
ご存じのとおり、SPAT4は今年の4月1日から「南関東で開催が行われていないときでも利用できる」ようになりました。
ということで、ネットで週末に地方競馬の馬券を買える手段は4つになったことになりますね。
それと同じタイミングで、日曜日の17時から18時30分までグリーンチャンネルにて「地方競馬中継」が開始されることになりました。
ということで「4月16日に出なさい」というお達しがあったので、ありがたくスタジオまで行かせていただきました。
グリーンチャンネルのスタジオでしゃべるのはたぶん8年ぶり?
(注:グリーンチャンネルの会議室で収録した番組に出たことは何回かあります)
そのグリーンチャンネルは基本的に、JRAの競馬とその関連情報を放送する目的で作られた放送局。
しかしながら、JRAの電話投票システムで地方競馬の馬券も買える「地方競馬IPAT」の運用が始まったことで、
地方競馬で行われるダートグレードレースと、1着賞金が1000万円以上の地方重賞を中継するようになりました。
その流れから日曜日の地方競馬中継につながったのですが、これがビックリの結果になった模様。
なんと第1回放送のメインレース、佐賀桜花賞(3歳以上B級のメンバー)の馬券発売額が、1億2599万円余りになったのですよ!!!
この数字、昨年までなら佐賀競馬の1日の売上総額というところ。
昨年の佐賀桜花賞は5500万円弱だったので、当該レースだけでみると、約2.5倍ってことですか!
これまでも土日の日刊紙には地方競馬の出馬表が出ていたので、
JRAで物足りなかった人が地方競馬に手を出しやすかったわけではありますが、さすがに映像がネットだけというのはハードルが高かった様子。
それが「グリーンチャンネルの中継をつけっぱなしにしていると、そのまま地方競馬中継が始まる」という状況になれば、
そりゃ「ついやっちゃう」人は多くなるでしょうねえ。
という制作サイドの狙いはズバリ的中。
にしても、そこまで効果てきめんというのはうれしい誤算だったようで、4月16日の打ち合わせのとき、
プロデューサーさんが出演者の私たちに「佐賀は1億円超えましたからね、今日もそのくらいいけるように頼みますよ!」と、ハッパかけ。
いや、われわれにそこまでの力はないと思うんですけど……
とは言えませんですね。
ついつい馬券を買っちゃいたくなるような進行でガンバルだけです。
ということで1時間半、集中力をもって奮闘しました。
しかし高知競馬場のメインレース、「二十四万石賞」の売上額は、8884万2900円でした……。
4月2日の佐賀に比べると、穴馬があまりいなかったという点が、売り上げが伸びなかった要因でしょうか。
そのひとつ前の高知6レースは、3連複が2.7倍になるというメンバーだったのに加え、
競走除外が1頭出たことで、4459万円少々でした。
うーむ、残念。
ちなみに「地方競馬中継」の放送がなかった4月23日(日)の高知7レースの売上は、1686万円余り。
これは同じ時間帯に発売していた佐賀と金沢の最終レースの影響でしょう。
佐賀は5012万円余りで、金沢はおよそ3339万円。合計すると1億円ちょっと。
という数字を考えると、二十四万石賞はもう少し売れてもよかったような気はしますが、
でも1つのレースで9千万円近くになったのだから、中継の効果はあったといえるでしょう!
(地方競馬中継の放送予定)
しかしこうなると、日曜日のJRAが終わったあとの時間帯は、各競馬場が激しく火花を散らすエリアになりそうですね。
次回の「日曜・地方競馬中継」は5月7日。
その日に地方競馬IPATが使える18時10分近辺まで開催している平地の競馬場は、盛岡、金沢、高知、佐賀の4カ所ですが、
中継では重賞が行われる盛岡をメインに放送するとのこと。
売り上げの分布がどうなるのか、気になりますね。
それはともかく、売上アップのためにいえることは
「お客さんが集まる時間帯に、どれだけ興味深いと思わせる出走馬を集められるか」ということ。
ひょっとしたら高知は中継の対象になった日に、
通常は最終レースに組まれている「一発逆転ファイナルレース」をメインレースの前に持ってくる可能性があったりするかも!?
そうなんですよ。
要は「売りかた」。
例えばデパートなどで、普通に陳列されているだけではめったに買われないものが、
販売員のセールストークがあると全然違ったりするわけですからね。
われわれ競馬マスコミも「どうやったらたくさん売れるのか」ということを考えながら仕事していくべきだと思います。
次回、グリーンチャンネルで放送される「地方競馬中継」は、浦和のしらさぎ賞。
なかなか興味深いメンバーが揃いました!
◎タケショウメーカー
○ポッドガゼール
▲コスモフットライト
△ニシノラピート
△プリンセスバリュー
△ディアマルコ
逃げたい馬は少なくても、いい位置を取りたいタイプが揃った感。
となると、長く差し脚を使えるタイプが有利になるとみて、格下でもタケショウメーカーの大マクリに期待します。
ポッドガゼールも同様で、距離短縮がカギでも上位食い込みが狙えそう。
コスモフットライトは展開次第ですが、
このレースと好相性の2番枠に加えて吉原寛人騎手が久しぶりに52㎏で乗るという点を強調材料にしてみます。
前走快勝のニシノラピートにももちろん警戒。
善戦タイプのプリンセスバリューも押さえておきます。
穴は前走の黒船賞でまったく競馬に参加していなかったディアマルコ。
ここも馬券の基本はボックスです!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。