
先週火曜日に行われた「ヤングジョッキーズシリーズ」のトライアルラウンド川崎は、第1戦で単勝1番人気馬が勝つとは想定外……。
いやまあ、勝ったクロヒゲは10か月ぶりでもC3クラスに入れば力量的に断然ということはわかっていたんですけれど、
でも若手ジョッキー限定戦で、しかもJRAの騎手は6人のうち、
藤田菜七子騎手と川又賢治騎手、木幡巧也騎手以外の3人が川崎で乗るのは初めてって聞いたら、そりゃねえ。
当日は特設サイトの映像撮影チームでディレクター業務という立場で川崎に臨場しておりまして、
その合間を縫って第1戦の馬券を買ったら玉砕という結果でした。
じゃあ2戦目は騎手というファクターを考えないで、パドックを見てマルをつけた6頭のボックスで勝負したる!
と思って厳選したのですが、撮影でアタフタしていたのと馬券を買うということに対して弱気になっていたために見送ったんですよ。
そしたらみごとに、その6頭のうち3頭が3着以内に入ったとです……(ヒロシ風に読んでください)
3連複は11530円。
やっぱり投資を恐れる者には幸せなんてやってこないんですな。
といっても「買わないでよかった~」となるのとは紙一重。
そこをどう選択するか、これは永遠の課題です。
危険とみるかチャンスとみるか、それを判断する嗅覚を磨くことが唯一の道なのかもしれないなあ。
そんな心の傷を癒すために、日曜日の夜はこのコラムを書きながら高知の最終レースで勝負しておりました。
しかし、当たった!
と思ってニヤニヤしながら照会画面を確認したら、
なぜかその目は買っていないということが判明したために、ただいま猛烈にテンションが下がっております。
ここ一週間ほど微熱が出ているし、知力体力運勢が下降ぎみなのかなあ。
ところで多くの人は「好きな季節」「得意な季節」というのがありますよね。
私の場合はなんといっても「冬」。
気温が下がれば下がるほど調子が上がって、頭の回転もよくなる傾向がある感じです。
逆に微妙なのが「夏前」と「冬前」。
この時期は風邪をひいたり肌ツヤが悪くなったり、全体的にイマイチ。
逆に真夏はまったく問題なくて、熱中症患者が続々と出る埼玉県に住んでいながら、昨年は冷房をほとんど使わずに夏を乗り切りました。
つまり、私の弱点は「気温の変化」。
子供のころは、真夏にデパートに入っただけで風邪をひいていましたから。
でも人間の場合は衣服で調整が可能。
真夏のマレーシアに長袖のTシャツを持っていったのは、まさに「自衛」のためでした(飛行機や商業施設などの冷房がキツすぎるんです)。
しかし競走馬は人間と同じようにはできないんですよね。
日本では下の写真のように、毛を刈って調整するということがほとんどされていませんし。
(写真:母ウオッカの2歳馬)
そこで役に立つのがnankankeiba.com!
出走馬の名前をクリックすると「競走馬詳細データ」が表示されまして、
「条件別成績」のなかに「季節」という項目がありまして、そこで四半期ごとの成績が表示されています。
キャリアの少ない馬や下級条件の馬だと有意さを見出しにくいですが、古馬B級以上になると利用価値が高まる感じですね。
たとえば火曜日の「ゆりかもめオープン」。
母の父がアングロアラブでおなじみのゴーディー(牡9歳)は、ゆりかもめオープンに3年連続で出走していて、過去の成績は11着、2着、11着。
でも「季節」の項目で見てみると、4~9月のほうが10~3月よりも成績的に上。
さらに「出走履歴」を見ながら検討していくと、やはり気温が高いほうが好相性と感じ取れます。
JRAの予想でも季節は重要なファクターで、なかには「毎年3~4月に穴をあける」という馬もいました。
逆もまた然りで、冬が得意な馬を夏に狙っても期待薄。
競走馬が出走するのは、これはもうほとんど人間の都合ですから、現在の調子をデータから読み取ることが重要だと思うのです。
となると、水曜日の大井記念に出走するユーロビートが、「4~6月」は9戦して勝ち星がなく、2着も1回だけとなっているのはチョー気になる!
しかしユーロビートの「4~6月」には、帝王賞で4着、5着が含まれているから評価が難しいところ。
そもそも大井記念で一昨年が2着、昨年が3着なのですから。
ただ、JRAの成績を含めて全体を俯瞰すると、やっぱり気温が上昇する時期が好相性とまでは言えないような?
◎5.クラージュドール
○16.ケイアイレオーネ
▲11.オリオンザジャパン
△15.ユーロビート
△8.ウマノジョー
クラージュドールは4~6月までの成績が7戦4勝、2着と3着が各1回。
昨年の2着馬でもありますし、これはもう季節巧者と考えていいでしょう。
ケイアイレオーネは昨年が圧勝。
南関移籍後はダートグレードレースを除くと3着内率100%なのですから、的場騎手騎乗で人気がインフレぎみになっていても要マークです。
オリオンザジャパンは全体的に春と夏のほうがよさげな雰囲気。
ユーロビートもやはりノーマークにはできない存在。
善戦続くウマノジョーも押さえます。
逆にビミョーなのがムサシキングオー。
昨年は11着でしたが、どうも気温が高くなるとよろしくない香りが漂っているように思うんですよ。
その直感を信じて、ここは思い切って無印にしてみます!
的場騎手の単勝もぜひ!
(写真:的場騎手)
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。