
2走前はグランフィデリオ以下に完敗だったが、地元コースなら善戦以上が見込めそう。
あとは先行してしぶといバースフォンテン、ノーキディング、アサヤケが、3連勝式の3列目に食い込むかもという候補。
ここは上位を絞って裾野を広くする作戦でいきましょう!




 

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

コラム一覧