コラム”

「香港でももったいないオバケが出る~」
2016年12月19日

12月11日は香港国際競走デー。
私は8年ぐらい前まで、3月に行われる香港ダービーに4年連続くらいで行っていて、
それ以前も香港国際競走の週に行われる「国際騎手招待」をよく見に行っていたのですが、最近はすっかり香港から疎遠に。
しかし昨年、初めて香港国際競走をナマで見たら、なかなか楽しいじゃないのよと目覚めてしまったのですよ。
おかげで今年の香港訪問はなんと3回になってしまいました。
ハマりすぎ。

しかし今年はマカオ競馬で全敗を食らってしまったのが昨年とは違うところ。
そのままドッグレースへと連闘すると傷が深くなるのは明らかなので、おとなしく退散して翌日の香港競馬に備えることにしました。
エライ!
しかしまあ、なんとなく戦々恐々な感じがありましたよ。
昨年は日本から10頭が遠征しましたが、今年はなんと13頭。
全体の出走数も多くて、1200mのスプリント、1600mのマイル、
2400mのヴァーズはフルゲートとなる14頭がエントリー(スプリントは出走取消が1頭)。
2000mのカップは12頭立てとなりました。
これは頭数をなるべく多くしたいという主催者側の意向なんでしょうなあ。
そのほうが馬券の売上が多くなるし。
しかしそうなると、現地は日本人でかなりの混雑になるのでは……。

出発前からそんなふうには思っていたのですが、
マカオのタイパ競馬場にいた日本人の数を見て、それが間違っていないことを実感しましたからねえ。
オルフェーヴルが遠征した凱旋門賞のときは、本当かどうかはわからないものの、日本人が5千人もロンシャン競馬場に突撃したそうで。
実際、日本人専用(に近い)の馬券発売所が設けられたらしいから、なおさらですよ!
競馬場で私が入る予定にしているクラブエリア(香港以外のパスポート所持者と、香港ジョッキークラブの会員が入れる場所)は自由席。
しかも席の数がそれほど多くないわけだから、早めに行かないと座れないかも!
というわけで、第1レースが12時25分発走なのに、9時すぎに宿を出発。
朝食をとってから競馬場へと思っていたら、お目当てのお粥屋さんに30人ほど並んでいるではないですか。

この朝食を食べられず

(この朝食を食べられず=写真は昨年のもの)

ということでまずは競馬場に行くという作戦に変更したら、これが大正解。
11時前の時点でイスの8割が埋まっている状況ではないですか。
場内の食堂もすごい状況で、
1レースのパドックに馬が出てくる前に一般席エリアのフードコートに行ったら着席率100%で、ちょっと待てば席が空くという状況。
でも3レースのときにもう1回行ってみたら、食券売場の前にどえらく長い列ができていてビックリ。
全体的に昨年より人が多いかも!

ということですっかり大混雑状態になったクラブエリアですが、日本人率は6割くらいかなというところ。
ただ、一般席でも日本人とおぼしき人を多くみかけたし、ネットで事前予約ができるレストラン席には相当な数の日本人がいた模様。
日本と香港の間にはLCCがたくさん飛んでいることもあって、
気分的にも金銭的にも「沖縄のちょっと先」という感じですから(個人的感想)、来年はさらに日本人が増えるかも?
しかしながら、今年のカップは日本馬が5頭、香港馬が6頭、フランスが1頭というラインナップはちょっと微妙。
ひょっとすると、欧州や豪州組はメンバーを見て遠征をやめたという、いわゆる「ジャパンカップ」と同じような状況だったのでは?
そして実際、モーリスはまったくモノが違うという感じでの圧勝でした。
これで日本馬が香港カップを制したのは5回目。
今年もいいレースを見せてもらいました。

香港カップの表彰式

(香港カップの表彰式)

国際競走が終わったところで帰る人も多いので、そのあとの一般戦はわりと余裕のある観戦環境。
さあ、ここからは仁義なき馬券勝負に臨むとしますか。

第9レースは第2班の1200m戦。
ということで気合を入れてパドックを見るも、いまひとつピンとくる馬がおらず……。
そのなかでもなんとなく良く見えた馬のハンデが約60㎏で、2番目によく見えた馬が59㎏ということも、予想するときにすっかり忘れていましたわ。
そしたらハンデ約55㎏で単勝1.6倍のモレイラ騎手の馬が楽勝。
3連単9頭ボックス504点買いという暴挙に出たので当たりましたが、115倍なので大幅マイナスでございました。
1点あたり1ドル=15円で馬券を買ったので大惨事ではなかったものの、万馬券が当たって大赤字とは、なんてヘタクソなんでしょう。

最終第10レースも2班戦で1600m。
でも、このレースもさっきのレースに輪をかけてパドックでビビッと来る馬がいなかった……。
ちょっと今日はもういいかなあ的な気分で消極的にチビチビと買うことにして、
あとは仲間内の割り勘馬券で買った「4連複1頭軸→相手全通り」という286点買いに託したら、その軸馬が5着ですよトホホのホ。
でもですよ。
そのレース、消極的ななかでも新聞にマルをつけた7頭が、ぜんぶ5着以内に入っとるではないですか!!!

なんでこのとおりに買わないの

(なんでこのとおりに買わないの)

3連複は470.7倍、4連複は1112.0倍。
しまったー、勝負するならこっちだったか!
というわけでこのレースでの的中は、名前が鷹雄という馬の複勝(3.8倍)のみ。
さっき須田鷹雄さんに遭遇していたのだから、単勝も買っておけばよかったよ~(13倍)。
やはり競馬でいちばん頼りになるのはファーストインプレッション。それを再確認した最後の一般戦でした。
さあ、今年も残り少なくなってきたから、いい形でラストの大井開催に向かいたいぞ。
まずはゴールドカップでいい思いをしますか!

◎レアヴェントゥーレ
○テムジン
▲オウマタイム
△トロヴァオ
△ナガラキコウシ
穴トキノエクセレント

浦和の1500mは、開設当初は外枠優勢の傾向があったように思いますが、
今は騎手がその構造に慣れたのか、内枠のほうが好成績になっているんですね。
なかでも2番枠は3着内率がトップ(nankankeiba.com調べ)。
そこに単騎逃げがほぼ間違いなさそうなレアヴェントゥーレが入ったら、まさに鬼に金棒でしょう。
相手筆頭には休み明け2戦目が中9日というローテーションに、狙った感じがするテムジンを指名。
オウマタイムは休み明けの園田遠征で惨敗したものの、その後は持ち直してきている点に注目。
トロヴァオは素質的に魅力ありですが、初の古馬戦で初の浦和という点を考慮して連下までにとどめます。
堅実に差を詰めるナガラキコウシとまくり脚があるトキノエクセレントにも少々マーク。
でも、レアヴェントゥーレは2着が1回もないという「イチかバチかタイプ」なので、逃げ不発のシーンも考慮してボックスも押さえておきましょう。
12月11日の沙田最終レースを教訓に!!




プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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