
いやいや、世の中にはいろいろと知らないことがいっぱいあるもので。
日曜日は佐賀競馬場に突撃していたのですが、
ちょっとビックリというか、知っているようで知らないことってあるんだなあと感じさせられたのですわ。
ちなみに佐賀競馬場で馬券を買うのは、今年だけで5回目。
1回目は3月の「なでしこチャレンジカップ」。
続いては4月の九州トレーニングセールのときで、
日曜日に筑後市のホークスベースボールパークで2軍戦を観たあと佐賀競馬場に移動して3レースほど戦い、
火曜日もセリ市場本番の合間に金沢の馬券を購入。
5月にはスーパージョッキーズトライアル・ワイルドカードの取材で訪問。
というわけで、佐賀競馬場に足を運ぶ機会はけっこうあるのですよ。
しかし私のホームグラウンドは地面の近く。
というわけで佐賀競馬場の有料指定席、いわゆる「特観席」には入ったことがなかったのだ。
厳密に言うと入ったことは1回だけあって、でもその目的地は食堂。
特観席への階段を昇りきったその正面にお店があり、
取材がてら食事したあとはすぐに下に降りてしまったので、特観席がどんな様子なのか、まったく見なかったのである。
でも、その当時に存在した「1台につきボタンが100個ぐらいある特観席の券売機」は写真を撮ったし、係のおばさんにも話を聞いたんだけどなあ。
ちなみにその券売機は、ボタンだらけなのでメンテナンスがとても大変で、
さらに昭和の時代に設置されたもの(おそらく、佐賀競馬場が現在地に移転新設された昭和47年製)なので交換部品が手に入らなくなったとかで、
現在はタッチパネル式のものに置き換えられてしまった。
そして同じく昭和47年から営業していた食堂も、後継者難で閉店。
競馬場内とは思えぬほどの本格的な洋食店で、自家製のデミグラスソースでつくられたハンバーグがおいしかったことが思い出されます。
……昭和は遠くなりにけり……
そんなわけで佐賀競馬場ではいつも1階と2階をウロウロし、ときどき食堂街に行くのがお決まりのコース。
それが今回、久しぶりに3階の有料席エリアに上がってみたらビックリでしたわ!
まず、特観席には洋食屋さんのほかにも食堂がある!というのがビックリ。
写真を撮り忘れたのが痛恨なのだが、これが昭和47年から時が止まっているのかという雰囲気。
たとえて言うなら、白黒テレビ時代の「巨人の星」で、星飛雄馬が明子ねえちゃんとラーメンを食べていた、あの食堂。
メニューはドンブリものと麺類で、まさにザ・大衆食堂ですよ。こりゃまた佐賀に行かなければならんなあ。
その店が閉まってしまう前に……。
で、今になって改めて佐賀競馬のホームページを見たら、特観席にはもうひとつ食堂がある模様。
そんなにたくさんの人が特観席いるわけじゃないのに、本当なの!?
というのは、その「昭和な食堂」を見たあと、特観席の中央部分にある「ロイヤル席」に腰を落ち着けてしまったために、
全体を見歩かなかったのですわ。でもここがオドロキの極上空間だったのですよ!
ちなみに特観席の料金は500円で、ロイヤル席は2000円。
そして2000円で入れる特観席としては、私が考えるに日本一と宣言したくなるほど。
なんといっても、その設備がすばらしいのです。
それは、この「お座敷型シート」。
(お座敷型シート)
誰だ!こんな席を設計したのは!!!
と思わず叫びたくなるほどの秀逸な設計。
座椅子が用意されている畳席なのですが、この足元部分に収納されている引き出しを引っ張ると……
(完全型お座敷シート)
フルフラットで足を伸ばせるようになるのです。
だから、あぐらで座るのも楽々。正座しても座布団があるから苦にならない。
さらに座面の下には収納スペースがあって、そこにはスリッパが1セット。
これを使えば馬券を買いに行くとき、いちいち靴を履かなくていいから助かりますな~。
この席は鉄で作られたと思われる、まさに職人の作品というべきもの。
もちろん、ここ以外では利用できない設計だから、完全オーダーメイドの席だからすごいですよ。
こんな席に座ってしまったら、もう下のエリアには行きたくなくなってしまいますわ!
ガラス越しには馬場が一面に広がり、向正面の攻防もよく見える特等席が2000円。
佐賀競馬場に旅打ちで訪問される際には超オススメ!
という極上空間なのに、佐賀競馬場に20回以上も突撃している私が知らなかったのは、
私が地を這う馬券野郎だからなのか、それとも佐賀競馬場側の広告宣伝不足なのか。
……おそらく両方なのだろうなあ。
佐賀競馬場のホームページには「有料指定席について」という一節で、席の数と値段が記されているだけ。
「指定席はこんな感じですよ~」みたいな写真はなさげでしたわ。
うーん、なんかもったいない。
たしかに一般席でも競馬は楽しいし、パドックと本馬場を往復するのも、現地に足を運んだ人だけの特権ではあるのだけれど。
それはともかく、これで現在の日本で開催されている地方競馬場の「特別観覧席」を完全踏破。
いやあ、馬券も当たったし、すばらしい1日になりましたわ。
この席はもっと宣伝されてもいいよなあ。
そう思える席は、船橋競馬場にもあるんですよ。
それは3階にある馬主席。フカフカのイスで雰囲気もゆったり。
馬主資格を持っていない私は入れないエリアではあるけれど、こんな席で観戦できるなら、馬主になってもいいかなあ!?
と思えるほどの馬主席には、じつは1回だけ座らせていただいたことがあるんです。
イベントのゲストに矢部美穂さんを迎えた2008年の日本テレビ盃のとき、馬主席を矢部さん用にキープしていただいたのです。
で、私もご相伴にあずかりまして。
そのときは不良馬場でも天気は快晴で、走りやすそうな砂の色。
そこをボンネビルレコードがレコードタイムで駆け抜けました。
2着は4歳時のフリオーソで、3着のサンライズバッカスはそこから5馬身差。
あれはいい勝負だったなあ。
という日本テレビ盃からもう8年。
時が流れるのは早いなり……
◎モーニン
○アウォーディー
▲サウンドトゥルー
△タイムズアロー
△ハッピースプリント
モーニンは前走のかしわ記念が「どうしたのよ」という、見せ場なしでの8着。
これはもう、初めてのコーナー4つの競馬で流れに乗れなかった、と割り切って解釈したほうがいいのかも。
再び船橋に登場の今回は、先週土曜日の栗東坂路で4ハロン50秒5という猛時計を出してきた。
これならそのリベンジが果たせるとみました。
アウォーディーは晩成の血が騒いだという雰囲気を感じさせる4連勝。
タイプ的に仕掛けひとつで逆転が十分ありそうです。
昨年の覇者、サウンドトゥルーはかしわ記念で5着。
そして今回は初めての58㎏という点がちょっと心配。
ならば、かしわ記念6着のタイムズアロー、かしわ記念7着のハッピースプリントにもチャンスがあるかも。
ということは、今年のかしわ記念での5~8着馬のボックス、という手があったりして!?
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。