コラム”

「今年のJBCには興味シンシン!」
2017年11月1日

「11月3日はJBC」というのはわりと定着したかなとは思うのですが、
競馬ファン全体という観点から考えると、週明けのコラムに書いたとおり、まだまだという印象。
あんなドカ雨が降った天皇賞デーの東京競馬場には6万人以上が来たというのに、
一昨年の晴れた大井でのJBCデーは、入場者数が約3万4千人でした。

地方競馬にドップリと漬かってしまった私のような人間には、どうしても「なんでだろ」的な違和感があるんですけれど、
やはり中央と地方の差なんでしょうね。

そういうのはたとえばアイドル業界でもあるわけでして、スタジアムクラスの大箱で公演ができるグループがある一方で、
歌もダンスも互角以上と思えるのになかなか地下アイドルから脱出できないグループがあるとか。
これはもう「イメージ」に尽きるのでしょう。

JRAという呼称ができる前は、ポスターのキャッチコピーが「家族みんなで中央競馬」とかでして、
そうこられても多くの人は「ムムム……」と感じたのではないかと思います。
それが「JRA」になり、テレビCMに費用をかけるようになり、施設をどんどん改善して、スターホースが登場すればそれをマスコミが取り上げて。
そういう好循環が、世界一の馬券発売額を誇るニッポンを作り上げてきました。

しかし同時に行われている地方競馬は、その波に乗れたところと乗れなかったところがありました。
そして乗れなかった競馬場の多くは、廃競馬場になっていきました。
廃止になる直前の競馬場にはよく行きましたが、ほとんどのところになんというか「こりゃダメだ」感が漂っていましたね。

今は亡き某競馬場なんか、500円の馬券を買うのに千円札を出すと、窓口のオバサンに「あっちで両替してから来て」と言われるんですよ。
つまり窓口でお釣りを出せないシステム。
そんなに主催者はオバサンのことが信用できないんですかね。
そして客商売なのに客に手間をかけさせて平気なんですかね?


廃止競馬場

(本文とは関係ないですが、ここも廃止競馬場)

お客様は神様じゃないけれど、お客様を下に見たらダメでしょう。
そう考えると、現在でも開催されている地方競馬場は、健全な淘汰を経て今に至っているような気がします。
しかしながら、世の競馬ファンはかなりの割合で「地方競馬」として十把一絡げ。
それは2003年に大井競馬場で行われたJBCの売り上げが、同時開催されたJRA福島競馬の1000万条件戦に負けたことに象徴されています。

それから14年を経て、2回目となるJBCとJRAの同時開催。
JRAの電話投票の権利は当時よりはるかに多くの人々に行きわたり、当時は利用者が少なかった地方競馬の電話投票システムは猛烈に成長。
その違いが2003年との差にどう出てくるのか、とても楽しみです。

ちなみにSPAT4ができたのも2003年。
「十年ひと昔」とはよく言いますが、本当にそんな感じがありますね……(感涙)

その2003年の発走時刻は、JBCも福島競馬も似たような感じでした。
今回も同じ時間帯にJRAも発走。
しかも今回はJRAが2か所だからどうなることやら?

レディスクラシックは15時45分が発走予定時刻で、京都メインの10分後。
ちなみに大半のJ-PLACEではJRAと大井を併売しますから、大井に来たファンがどういう行動をするのかにも興味津々!

でも私は大井に集中しますよ。
まずは第7競走、JBCレディスクラシックから行きましょう!

◎5.ホワイトフーガ
○7.アンジュデジール
▲1.ワンミリオンス
△8.ララベル

なんのヒネリもないですが、レディスプレリュードでクイーンマンボの8馬身後方、そこでハナ差で2着を争った2頭が主軸。
ただし負担重量の差が4kgから2kgに減っていますから、その分を含めてホワイトフーガを上に取ります。
3番手には休み明けでも乗り込み量が豊富なワンミリオンス。
ララベルはこれまで、前走との間隔が1か月未満だったのが、桜花賞と東京プリンセス賞での1回だけ。
ということならば今回はきわめて順調なのだと推測して、1着付けも買ってみようかな?

続いては16時25分発走のJBCスプリント。

◎10.コパノリッキー
○1.ニシケンモノノフ
▲3.キタサンミカヅキ
△14.ゴーディー
△6.ドリームバレンチノ
△8.スノードラゴン

こちらはコパノリッキーをどう考えるかが最大のカギ。
個人的には勝つか大敗かのどちらかという気がしますので、本命には置きましたが意味合いとしては▲に近い感じ。
最内枠が有利になりそうなニシケンモノノフと、差し脚鋭いキタサンミカヅキにも期待します。

ゴーディーは3連勝式の穴として。
母の父がアングロアラブという馬がJBCに出るのは最後かもしれないし!
ついでに9歳と10歳のベテラン2頭も3連勝式の候補で挙げておきます。
2005年の名古屋の再現に警戒して……

JBCクラシックは第9レースで、17時10分に発走!

◎8.サウンドトゥルー
○1.アウォーディー
▲10.アポロケンタッキー

休み明けがむしろプラスになりそうなアウォーディー。
その馬をガッチリとマークしそうなアポロケンタッキー。
この2頭の勝負になると思うのですが、そこを我が道を進んで直線一気のサウンドトゥルーが届き切ってしまうという想像で、このシルシにしました。
ケイティブレイブは帝王賞のような作戦なら侮れませんが、同じことが狙ってできるかなあということで、来たら脱帽の無印で。

ともあれ、いい思い出になるJBCにしましょう!

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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