コラム”

「攻め時なのか引き時なのか?」
2017年7月17日

ジャパンダートダービーの日はアツかったですね。

何がって、SPAT4 LOTOですよ!
大井開催において4日連続で的中者ゼロ。
ということで積みあがったキャリーオーバーの金額は7000万円余り。
ということは普通の日にチャレンジするよりも的中したときの期待値が高いわけで、
それがましてダートグレードレース開催日なものだから、そりゃみんなハアハアするのは当り前ですわ。

もちろん私もハアハアしながら頭をひねり、締切30分前くらいに投票しました。
でも改めて、手頃な点数にまとめるのはむずかしいものだなあと感じましたね。

結果としてはハズレだったのですが、まあまあ惜しかったというところ。
締切5分前にもう1種類を買っておこうと投票画面を進めていたら、その途中で快楽亭ブラック師匠から電話がかかってきまして、
弟子ではなくても出ないわけにはいかないので話をしていたら、締め切られてしまいました。

これで当たっていたら師匠、どうしてくれるねん!

と、モヤモヤしながら1レース目の第10レースを見ていると、
1着固定にしようとしていたツオイガナが押し切る雰囲気じゃないですか!

どひゃー。こりゃシャレにならん!

と、あせっていたら、2着のラッキーバトルは買い目に入れていなかった馬。
1400mで16番は買いにくいのよね。
さすが吉原寛人騎手。
ちなみに3着馬(11番人気)は買い目に入っていたので危ないところでした。

ともあれ、買えなかったことで儲かりました。
師匠、ありがとうございます!

ということで、その分はジャパンダートダービーに追加投資。
「南関道中膝栗毛」ではリゾネーターを本命にするも4着で、2着に入ったサンライズソアは無印という申し訳なさすぎる結果でしたが、
個人的な馬券は節操なき3連複ボックスなので当たってしまいました。
しかし35点買いで3050円の配当なのでマイナス決算……

続く最終レースは1番人気のシートンを1着固定にして相手4頭で的中。
ということで、買えたSPAT4 LOTOも買えなかったSPAT4 LOTOも1勝2敗という結果でした。

いやしかし、これで50円あたりの配当が1187万円?
その事実をもとに考えてみると、やはり行きつくところは「お金はさびしがりやで、1か所に集中したがる性質がある」ということなんですよね。

故事成語に「虎穴に入らずんば虎児を得ず」というものがあります。
意味は、危険を避けていては大きな成功はありえない、ということ。

先週、韓国からの帰りの飛行機で、となりの席の『オレはカジノで生計を立てている』という兄さんと話したのですが、その人いわく、

「自分の流れになっていないときは引く、流れになっているときは攻める」

これができれば勝てるし、できなければ負ける。
勝負の極意はそれだけなのだそうです。
で、カジノに来ている客の大部分は後者。
観光気分で立ち寄ったという人が大多数ですから、そこにチャンスがあるのが今のカジノだというのです。


ソウル仁川空港近くのパラダイスカジノ

(写真:ソウル仁川空港近くのパラダイスカジノ)

その人はバカラプレイヤーで、「3枚目以降のカードを引く局面が続くのは、自分に流れが来ていないということだから、そのときは抑えるか引く。
これをきちんと守れれば勝てる。見てみ、さっき13連勝してきたよ」
とスマホの画面を見せて解説。

じつは私、その兄さんに「競馬に行ってきた」と言ってしまったものなので、このくだりから
「興味があるんだったらオレの弟子になるか?」という展開になる危険性を感じて、
一般論的な相槌を打つようにしました(汗)。

でも兄さんの言うことには説得力がありましたね。
要は「小さく張っても得られるものは少ない。でも張り時を間違えるな」ということなのでしょう。
うーむ、そう考えると先日のSPAT4 LOTOはそれがまさに具体化できる局面だったんですよね。

最初のレースでツオイガナを軸にできたのならば、2着は手広く。
ジャパンダートダービーは上位人気5頭のボックス。
最終レースはシートンが力量上位と判断できれば軸不動。
まあ、そんなことを言っても結果論なんですが……。

しかしながら、3連単が普及してからというもの、プレイヤーの頭には『100円がビッグになる』
というイメージが大きく存在しているのではないかしら?
単勝&複勝&枠連の3種類だった時代は、大勝ちするにはそれなりの資本が必要でした。
だって枠連だとフルゲートでも36通り。
枠連万馬券はめったに出ないもので、私にとってはそれを取ることが夢のひとつでした。

でも今の時代は「100円が○万円に!」
という一攫千金的な状況になっている状況。
でもしかし、100円は○万円になんてなりませんってば!

先日、日本ダービーの終了後に馬券名人のかたと飲みましたが、その人はダービーの日の最終レース、
目黒記念で31万馬券を的中させたのですが、フォーメーションで140点くらい買っていたんですよ。

その人もバカラの兄さんと同様に
「目黒記念は荒れると思ったし、18頭立てのせいで過小評価されている馬が多かったからね」と、ここが攻め時と判断したのだそうです。

そうなんですよ。
勝つためにはリスクを取ることが重要で、そのリスクを取る場所を間違えないこと。
そう考えると、枠連時代も3連単時代も基本は同じなんですよね。

“リスクを取ればより多くのリターンが得られる可能性が高くなる”

変わったのは1点あたりの金額で、“リスク”の量は昔も今も変わっていないのではないかと思います。
変わったところといえば、少額で大きな夢を追う人が増えたというところでしょうか。
でもそれは、基本を守っている人にとっては追い風になるわけですから、そこを忘れないようにしなければ!


これは応援馬券なので3着でも納得の負け

(写真:これは応援馬券なので3着でも納得の負け)

さて、水曜日の浦和・プラチナカップは攻める局面か引く局面か?

◎7.コスモフットライト
○8.サトノアビリティ
▲5.フォクスホール
△9.ビーインラプチャー
△2.キタノヘイロー

コスモフットライトはB1クラスに在籍しているので負担重量が53㎏。力量的にこのクラスでも通用十分と考えるのが妥当。
そして1400mでは11戦して7勝するも2着がゼロで3着が1回。ならばここは、ボックスではなくて1着固定で攻めてみたいなと!

相手筆頭には先行してしぶといサトノアビリティを指名。
フォクスホールは格上挑戦でも長休明け3戦目で前進ができるとみて3番手に推します。

あとは浦和で安定しているビーインラプチャーと、初の左回りでも好位差しが狙えそうなキタノヘイローにマーク。
ここは「相手をボックス」の作戦で!

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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