コラム”

「やっぱりボックスが最高!」
2017年7月10日

今週はソウル市内でこのコラムを書いております。

韓国にも梅雨はありまして、あいにくその活動が活発なときに当たってしまったので、当初の予定どおりに行かないことに。
とくに日曜日の夜から月曜日の朝にかけて、猛烈な雨と雷が来襲しておりまして、
今回の目的だった「福岡ソフトバンクホークス3軍対LGツインズ2軍」の試合は、土日とも中止になってしまいました。

でも「人生万事塞翁が馬」といいますか、そのおかげでということもありまして。

もともとの目論見としては、日曜日は沖縄の今帰仁城で開催される「ももクロ」の高城れにちゃんのコンサートに行くつもりで、
日曜日の昼の飛行機でソウルから那覇に行く気満々だったんですよ。

しかしまさかのチケット抽選に敗れるという想定外の事態で、沖縄行きは断念せざるをえないことに(泣)。

というわけで、しかたなく韓国滞在を延長。
土曜日はホークス戦が中止になったものの、1軍のLG戦は実施されたのでそれを見て、
日曜日はソウル競馬場に突撃→球場への移動中に中止の知らせ→ソウル競馬場に戻るという流れを経て、
たまたま来場していた大阪のスポーツ新聞の先輩がたと夕食ということになりました。

コンサートのチケットが当選していれば、そりゃ楽しくて思い出に残ったのでしょうけれど、日曜日の出会いはなかったわけですからね。
人生、なにかうまくいかないことがあっても、それはどこかで埋め合わせされるものなんですよ。
これからも前向きに能天気に行きましょう!

その日曜日のソウル競馬。
韓国には現在、日本人騎手が2名いまして、ソウルが金沢の畑中信司騎手、釜山も金沢の米倉知騎手。
米倉騎手はリーディング10位以内に入る成績を残しているのですが、畑中騎手は参加賞的な馬を頼まれることがほとんどで苦戦ぎみ。

しかしですよ。
日本の騎手はやはり騎乗技術が高い!



ピントが合っていませんが、馬場入場時から折り合いに苦労する畑中騎手

(写真:ピントが合っていませんが、馬場入場時から折り合いに苦労する畑中騎手)

デビュー前の育成環境がイマイチな上に、競馬場では厩務員さんが我流の乗りかたで調教をするケースが多い韓国競馬では、
実戦になると折り合い面で苦労することが多々。

しかし日本の騎手は馬をまっすぐに走らせることにおいて、一枚上のところがあるのです。

それを改めて見せてくれたのが、日曜日の第2レースの1000m戦。
最下級のメンバーはフラフラする馬が多数ながら一団で進み、馬場の3分どころを通って番手につけた畑中騎手の馬が勝利!

ほかの馬はコーナーで大外を回ったり、直線でも外ラチ沿いまで膨らんでいったりとワイルドに走っていましたが、
畑中騎手はコースロスを最小限にして最後の直線では蹄跡がまっすぐになっていましたからね。
そういう技術は日本が誇るべきところだと思います。

そして私は畑中騎手のおかげで3連複106倍が的中!

絶対に荒れると思ったので3連複9頭ボックス(84点買い)という節操のない勝負をしたのですが、プラスになったのだから結果オーライ。
3着が1番人気馬だったので、そこが入れ替わっていれば……でしたが、単勝56倍の馬を勝利に導いた畑中騎手ありがとう!

そして場外発売の釜山2レース。
勝負した合計6名のうち、なんと3名が215倍の3連複を的中させたのですよ!

写真はその払い戻しのレシート。
韓国の公営競技では、100倍以上を的中させると「所得税20%」と「地域所得税=住民税2%」が払い戻し時に天引きされます。


大勝利の証明書

(写真:大勝利の証明書)

ということで100万ウォン(=約10万円)の払い戻しがあっても、受け取れるお金は22%引き。
でも買った馬が凡走していたらハズレなわけですから、そこはおおらかに構えるのが健康的でしょう。
そもそも競馬でもっとも重要なのは「運」なのですからね。

で、この215倍。
その的中の要因は「ボックス買い」だったのですよ。

下級条件戦で不良馬場という条件は、新聞紙上の本命印なんてアテにならない状況。
ましてアウェーで戦っているわけですから、網を張るほうが賢明でしょう。

さすがに3連単だとボックスにするのは金銭的に勇気が要りますが、3連複ならくみしやすし。
改めてそのことを実感したことでした。

だからシツコイけれども、ジャパンダートダービーも当然のごとくボックスで!

今年はJRA所属馬に「こりゃ強いわ」みたいな存在がいないと思うのは私だけ?
となると、多点買いで当たっても割が合うのでは?

◎10.リゾネーター
○11.ブラウンレガート
▲4.ヒガシウィルウィン
△12.サンライズノヴァ
△3.タガノディグオ
△6.キャプテンキング

ボックス買いなのでシルシの強弱はあまり関係ないのですが(汗)。

ポイントになる馬と考えたのは、兵庫チャンピオンシップを制したタガノディグオ。
過去の戦歴をたどってみると、タガノディグオはサンライズノヴァに負けたことがあり、
サンライズノヴァはリゾネーターに負けたことがある。
でもリゾネーターは兵庫チャンピオンシップで4着。
そして兵庫チャンピオンシップの内容は、例年に比べると平凡……

しかしながら、リゾネーターは羽田盃を制したキャプテンキングに6馬身差をつけて勝ったことがあるんですよね。

こうなると近走成績が良好な馬は、まさにどれが強いのかわからないジャンケン状態。
だから馬連と3連複はボックスですよ。

あとは単勝を買うつもりでの3連単。
リゾネーターの兵庫チャンピオンシップは完全に鞍上の失敗だと思うので、捲土重来に期待します。

そして休み明け2戦目となるブラウンレガート。
道中は息をひそめて脚を溜めて、最後の直線ではインを突いての差し脚披露で、

「的場さん!こっちのダービーですかっ!」
となる可能性は十分に考えられるのではないかと!

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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