
7月最後の日曜日、久しぶりに熱中症にかかってしまいました。
私が倒れた現場は、北海道浦河町にある「軽種馬育成調教センター」。
正式名称ではあまり紹介されていなくて「浦河のBTC」という略称のほうがメジャーになっている感じがありますが、
そこで同時に開催された「シンザンフェスティバル」と「浦河競馬祭」のイベント中に、熱中症になってしまったのです。
当日の天候は晴れ。
早朝の気温は20度くらいで霧がかかっている状況でしたが、午前11時頃の気温は28度。
朝から浦河競馬祭に出走するポニーやら在来種やらを取材したり、馬に乗ったりしてと楽しく過ごしていまして、
その流れで第5レースの「OBレース」に出走することになったのです。
このレースは早い話が「100m走」。
BTCのダートコースを人間が走る一発勝負なのですが、出走22名の大半がいわゆる肉体労働者。
そりゃ勝てるわけないっすよ~
となげいても、立場的に出ないわけにはいかぬ雰囲気。
というわけで走りましたよ、砂厚が9㎝のダートコースを。
靴だとすべりそうなのでハダシでGO!
と、馬場に入る前に靴を脱いでいたら発走地点への到着が遅れて、2列目からのスタートになってしまいました。
昭和20年代の日本ダービーかっ!
というわけでスタートの時点ですでに出遅れ。
でも老体にムチを打ってがんばりましたよ。
後方からジワジワと差し脚を発揮して、たぶん11着か12着でゴール。
意外と走りやすい馬場でした。
レース後は参加者とワイワイ話しながらスタート地点に戻り、靴を履いてその次の「純血種」のレースを観戦……
というところで、起き上がれなくなってしまったのです。
気持ち悪いのだけれど吐けないみたいな状況。
クルマに戻って冷房をかけて……と思ったのですが、駐車場まで歩けないという状況。
すぐ近くに本部席のテントがあったので、そこの空いていた椅子に倒れ込んでしまいました。
(写真:北海道の夏は昼が暑いんです)
でも、自分としては対処方法がわかっていたので、大丈夫かなと判断。
その方法とは、ひたすら机に突っ伏して日陰で体を動かさないこと。
体が冷えてくれば回復するので、30分ほどで元通りになりました。
しかし周りの人には心配をかけてしまったようですね。
こちらは「体が冷えれば大丈夫」と何回も言ったのですが、なかなか信じてもらえなくて。
といっても逆の立場だったら「この人、死ぬんじゃないか」と思えるような状況だったのでしょうが……
私は会社員時代、医療機器に関する業務にもかかわっていまして、
そこで運動データなどを取って身体データとの相関関係を調べたことがあるんです。
そこで得られた知見のひとつには、
「短時間の運動をしたときの脈拍数は、運動を終了後、ある程度の時間をおいてから上昇する」
そうなんです。
熱中症にかかった私はまさにその状況。
「さっきまで元気だったのに急にぐったり」となったのは、それが原因だったのです。
加えて私は体温調節がヘタという体質。
というわけで体内に熱を蓄積してしまったわけですね。
言うなれば血液沸騰状態。
しかしながらそれが度を超すと、臓器不全につながる可能性が高くなりますから、やはり炎天下の運動には要注意。
普段から適度に運動して心肺機能を強化していれば、こんなことにはならないのですが。
その点、競走馬も騎手も運動選手ですから、熱中症への心配はそれほど必要がなさそう。
しかしそれも過ぎたるは及ばざるがごとしで、調教が夜中や早朝に行われているように、
競走馬はとくに暑さが敵というところがあるのは確かです。
競走馬は大きいですから、それを動かすためのエネルギーがたくさん必要。
ということで、夏場は相対的に小柄な馬のほうが動けるようです。
学生のとき、体重120㎏の人を連れてハイキングに出かけたら、10分もしないうちに全身汗だくで、
顔を真っ赤にして背中から湯気を出していたことが思い出されます。
マラソン選手も小柄な人が多いですよね。
ただ、ダート競馬だと小柄=パワー不足になるケースがあるのが悩みどころ。
でも夏競馬に限っては、大型馬の凡走&小型馬の激走に気をつける必要があるのではないかしら?
ということを自分自身の熱中症で感じた2017年の夏でありました。
もうちょっと体重を落とそうっと……
(写真:草競馬にはカキツバタロイヤルが出走)
というコラムの流れになれば、黒潮盃も小柄な馬にロックオン。
東京ダービーの上位2頭が出走しない混戦模様ですから、穴馬の出番もたくさんあるはず!
◎ブラウンレガート
○ソッサスブレイ
▲キャンドルグラス
△ドリームズライン
△シェアハッピー
△ラッキーモンキー
△カンムル
このシルシを決めるのに1時間ちょっとかかった……
過去5年の黒潮盃で3着以内に入った15頭のうち14頭は「前走で連対」または「2走前がダービーで前走が重賞」、
それか「前走がジャパンダートダービー」。
唯一の例外は5年前の2着馬で、東京湾カップ2着→東京ダービー13着という戦歴でした。
しかし今年は「前走連対馬」が愛知のドリームズラインだけで、
「2走前がダービーで前走が重賞」もブラウンレガートとソッサスブレイだけ。
そういうメンバー構成だから波乱必至とみて間違いないでしょ!
今回も当然のごとくボックスで攻めるわけなのですが、一応の中心ということではブラウンレガート。
東京ダービー→ジャパンダートダービーと歩んできた、唯一の存在ですからね。
データ的にバッチリ。
ソッサスブレイは2走前が東京ダービーで前走が優駿スプリント。
4年前の2着馬がこのパターンでした。
しかし、そうなんです。
ここまでで前出のデータに該当する馬が出尽くしてしまうのです。
なのでしょうがないから、3番手には羽田盃3着のキャンドルグラスを選択。
ラッキーモンキーも2走前のクラウンカップ3着が選択のよりどころです。
穴は前走が426㎏だったカンムル。
ただし黒潮盃は、一昨年の優勝馬ブラックレッグが576㎏で出走していたんですよね(汗)。
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。