
毎年のことながら、年末年始はおしごとたくさんでありがたい限り。
なのですが、東南アジアに歴訪を回避したこともあって、年明けからほとんど自宅生活となっております。
元日からの1週間でまともに外出したのは1月4日のプロレス観戦@東京ドームと、1月6日の川崎競馬場のバックヤードツアー&観戦会だけ。
それでは体のなかが淀んでくる!
というわけで1月9日はお江戸日本橋亭まで落語を聴きに行き、その後の飲み会にも参加。
しかしその後の予定はしばらくなし……
そんな生活は体に毒なので、先週金曜日は船橋競馬場に行ってきました。
この日は短期免許で騎乗している藤井勘一郎騎手の最終日。
彼の名前は3年ほど前までは知る人ぞ知る的な位置づけでしたが、一気にその知名度が上がってきましたね。
藤井騎手は奈良県出身。
日本の騎手試験は体重の関係で合格できなかったものの、その道を目指すためにオーストラリアに渡ってライセンスを取得。
それ以後は豪州を拠点にしつつ、シンガポールなどでも短期免許で騎乗して、2012年5月からは韓国の釜山で短期免許を取得。
それから2015年6月30日までの滞在中、1099戦149勝、2着151回、3着172回という成績を残しました。
3着内率は42.9%だからかなりのもの。
釜山ではトップまではいかないものの、5位以内をキープしていました。
そして重賞は7勝。
そのうちグレードがついている重賞(ソウルと釜山の合計で、年間に20個弱しかないのです)は6つ勝っており、
昨年9月のコリアカップで7つ目のグレードレースを制しました。
2015年7月にはNARで短期免許を取得して、門別競馬場で119戦18勝。その後は北海道の育成牧場で乗って、
オーストラリアにも戻ってという状況でしたが、昨年9月に韓国・ソウル競馬場でのコリアカップで、クリソライトに騎乗して優勝。
そして11月からは大井所属で短期免許を取得、という流れで来ています。
今回の藤井騎手の成績は、過去に短期免許で騎乗した騎手と比べても上位といえるもの。
たとえば2011年に来たクリスチャン・デムーロ騎手は173戦25勝。
同年のアラン・ムンロ騎手は247戦25勝でした。
で、今回の藤井騎手は211戦22勝。
前記2名の実績を考えると、相当に腕の立つジョッキーであるといっていいでしょう。
しかしながら、彼の今後の予定は「未定」。
「とりあえず、家族がいる北海道に行って、それからどうするか考えます。
4月には年度が変わるので、また短期免許を申請するかもしれないですし……」
「ムチ一本で世界を股に」といえば聞こえはいいのですが、藤井騎手が置かれた現状は、決して恵まれているとはいえないように思います。
現在の年齢は33歳。
騎手として考えると、残された時間はそれほど多くはないようにも感じます。
腕があるのにそれを発揮できる舞台がない……。
傍で見ていてもどかしいものがありますが、それをいちばん感じているのは藤井騎手自身でしょう。
世界には、たとえばインドとかマレーシアとか、誰でもウェルカムという国はあるのですが、待遇や開催日数を考えると微妙。
香港には人数制限がありますし、韓国も外国人が長い期間いるのはノーサンキューという感じ。
中東や欧州に行くにはコネクションが重要ですし、なかなか難しいところがありそうです。
それを考えると、母国でライセンスを取って、自分の拠点を持っているというのは幸せなことだと思いますね。
騎手に限らずとも、会社員はもちろん自営業の私だって、自分のホームグラウンドといえる場所があるのはありがたい!
そう思えばこそ、これから先、藤井騎手が自分で充実していると思える環境を得られることを願いたいもの。
こればかりは祈るしかありません。
いい出会い、いい巡り合わせがありますように……。
人間より活躍できる期間が短い競走馬は、なおさらそれが大切。
どんなに実力があっても、出走できなければどうにもなりませんからね。
というのも、今年のニューイヤーカップは出走できるボーダーラインが例年以上だからなんですよ。
出走メンバーのうち、もっとも獲得賞金額が少ないジョワラルムが660万円。
新馬戦と特別戦を勝って、前走3着だったツルマルサラは、30万円差で出走権に届きませんでした。
昨年3着のジャーニーマンは、ツルマルサラより少ない獲得賞金で出られたのに……。
◎1.ブラウンレガート
○6.サイバーエレキング
▲3.サヴァアルジャン
△5.アンジュジョリー
△9.ヒガシウィルウィン
△2.スターインパルス
△10.カンムル
つまりはそれだけハイレベルになっているということ。
しかし私が頼るのは、ニューイヤーカップの鉄板???データ。
「前走が南関東のレースで1着だった馬が、3着以内に1頭だけ入る」
該当馬がいなかった2011年を除くと、2006年からこの法則が続いているのですよ。
というわけで、4頭いる「前走1着馬」でシルシをつけていいのは1頭だけ!
そこで軸として指名するのはブラウンレガート@大井の帝王。
スタートダッシュが効くという脚質で最内枠なら鬼に金棒!
相手筆頭も先行力があるサイバーエレキング。
サヴァアルジャンは瞬発力を兼ね備えているので、逃げられなくても心配なさそうですね。
あとは堅実に差を詰めるアンジュジョリー、ヒガシウィルウィンにもマーク。
スターインパルスは過去4勝がすべて逃げ切りという点が気になりますが、2番枠なので一応押さえておきましょう。
あとは2014年と2015年の優勝馬を送り出した、浦河の山口ステーブルで育成されたカンムルにも要注意!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。