
11月3日のJBCが終わってからというもの、いろいろと業務が重なりまして自宅から2km以上離れたところに行っていないというありさま。
その2km以上の場所というのは近所の安売りスーパー。
そんな状況は体に毒……。
その軟禁状態は10日ほど続きましたが、11月12日の日曜日は高知競馬場に突撃!
今回は競馬場の全体的な取材だったので、それがだいたい終わった夜6時すぎ以降は自由時間。
しかし開門時間のはるか前から競馬場にいることもあって、あたりは真っ暗で「今日も一日おつかれさま」という感じなのに、
まだ第6レースが終わったばかりというのはすごい違和感。
まだ6つもレースが残っているんですか!
でも無料バスは最終レース後にしか運行されないのよね……。
取材活動をガッツリしたのでけっこうな疲労感があったのですが、ここはひとつ気持ちを切り替えて、高知競馬で勝負しますか!
ならば、まずはなにか食わなければ。今日は昼に菓子パンを食べただけだし。
しかし高知競馬場は試練を与えてくれました。
岡林食堂は午後4時すぎには閉まる。
これは知っていました。
しかし最終レースまで営業しているはずの「まるまん」の屋台から、
「今日はG1だったからね。もうぜんぶ売り切れ」
という言葉を聞くことになるとは想定外。
かろうじて、柱をはさんで反対側の屋台で最終最後のトン汁を確保できたので、なんとか生きていける感じになりました。
次の第8レースはそれをいただきつつ高い位置から見下ろして、第9レースは実況席の横から見下ろすと、
レース展開が前半とは違うような感じがしました。
(写真:高知ナイターの風景)
前半のレースは1コーナーでインを回った馬、回らされた馬は失速していたのが、徐々に変わってきたように見えたのです。
第5レースで早め先頭の馬の内側から上位に食い込んできた馬が出現。
そのレース後にとある騎手が「なんかインが使える感じになってきましたね。
でもそれはみんなわかっているでしょうから」と。
そのあと実際のレースを俯瞰で見て、たしかにそのとおりだと確認できたわけです。
高知競馬はご存じのとおり、廃止寸前の状態が長く続いたところ。
つい5年前は、高知ダービーの1着賞金がわずか27万円でした。
それがネット投票人口の増加によって売り上げが増え、昨年の秋には賞金が倍以上に増加。
それによってレースの厳しさが増しているような印象を受けます。
もともとインコースの砂が深く作られている高知競馬は、コース取りの判断が難しい競馬場。
それをどう攻めていくかという戦略性の高さは騎手も頭を悩ませているところですし、
見ている側にもそれが面白さとして伝わってきます。
「賞金が上がったから馬の数も増えていますし、そのせいか最近はガチガチのレースが減りましたね」
と、大ベテランの西川敏弘騎手。
確かに5年前あたりは力関係がわかりやすくて、なおかつ取りやすいレースがたくさんありました。
でも今は接戦が増えたように思います。
しかしながらそういうなかにも例外はあると、地元専門紙の記者さんが教えてくれました。
それはC級のレース。
「1組の選抜戦は、力が抜けている馬が出るのでわりと堅くおさまります。
下のほうの組は成績がボロボロの馬が“一発逆転”のレースに選抜されるので、
“これは要らん”という馬が少なくなるので混戦になりがちです」
とのこと。
なるほど、ならば第10レースのC級1組選抜戦は、人気2頭に絞るのが吉ということですね!
と判断して、単勝人気で他馬を圧倒していたヨアソビとバーントシェンナの2頭に集約。
そして見事に読み通り。
高知県以外からの投票が多いせいか、3着だった赤岡騎手も人気を集めていたために、まあまあの配当になりました。
続く11レースは波乱の気配を感じたので見送ったら、人気馬が総崩れで3連単は20万円台。
買わなくて正解。
その2レースとも、3コーナーからインを狙った馬が伸びてきていました。
そして迎えた最終12レースは、成績不振の馬を集めた「一発逆転ファイナルレース」。
インを回って差を詰めてくる馬が来ている傾向……
そこでピンときたのがゼッケン3番、ドリームネイチヤー。
3年ほど前に川崎で内ラチ沿いから突っ込んできた脚を思い出したのです。
ここならその再現が狙えるかも!
さらに鞍上は高知に移籍した郷間騎手。
川崎時代のドリームネイチヤーに郷間騎手が乗ったことはなくても、なんかそこに通じるものがあったりして?
そんな予感がしたので、10頭立て9番人気というのは不安でしたが、ここは度胸一発いきましょう。
ドリームネイチヤー1頭軸からの3連複で勝負!
(写真:3番のドリームネイチヤーは人気薄)
最初は1頭軸で相手全通りという節操ない馬券にするつもりでしたが、それはさすがにアレなので、外枠の2頭を削って相手7頭に。
一緒に観戦した地元ファンも私の意見に乗ったのか、ブービー人気馬の単勝や馬連などを買い込んだ様子。
そうしたら3コーナーで郷間騎手がインを回って上昇してくるではないですか!
その時点でもう4番手。
外を併走する1番人気の馬は手応えが怪しい雰囲気。
となればそりゃ「郷間!!!」とついつい叫んでしまいましたよ。
私は3連複なので、あとは人気薄の馬が突っ込んでくることを祈るのみという状況。
しかし隣の人は単勝を1200円も持っているものだから、最後まで郷間郷間郷間郷間!
ゴール地点では郷間騎手と永森騎手がきわどい勝負。
でも大型モニターで再生されたVTRを見ると……
郷間騎手が5㎝くらい先着している!!!
なんかもう、久々に興奮しましたわ。
競馬観戦でこんなにアツくなれたのって何年ぶりかしら?
(写真:勝負!)
これも高知競馬のレース経過をしっかり見ていたおかげ。
高知で勝負するときにはその日のレース傾向をしっかりと確認しておくことをオススメします!
そして改めて感じたのは「競馬は記憶のスポーツ」という部分。
水曜日のマイルグランプリも、いい連想で勝利に結び付けたいところです。
◎11.コンドルダンス
○13.トロヴァオ
▲6.セイスコーピオン
△7.ケイアイレオーネ
△4.トーセンハルカゼ
△1.レガルスイ
コンドルダンスは転厩初戦。
そこがやや不安ではありますが、破壊力がある末脚は混戦のメンバーでより輝けると予想。
昨年の2着馬でもありますし、気温が下がって調子が上がる傾向があるのかも。
トロヴァオは大井のマイルで2戦2勝。
素質馬が徐々に本格化してきたといえそう。
昨年の優勝馬のセイスコーピオンは距離短縮で見直せそうです。
ケイアイレオーネは力強い先行力に今回も期待。
トーセンハルカゼは相手なりに走れるタイプで、ここでも善戦以上に要警戒。
長休明けでも大井マイルで3着内率100%のレガルスイを連下の候補としてマークしておきます。
大井のマイル戦は、大井のマイルに向くタイプで!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。