コラム”

「オークスを観に行ってきました」
2017年6月12日

今週は川崎競馬場で関東オークス!

の前に、日曜日に釜山慶南競馬場で行われた「韓国オークス」(正式名称はコリアンオークス)を観てきました。
「おめえはどんだけプラプラしてるんだ!?」

と思われるかもしれませんが、年明けから5月下旬まで完全オフが1日くらいしかなかったのだからお許しを。
でも、こうやってどこかに出かけているときも原稿仕事は一緒……。

ちなみに土曜日は、ソウルからの夜行バスで釜山に着いて、スーパー銭湯でひと浴びしたあと、
コーヒーショップで3時間半ほどおしごとをしました。

それともうひとつ、航空運賃がどえらく安いからという面も大きいんですよ!

これからエアプサンに乗って帰るのですが、釜山→成田の片道運賃が総額で8500円(先週金曜日に購入)。
行きと帰りの合計額は2万630円でございました。
イヨッ!激安旅行名人!

それはひとまず置いといて、6月11日のコリアンオークスは16頭立て。
昨年は実力断然の馬がいて、そのほかの出走馬には未勝利馬も混ざっているというガチガチオークスでしたが、
今年はとくに目立つ戦績がある馬が不在という混戦オークスになりました。


コリアンオークスのパドック

(写真:コリアンオークスのパドック)

1800m戦が初めてという馬も多いので、こりゃ荒れるぞとパドックの雰囲気を優先して3連複ボックス、
馬連ボックスで攻めてみましたが、残念ながら3着までに入った馬を1頭も持っていませんでした……

第18回 コリアンオークス 釜山1800m(ダート)
1着 チェジュエハヌル(ソウル) キム・ヘソン騎手 1分58秒3
2着 ブライトスター(釜山) ダシルヴァ騎手 アタマ
3着 トクビョルスター(ソウル) イ・ヘドン騎手 2馬身

なんと、10番人気→3番人気→16番人気の順で入線して大波乱!
馬連は475.9倍
3連複は17274.2倍(日本風に言うと172万馬券)、
3連単は391736.8倍(日本風に言うと3917万馬券)

こんなの当たらんですよ!!!


優勝ジョッキーのキム・ヘソン騎手

(写真:優勝ジョッキーのキム・ヘソン騎手)

しかしながら、この上位3頭のなかには日本がらみの馬が2頭も入っていたのです。

まず優勝馬のチェジュエハヌル(済州の空)は、馬主さんが日本人。
韓国に現地法人を持っている社長さんだそうで、その縁から日本に続いて韓国でも馬主資格を取ったとのこと。
韓国ではこの世代が最初で、セリで買った2頭のうちの1頭が重賞を制覇したのですから、かなりの強運の持ち主です。

そして3着のトクビョルスター(特別スター)。
こちらは父がエアシェイディ。
有馬記念で2年連続3着に入った活躍馬ですが、ダートでの出走は1回もナシ。
おととし、ソウル郊外の牧場にエアシェイディを見に行きましたが、
アメリカ血統がハバをきかせている韓国競馬界でどうかなあ、というのが個人的な印象でした。

それが最低人気でのビックリ3着とはいえ、結果を残せたのだからめでたし!
これからも活躍馬を送り出してくれることを期待したいものです。


エアシェイディ産駒のトクビョルスター

(写真:エアシェイディ産駒のトクビョルスター)

それから天皇賞(春)を優勝したイングランディーレの産駒が2頭出走。
こちらは8着と14着に敗れましたが、産駒数がそれほど多くないだけに、重賞に2頭も出走したのは立派なこと。
これが今後の評価につながることを期待したいものです。

いやしかし、こういうレースは展開ひとつで結果が変わりますなあ。
早め先頭から押し切ろうとした3番人気のブライトスターの外から、道中は後方2~3番手にいたチェジュイハヌルが直線一気。
そして馬群のなかで脚をためて、直線は内からジワジワ伸びたトクビョルスター。

レース映像を見ても、上位に来た馬はコースロスが比較的すくないという印象がありました。
あとはその馬に底力があるかどうか。
もちろん、その日のコンディションがどうかという点も重要。

そういったところを再確認して、関東オークスがどういう形で進んでいくかと想像すると……

◎10.クイーンマンボ
○6.アンジュデジール
▲8.アポロユッキー
△4.アップトゥユー
△1.ステップオブダンス
△5.サクレエクスプレス

ダートグレードレースであると同時に、グランダム・ジャパン3歳シーズン最終戦でもある一戦。
優勝を狙う高知のタッチスプリントは27ポイント、続いて兵庫のスターレーンが21ポイント。
現在、ポイント数が第3位のアペリラルビーは関東オークスには出走せず、
そのあとの出走は、8位タイのセミプレナ(北海道)で8ポイントとなっています。

昨年までのルールだったら、タッチスプリントは「完走すれば優勝」でしたが、今年は『エクストラポイント』というものができて、
●地方馬最先着=15ポイント
●地方馬で2番目に先着=10ポイント
●地方馬で3番目に入線=5ポイント
が加算されることになりました。

つまり、たとえばタッチスプリントの前に地方馬が2頭以上いて、
スターレーンが6着以下でも地方馬のなかで1位だったら逆転優勝となります。

ということは、上記2頭は参加賞目当ての競馬をすると、タイトルを逃してしまう可能性が出てくることに!

追い込みのタッチスプリントは自分の競馬に徹するだけですが、
好位差しで結果を残してきたスターレーンは道中の判断が難しいことになりそうですね。

しかしその見どころは別のもの。
馬券はJRA勢が中心とみていいでしょう。
なかでも好位から堅実に差を詰めてくるクイーンマンボに注目。
アンジュデジールはタイプ的に折り合いがつきそうですから、長距離戦でもチャンス大とみました。

アポロユッキーは前走のまくり脚が再現できれば今回も上位食い込みが狙えそう。
地方競馬勢では主導権を取れそうなアップトゥユーを一角崩しの候補として指名します。

あとは流れ込みタイプのステップオブダンスを連下に。
サクレエクスプレスも条件的に悪くないとみて、穴で一考しておきます。

馬券の検討の一方で、グランダム・ジャパンの優勝争いにもご注目を!




プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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