コラム”

「クリスマス!」
2016年12月26日

世間はクリスマスから年末年始ムードへという感じですねえ。
ということは、レジャー産業にとっては稼ぎ時。
私も会社員時代の後半はテーマパーク事業部の現業部門にいたもので、年明けの瞬間はいつも勤務中。
学生のときも年末年始は成田空港あたりで警備員のアルバイトをしていたので、
年が変わる瞬間は制服を着て道路やら空港の検問ゲートでしたね。
でもサービス業は、大型連休以外にどこかに行きやすいという点がアドバンテージ。
その代わり、今年の12月31日にソウル市内で開催される仲間との忘年会には参加できず……。
というわけで、私の冬休みは1月6日の「川崎競馬場バックヤードツアー&みんなで観戦会」の翌日から、となる予定です(たぶん)。
でもときどきは頭のネジを外さなければ体に毒!

ということでクリスマスイブの日は、幕張メッセで行われた「ももいろクローバーZ」のコンサートに突撃してきました!
ええオッサンがアイドルにハマる姿は正直なところ、気色悪いと思います。
私だって東京駅を朝8時前に発車する京葉線で、
服装も手荷物も「グッズ」で完全武装している推定60歳のオッサン1名を発見したときは「マジか……」と思いましたもん。
でも会場に着いてみると、そんな人ばっかりなんですよ!
かく言う私も朝イチでグッズ販売の列に並んで1万円以上も使ったので、
まあ関心のない人にとっては五十歩百歩というところなんだろうなあ、ということは自覚しておりますです。

でも、買い物をしながら思ったんですよ。
アイドルは間違いなくGDPを上げているなと。
私の友人知人にはAKBにハマっている人が多数いるわけですが、けっこう費用がかかっていますもん。
じゃあ、仮にその人たちがアイドルには興味がなかったらどうなるかというと、ひたすらお金が貯まるだけ。
高度成長期が終わり、だいたいの品物は人々の手に行きわたったという時代。
私も正直、欲しいものはとくにないなあという感じです。
同じように感じている人ってけっこう多いと思うんですよ。
だから全体的に民間消費も上がらない傾向にあるわけで。
馬券も昔は「儲けたい」という思いがありましたが、今は「当てたい」のほうが強いですね。

10年以上前は、特大万馬券を当てた直後に音楽プレーヤーとかカメラとかを買って帰ったものでしたが、
最近は「獲ったどー」という満足感でおなかいっぱい。
それを老後に備えて貯めておくという考えかたもなくはないと思いますが、個人的には元気をもらえる活動に使ったほうが健康的!
ということでたくさんの元気をもらった私は(単純)、翌日のクリスマスデーに中山競馬場に突撃してきました。
お目当てはもちろん、ホープフルステークスに出走する川崎所属のコスモス!

夢への第一歩

(夢への第一歩)

まあ正直なところ、条件的に厳しいかなとは思っていました。
体調を崩して「死にそうになって」からまだ3ヶ月。
馬体重の445㎏も骨格から考えると、もう少しあってもいいんじゃないかという感じがします。
でもそこには夢がある!
中山競馬場に着いたときは、コスモスの応援馬券は100円でいいかなと思っていたのですが、
本馬場に出たときのバネが効いた軽い走りを見た瞬間、こりゃひょっとすると、という気がしたので増資してしまいました。

コスモスがんばれ

(コスモスがんばれ)

結果としては4コーナー手前で苦しくなってしまっての9着でしたが、いい夢を見させていただきました。
でもまだまだ、これからなにがおこるのかわかりませんからね。コスモスくんの将来に期待したいと思います。
そのあとは有馬記念を観戦し、最終レースも見ようと外に出たら、なんと普段の日曜日程度の混雑度じゃないですか。
あんなにいた人々はどこに行ってしまったの?
という疑問は、最終レースが終わってスタンドに戻ってから氷解しました。
払い戻しの列が、向こうの機械から通路を2つはさんで反対側の発売機側まで伸びているんです。

「来週とかに払い戻せばいいのに」と、一緒にいたOくん。
「きっと、次に競馬場に来るのは来年なんだよ」と、私。
有馬記念だから競馬場に来たという人が今年もきっと多かったんでしょうね。
だから最終レースは払い戻しの列に並ぶか、もしくは速攻で撤収。
逆に普段から競馬場に来ている常連さんのなかには、混むから行かないという人もいたことでしょう。
そのあたりが有馬記念のパドックの周囲に意外と隙間があった原因なのかも。

有馬記念のパドック

(有馬記念のパドック)

長蛇の列に並ぶ人々を横目に、私は馬券をお持ち帰り。
競馬場側もこういうとき「払い戻しは60日以内なら可能ですので、
来年1月に中山競馬場やウインズなどにお越しください!」という案内をすればいいのにと思いましたね。
有馬記念にだけ来る人から、有馬記念にも来る人になってもらわないと!
12月29日の東京大賞典もそういう側面がありますね。
かく言う私も、東京大賞典の日は恒例となっている忘年会がありまして、参加メンバーのうちおよそ半分は大井に来るのが年1回……。
身近なところから布教活動をしていかないとダメですね。
そのためにも東京大賞典でいい思いをしてもらわないと。

◎アウォーディー
○コパノリッキー
▲サウンドトゥルー
△ノンコノユメ

しかしながら残念なのは、この秋以降にオープンクラスで上位に入線した南関東所属馬が、ハッピースプリントとストゥディウムしかいないこと。
登録の段階ではワクワク感があるメンバー構成だったのに、フタをあけてみれば、という中身。
そりゃ確かに東京大賞典の5着賞金は報知オールスターカップの2着よりも下ですから、JRA所属馬が7頭もいるなかで5着に入るのと、
地方所属馬だけのレースで……と考えると難易度が高いのがどちらなのか、それはよくわかるんですが、でもちょっとねえ。
やっぱり観客の立場としては、フリオーソとかアジュディミツオーとか、
それから帝王賞のドラールアラビアンみたいな南関所属馬が互角以上の戦いを見せてくれることにワクワクしたいわけですよ。
どうやら来年度はそういったことに対する対策が考えられるらしいので、期待したいと思います。
ですが、今年の東京大賞典はこの4頭!




プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

コラム一覧