コラム”

「笠松競馬場で学んだこと」
2017年8月15日

先日、ひさしぶりに「ムーンライトながら」に乗って、笠松競馬場に行ってきました。

私が高校生のころは「375M」や「大垣行き」などと呼ばれていた夜行列車は、20年ほど前に全車指定になり、
そして学生の春休み、夏休み、冬休みだけ運転される臨時列車に変わり、その運転日数もどんどん減っている方向性になっています。

私が名古屋に行くときは、ほとんど「夜行一択」なわけですが、その理由は楽だから。

夜行で行けば朝6時前には名古屋に着いて、そのままモーニングコーヒーを飲みながら締切原稿に着手できるので、
時間を有効に活用できてバッチグー。
よく「夜行は寝られない」というかたがいらっしゃいますが、まあそれはたぶん「慣れ」で解決するもんだと思うんですよね。
という私も最近は夜行バスの4列シートは避けるようにはなりましたが(汗)。

でもこのあたりは“コツ”というものがあるんです。
たとえば旅行業界の閑散期である1月中旬から2月、5月の連休明けから6月、そして11月などの平日は夜行バスもガラガラ。
以前は“会員制バス”として運行されていたので、客がいない時期は運休できたのですが、現在は基本的に“路線バス”だけになりました。
つまり、客がいなくても走らせねばならぬことに。

ということを利用して、閑散期の夜行バスに乗る際は、バスのチケットは当日予約。
残席数がたくさんあるバスを選ぶと、4列シートでも隣が不在となる可能性が高くなります。
ついでにお値段も安くなったりして。

でも6月に大阪(園田競馬場のスーパージョッキーズトライアル第2ステージ)に行ったときは、
4列シートのバスが夕方4時頃の時点で空席が◎になっていたのに、いざ乗ってみるとギチギチの満員。
その理由は、新幹線の架線が切れた影響でまるごと運休になっていたからだと、大阪に着いてから知りました。
ちなみに中野省吾騎手は船橋での騎乗が終わってから新幹線に乗ったら途中で止まり、新大阪駅に着いたのは午前4時頃だったとか。
逆に半徹夜明けでテンションが高かったからこそ、第3戦と第4戦を連勝するという神騎乗ができたのかも?


半徹夜明けだった中野騎手

(写真:半徹夜明けだった中野騎手)

それはともかく、夜行バスが充実している一方で「ムーンライトながら」の人気はイマイチ。
8月2日に乗ることには1週間ほど前に決めたのですが、あっさりと指定券を確保できて拍子抜けでした。
昔は発車の2時間前から並んでやっと座れるくらいだったのに。

でも、こんな状況を見ると世の中が心配になりますな。
というのは、若者が旅行しなくなっているように感じるから。
たとえば20年から30年前の北海道には、夏は本州などから来たヤングな人々であふれかえっていたんですけれど。

しかしいつの間にか、その文化は消えてしまった模様。
私の友人の大学3年生に実際のところを聞いてみたら「今の学生は忙しいんですよ」だって。
うーむ、私の経験だと「講義のときは教室ガラガラ、試験のときは超満員」だったんだけどなあ。

そういう理由からなのかどうか、私が乗ったムーンライトながらは7割程度の乗車率で楽勝の熟睡。
予定通りに朝から原稿を書いて、12時前に笠松競馬場に着いたら暑いのなんのって。
「いやあ、これでもけっこうマシなほうですよ」

と言うのは、笠松競馬場のプロ予想師、大黒社の一岡浩司さん。
たしかに場立ちの台には扇風機もなく、“夏あたたかく冬涼しい”を地で行っているような環境です。
「これだけ暑いと馬も厳しいですからね」

と、一岡さんはパドックを場内モニターで凝視してから最終判断をしていました。
笠松競馬場はコースの内側にパドックがあるため、馬との距離がそこそこあります。
ということもあって、笠松では一岡さんの予想をよく買います。

さて、場内での取材を終えて臨んだ最終レースは10頭立て。
メンバー的には上位人気馬の成績が抜けている印象で、なんとなく4番と8番がよさげ。
ということでその2頭軸で行こうと思いつつ一岡さんの予想を買ったら、
「これは4と6が中心ですよ」とのこと。
えええ、そうなんですか?


大黒社の予想

(写真:大黒社の予想)

とのお言葉はいただいたものの、それで一岡さんの予想のとおりに買って、しかし4番8番で決まったら、
やり場のない怒りと情けなさでテンションが下がることは間違いなし。

さてどうするかと考えた結果、自分の予想での馬券と一岡さんの予想での馬券を2種類買うことにしました。
両方ハズレたら二重遭難になりますが……。

しかし4コーナーでは軸にした3頭に勝負権が絞られた感じ。
これは完全に当たったべ!

と左ウチワな気分で見ていたら、6番、8番、4番の順で入線。
うそ、自分の予想による馬券は、4番と8番がアタマの3連単だったから、惜しいけれども結果はハズレじゃないですか。
一岡さんの予想で追加した、4番と6番の2頭軸で8番を間にはさんだ3連単が的中するとは。
そしてなんと70倍!

やはりアウェーの競馬場では地元の人の意見を参考にするべきですな。
海外なら感性が鋭くなっているせいか、自分の感覚だけで成功することはありますが、日本国内だとやっぱりねえ。

いやしかし、私も予想を出している側ではあるんですが、研究熱心な一岡さんに比べるとお恥ずかしい限り。
でもマジメに予想しているんですよ。
だからマジメに木曜日の浦和5レースの「SPAT4プレミアムポイント賞」を予想!

◎5.ハンディマン
○10.ギンチャン
▲6.ワンダーヘーヒスト
△9.フラダリ
△11.サンファニート
△3.ゴールドバード

3歳1組のメンバー。
混戦の感はありますが、転入3走目で先行力が発揮できそうなハンディマンを中心に指名。
浦河の山口ステーブルの育成馬で、小久保厩舎とのコンビでは先日の黒潮盃で2着に入ったカンムルなど、
数々の活躍馬を送り出しています。

ギンチャンは転入初戦の前走が大楽勝。
ここでも引き続き注目でしょう。
この2頭の一騎打ちが中心とみますが、ペースが速くなった場合には、差し脚があるワンダーヘーヒストに割って入る余地が出てきそう。
あとは先行して粘り込めそうな3頭を連下の押さえとして挙げておきます。

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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