
JBCのあとは宮崎県にレッツゴー。
メインの用事はお祝い事への出席なのですが、それが行われるのが月曜日。
ということで、日曜日は11月の第1日曜日に実施される「綾競馬」を見に行ってきました。
(立派な出走表もあります)
草競馬は日本の馬文化のひとつだと思うのですが、どうやら近年は北海道と九州、それと長野県ぐらいでしか実施されなくなっている模様。
以前、茨城県の阿見町にある武田牧場では春と秋に草競馬を大々的に実施していたのですが、
東日本大震災のたしか前年あたりから実施されなくなってしまいました。
千人以上が入る大イベントで、馬券が当たって大根とか白菜とかをもらったっけ。
ちなみに武田牧場の馬券は、プログラムを買うとそのなかに「馬券用紙」があって、そこに数字を記入して本部席で認証してもらうという、
自分で予想できる形式だったと記憶していますが、合っているかな?
それに対して綾競馬の「馬券」は、場内で販売されている特産品が入ったビニール袋のなかに、
すでに数字が印刷されたものが入っているというシステム。
つまり、自分では予想できない形。
第1レースから最終第10レースまで、ポニーの2レースを除いた8レース分が的中のチャンスで、
5頭立ての連勝単式なので当たる確率は20分の1ですね(最終レースのみ馬連)。
当たったらそのレースごとに決められた景品がもらえます。
その引換所つまり景品交換所に書かれていたラインナップを見ると、そのなかには
・箱ティッシュ5個
という、遠方から来た人間にとっては微妙なものも。
しかしながら最終レース「綾ダービー」の景品は綾町特産のワイン。
それはちょっと欲しいかも!
私が到着したのは午後1時前で、レースは残すところあと4つ。
そういう段階でもまだ馬券つき特産品は販売されていて、お兄さんが「ここに並んでいる馬券は、もう当たってます!」と、
ケンシロウみたいなセリフでお客さんを引き寄せておりました。
うーん「もう当たってる」って、いい響きですなあ。
この地域でいちばんのイベントということで大いに賑わっている場内を巡り、厩舎にも行ってみると旧知のみなさんが出走の準備中。
レースは20分おきにあるので、全レースに騎乗している長谷川和彦さんは「いやもうバタバタですね」と忙しそう。
それでも「春は串木野の浜競馬、夏はJRA宮崎育成牧場の草競馬、秋は綾競馬がぼくたちの三冠ですね」と、笑顔。
南九州で競走馬の育成をしているみなさんにとって、綾の競馬は大きな目標になっているようです。
しかしながら、フルゲート5頭といえども馬場に砂が敷かれているところの幅は見たところ8mくらい。
1周1000mのコースで直線が300m以上ある感じなので、おそらく川崎競馬場より急カーブではなかろうかと。
これは騎乗技術が必要ですなあ。
実際、ポニーレースでは4コーナーを曲がり切れなくて競走を中止した馬がいた模様。
こういうところで騎乗技術を磨いているから、南九州の育成場は中央地方の調教師さんに信頼されているという面があるのだろうなと
改めて感じましたね。
(5頭立てでも密集の競馬)
以前から思っていたことではありますが、騎乗技術が磨かれるのはやはり小回りコース。
たとえば地方競馬在籍時にJRAで100勝以上を挙げた騎手は、安藤勝己(189勝)、吉田稔(160勝)、岩田康誠(137勝)、
内田博幸(132勝)の4名がいるわけですが、そのうち3名が1周1100m以下の競馬場が主戦場でした。
小回りのほうが少しのコースロスが結果に響く割合が高いわけで、
インサイドワークが身についてくる傾向があるというのはあながち間違っていないかも。
南関東で比較的小回りといえるのが浦和競馬場。
ホームストレッチとバックストレッチが300mだから、トップスピードを保てる時間がそのぶん短い……ということは、
やはり騎手の腕と作戦が結果に影響してくるはず!
◎ケイティブレイブ
○ストロングサウザー
▲クリソライト
いきなり浦和記念のシルシとなりましたが、おそらくケイティブレイブが先手を取れると思うんですよ。
タマモホルンも先行したいタイプですが、A2格付けなのにケイティブレイブより斤量が1kg重いのならば、ここは無理しないかなと。
となると、鞍上の緩急をつけた逃げ作戦で後続の脚を封じ込める。
まさにインサイドワークですなあ。
ストロングサウザーはうまくインコースを立ち回るのが好走パターン。
浦和ならそれが可能と判断します。
難しいのがクリソライトの取捨。
普通に流れに乗ったらペースが上がったところでついていけなくなるのは明らかなので、
そこは騎手としての経験値が高い藤井騎手がどうするかというところ。
2週目の2コーナーで一気にスパートして3角先頭……という奇襲に出れば、逆転まであるのではと思います。
「すぱっと的中大作戦」のときは、厳しいんじゃない?と言い切ってしまいましたが(収録終了後の抽選会にて)、そのあと考え直しました。
本命にしていた稲富ちゃん、ゴメンナサイ(^^ゞ
いやしかし、昨年がハッピースプリント→サミットストーンで、一昨年がサミットストーン→グランディオーソ→トーセンアレス
となった浦和記念なのに、今年は南関東勢が上位に食い込むのはどうかなあというのはちょっとねえ。
たぶん勝島王冠に出るあの馬とかあの馬とか、ここでも勝負になるような気がするんですけど。
個人的な考えとして、競走馬は強い相手と戦わないとレベルアップしないと思うんですよ。
そういう意味でも南関所属のA1クラスの馬が、ダートグレードレースにもっと出てほしいんですよね……。
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。