コラム”

「高知から園田を経て南関東へ」
2017年3月20日

先週は火曜日が高知競馬場、水曜日が園田競馬場、木曜日が名古屋競馬場と、まさにスパルタ状態で連戦を続け、仕上げは金曜日の船橋競馬。
こういう境遇にいられるのはとてもありがたいことではありますが、さすがに疲れますわね……
ただ、スパルタ状態とはいっても、全部のレースに参加しているわけではないのですけれどね。
高知では第5レースの黒船賞を取材して、その場ですぐさま原稿を書き、後半2レースだけは普通に勝負。
仕事で競馬場に行くと、いただく前の原稿料を先に馬券で使ってしまうというのが定番なわけですが、この日は珍しく儲かった!

やはり頼りになるのは最終の「一発逆転ファイナルレース」。
11頭立ての最下級C3クラスの8組。
厳選された足が遅い馬同士の一戦だから、何がどうなっても不思議ではないわけで、
私が持っている新聞の本命も「ちょっと微妙じゃないの?」という印象。

というわけでここは網打ち馬券。
3連複7頭ボックス35点買いで攻めたら、4→10→5番人気の順で入って194.9倍!
いや~、黒船賞でしこたまやられた分を取り返して余りある結果になりましたわ~。
しかしですよ、荷物をまとめて払い戻しの機械に向かってみると、ありゃりゃ、早くも電源が落とされているではないですか!

高知の馬券は四国内でしか払い戻しできないのに~。
でも4月にも高知に来る予定があるからまあいいか。
しかし馬券をなくさないようにするのがプレッシャー……

さて今年の黒船賞は、JRA所属の5頭が5着以内を独占という結果になりましたが、
5着からクビ差6着のトウケイタイガー(兵庫)はメチャメチャ惜しかった!
最内枠のスタートから互角のスピードで先行して、3コーナー手前では絶好の3番手。
でもトウケイタイガーの外には常になんらかの馬がいて、まったく外に出せなかったんですよ。
そのおかげで4コーナーでは普段の競馬では誰も通らない、内ラチから1m付近に突っ込まざるをえない形に……

レース後「いいスピードは見せてくれましたけど」と、手綱をとった川原正一騎手に水を向けると、
「高知の内って深いんよねえ」と、心ここにあらずという表情。
ちょうど通りかかった赤岡修次騎手が「あんなところを通ってアレですから、外を回れていたら勝ち負けでしたよ!」と声をかけて、
川原騎手はさらに消沈。

いや、ホントにそのとおり。
私もメチャメチャもったいなかった一戦だと思いましたね。
ということで、トウケイタイガーがもし、5月3日のかきつばた記念(JpnⅢ、名古屋競馬場1400m)に出てくるようなら、
私は気合を入れて狙いますよ!

その翌日、園田競馬場に行った私は、最終レースのあと川原騎手と遭遇。
「やっぱ、きのうのレースは悔いが残るわ。しょうがないんだけど」
「せっかくの誕生日だったのに……」
と話をしたところで、
「そういえば、来週は大井に行くで」
と、いつものニコニコ顔に。
そうなんです。浦和のローズジュレップに乗るのです。

的場文男騎手が骨折で戦線を離脱してしまったので、大ベテラン同士の競演を見られなくなったのは残念ですが、
「ここでいい結果を残したら、東京ダービーでも乗せてもらえるかもしれんしな」
と目を輝かせる川原騎手には注目したいところです!

という話を交わしたあとは、園田競馬場に新しく開設される「お座敷投票所」を見学。
阪神大震災には耐えたスタンドですが、現在の耐震基準に照らし合わせるとアウトなのだそうで、
来月からは大々的に耐震補強工事が行われるとのこと。
それより先に、もともと馬券売場だったところをリノベーションして、座席定員制の投票所を作ったのです。

お座敷投票所

(お座敷投票所)

まだ畳の香りがする空間に足を踏み入れると、おお、スーパー銭湯の大広間みたい!
ここは「キャッシュレス投票」専用のエリアで、入れる人数は最大で100名ぐらい。
雰囲気的には現在の客層にマッチしていてよさげなんですが、果たして実際に運用してみるとどんな感じになるのか心配なところも。

2つのうち大きいほうの大広間

(2つのうち大きいほうの大広間)

だって、こんな空間があったら横になって寝ちゃいますよ。
大広間で寝るのって気持ちがいいですものね。
それから円卓で常連グループが酒盛りを始めたりしないかも心配。

とりあえず最初はとくに制限を設けないでやってみるとのことですが、日本で初めてのこの空間、どんなふうになっていくのか興味津々。
ほかの競馬場の関係者さんも、おそらく注目していると思います。
だんだんと入場人員が減っているのが競馬場の現状。
そのための対策にもなる可能性がありますからね。

入金機と購入機

(入金機と購入機)

そういう時代の流れではありますが、でも金曜日は「競馬場に来るのは大切なことだ」と改めて思ったのです。
14頭立ての最終レース、新聞も出馬表も見ないで、ただ馬だけを見て「良さそう」と思ったのが、6番と11番。
そうしたら、6番(2番人気)が1着で、11番(6番人気)が3着に入ったのですよ!

ちなみに2着は5番人気馬で、3連単は8万馬券。
そこまでは取れませんでしたが、やっぱり競走馬は生き物。
当日の気配を見てナンボなんだなあと感じたことでした。

でも、いろいろな事情でなかなかそうはいかないところ。
それでもなるべくパドックは見たいものですね。
画面を通じてでもいいから!
しかしながら競馬の予想原稿は、それが100%実現できないのが厳しい条件。
よおし、そこは千里眼で京浜盃を……!?

◎14.ピンクドッグウッド
○6.ローズジュレップ
▲9.ミサイルマン
△12.ヒガシウィルウィン
△8.マルヒロナッツオー
△11.バリスコア
△13.ソッサスブレイ

舞台は大井の外回り1700mですから、スタートから1コーナーまでの距離が186m。
だから内枠の先行馬が有利だと昔は思っていました。
しかし京浜盃はとにかく外枠が来るんですよ。
昨年は8枠のゾロ目、一昨年は枠連7-8で、3年前も枠連8-8。

となったら、川原騎手を応援したい気持ちは置いといて、中心は大外枠のピンクドッグウッドにするのが妥当でしょう。
ローズジュレップは先行力があるタイプですが、4枠6番なら自分でレースを作らずに、うまく流れに乗れるはず。
休み明けでも地力上位のミサイルマンにもチャンスが十分ありそうです。
あとは外枠を中心に。
もちろん馬券の買いかたはボックスです!




プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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