
今週はJBCウイークですね。
今年はJRAと同時開催になるため、馬券の売上高がどういう感じになるのか興味津々。
2010年、船橋競馬場でのJBCの直前の日曜日に、ウインズ後楽園で船橋競馬の広報誌を配布したとき、
「こんどの水曜日に船橋競馬場でJBCが行われま~す」と、声を張り上げてもほとんど反応なし。
それが「こんどの水曜日の船橋競馬場でG1がありま~す」にセリフを変えたら、受け取ってくれる人が激増したのです。
中山競馬場で配ったときなんかもっとすごくて、3人か4人のおじさまに「船橋競馬場ってどこにあるの?」と聞かれましたからね。
最初にその質問を受けたときにはもうビックリ。
からかわれているんじゃないかと思いながら「船橋法典駅から2つとなりの、南船橋駅から見えますよ」と答えると
「そうなんだ」と真面目な顔で返事するからまたビックリ。
そんな人が1人だけじゃなかったことにもビビりました。
確かに興味がないことは意識のなかにまったく入らない、という面は誰もが持っていると思います。
私も競馬を始めたころはそうでした。
競馬デビューの地は上山競馬場だったのに、競馬を覚えたあとはJRAばかり。
その後は大井にこそ会社帰りとかに行きましたが、船橋浦和川崎に初めて行ったのは会社を退職したあとだったような……。
そういう経験も含めて、地方競馬にはまだまだ伸びしろがあると思うんです。
先週の火曜日に名古屋競馬場で某調教師と話したのですが、
「セリで馬がメチャメチャ売れるのって、そんな何年も続かないと思うんだけど」
確かにそうかもしれませんね。
というか、売れているからって調子に乗らないのは大切なことですよね。
「地方競馬の売上が増えているけれど、これもどうなのかなあ?」
いやいやいや、これは一過性ではないですよ。
この状況はおそらく当分の間、続くと思いますよ。
そしたら「本当かなあ」みたいな顔をされてしまいました。
でも個人的にはそう考えているのです。
(この日の名古屋のメインレースの売上は5000万円ちょっとでした)
つい3年とか4年前は、1日の馬券発売額が4ケタ万円という競馬場はいくつかありました。
でもここ1~2年は億を下回ることが本当に少なくなりました。
その要因になったものでもっとも大きなインパクトは、JRAによる「地方競馬IPAT」が始まったこと。
そのほかにも、景気拡大による失業率の低下を筆頭に、いろいろなプラス要因があります。
でもまだまだ余力はあると思うんです。
そう考えるのは、地方競馬の売上をJRAと比べてみると、ぜんぜんたいしたことがないから。
たとえば今年の10月9日に盛岡競馬場で行われた南部杯。
この日の盛岡競馬はJRAと開催が重なっていて、南部杯の発走時刻はJRAの全レースが終了したあと。
その条件で南部杯の馬券発売額はというと、9億1385万9700円。
南部杯の15分前に発走した東京競馬場の最終レースは、13億1305万7500円。
ちなみに同じ日の京都競馬場のメインレース「京都大賞典」は、およそ57億円でした。
同じ南部杯でも、2011年に震災復興のため、特例的に東京競馬場で実施された南部杯は、売上がおよそ70億円。
その数字を見るにつけ、地方競馬の売上額が伸びる余地はまだまだあると思えるんです。
そんなふうに意識をしたひとつのきっかけは、2008年に園田競馬場で行われたJBC。
そのときにガッカリした思い出は、強く印象に残っています。
何にガッカリしたのかというと、その売上。
JBCスプリントの締切5分前あたりに4コーナー寄りのスタンドでオッズ表示のモニターを見上げ、
「どれくらい売れているのかな~♪」と思いながら画面右下の票数を暗算していくと、2回計算してみても5億円前後にしかならないのです。
JBCですよ?そして場内はぐちゃぐちゃに混雑しているのに。
かつて有馬記念が800億円あまりを売り上げたことがありましたが、地方競馬はそれに比べるとまだまだ。
競馬マスコミの端くれにいる人間としては、その差を微力ながらも埋めていく努力をせねばならんと自覚しております。
そうなると、このあとのハイセイコー記念の予想に進むのは、ちと気が重くなるんですが……。
的中率、回収率がよければいいんですけれど(汗)
◎1.クロスケ
○13.クレセントシティー
▲10.ハセノパイロ
△9.クリスタルシルバー
△6.メテオバローズ
△5.マースインディ
クロスケは3走前に大井競馬場で見まして、馬体のバランスのよさと無駄が少ない走りに感心した馬。
前走は中団から差してクビ差2着でしたが、そのポテンシャルならマイル戦でも対応してくれると期待します。
クレセントシティーは逃げ切りで3戦3勝(※)、前走はマイル戦で完勝と、今回も人気になるでしょう。
父のトビーズコーナーはダートの短距離マイルあたりに適性ありと馬産地方面でも認識されてきたようで、
ポスト・サウスヴィグラスの地位が狙えそうな感じもします。
※SPAT4プレミアムポイント事務局追記:クレセントシティーは全4戦3勝
ハセノパイロは初の右回りで相手強化でも好位差しの形が取れれば善戦以上が狙えそう。
先行力があるクリスタルシルバーも引き続きマークが必要でしょう。
メテオバローズは距離微妙でも血統的な面を含めて要注意。
差し脚秘めるマースインディも押さえておきます。
さあ、ハイセイコー記念の2日後はJBC!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。