
日曜日に東京競馬場で行われたフェブラリーステークスを見に行ってきました。
しかし深夜1時半に寝て朝6時に起きたのに、出発できる態勢になったのは正午すぎ。
なんだか精神的にも疲れてしまいました。
でも府中本町駅に着いたらそんなことは忘れましょう。
改札を出て売店で東スポを買い、連絡通路を歩いていると、あれれ?
すぐそこで荘司典子大先生が専門紙を買っているではないですか。
いま着いたの?
ときはすでに午後2時前。
ということはつまり、東京競馬は第8レースまで終わっているわけで、それなのに専門紙を買うってのは、ちょっともったいなくない?
なんて話をしながら場内に入り、すぐ近くにある売店に行くと、オヨヨ。
ララベルの「出走馬名入りボールペン」が売り切れている!
16頭のうち半分程度は在庫ありの状況だったのに、おそらくビリ人気に近いであろうララベルが売り切れ。
このあたりは競馬ファンの愛が感じられるところですなあ。
しかし売り切れを確認した荘司さんはショボン。
それでも気を取り直して、ヒヤシンスステークスから勝負開始。
完全にパドック診断だけで買い目を決めて、たまたま遭遇した競馬仲間に「イチオシは2番」と話したところ、
9番人気だった2番の馬は2着に来てくれたものの、1着馬と3着馬の番号は推奨しておらず……
でも“今日は馬が見えている”と気を取り直して、別の競馬仲間&野球仲間がいる場所に移動して、
フェブラリーステークスはパドックへレッツゴー!
かく言う私のお目当てもララベルでして。
馬券的にはアレですが(汗)
でもなんで引退レースがエンプレス杯じゃないのかしら。
(写真:フェブラリーステークスのパドック)
と思っていたら、荒山勝徳調教師の「こんな大きい舞台でラストランができるなんて」という言葉と表情で、
私のなかのモヤモヤ感が消えました。
競馬は着順や賞金だけじゃないんですよね。
そういう面があることを忘れていました。
しかし牡馬相手、そしてコーナー2つのマイル戦は初めて。
さらに最後の直線にある上り坂も初めて。
それでハイペースの流れに参加したのでは、15着という結果も致し方ないものでありました。
「出発したときは570kg。いつもはだいたい5kgとかそのくらいの減りかたなんですけれど、初めてじゃないかなあ、こんなに減ったのは」と、
荒山調教師は前走からマイナス16kgという548kgの馬体重に対して振り返っていました。
(写真:真島騎手)
ララベルは2歳7月の新馬戦を制し、2歳時に4戦して、ローレル賞、東京2歳優駿牝馬を含む3勝をマーク。
3歳時は初戦となった桜花賞を勝ち、東京プリンセス賞で3着、東京ダービーは4着でしたが、秋のロジータ記念を制しました。
そして4歳時は初戦のしらさぎ賞を制覇。
ただ、500kgを大きく超える体で万全の態勢にもっていくには難しい面があったようで、
しらさぎ賞のあとに予定していた韓国遠征は取りやめに。
その後もJBCレディスクラシックは競走除外、5歳時の初戦、
4か月ぶりの実戦となったマリーンカップではプラス25kgの体重で登場して2着に入るなど、
その実力を軌道に乗せるための苦労には相当なものがあったことでしょう。
「ララベルに学んだことはとても大きいですね。(真島)大輔はもとより、厩舎スタッフのみんなもそう思っています。
体とか仕上げについてとか、普通の馬ではないというというか、常識の範囲ではおさまらないという面がありました。
そのおかげで自分たちの引き出しがすごく増えましたね」
と荒山師。
「レース後の歩様は問題ない感じでしたし、とりあえず無事に走ってくれてホッとしています。
これから引退式の間までは軽く乗って、引退式は本馬場をキャンターくらいで走る予定にしています」
とのことで、今度の土曜日、2月24日は大井競馬場で引退式が行われます。
土曜日は今年最初の南関東とJRAが同時開催(先週火曜日の小倉競馬は、浦和と川崎、J-PLACEで発売されなかったのでノーカウント)。
しかもJRAからのリレー開催ではなく、競合開催!
ということは、土曜日の大井競馬場では、大井とJRA中山、阪神、小倉の合計48レースが買えるってことですか。
どひゃー、これは忙しい!
その状況で大井の馬券がどのくらい売れるのか、これは興味津々。
一昨年のジャパンカップの日に開催していた大井競馬場に行ったら、
場内で「全国ねぎサミット」と「野馬追甲冑競馬」のイベントがあったことで結構にぎわっていましたが、今回ははたしてどうなるのかしら?
ララベルの引退式は土曜日の大井競馬の最終レースが終わったあと。
夕方5時頃から行われます。
平日開催だからなかなか南関東の競馬をナマで見られなくて……というかたは、ぜひ大井競馬場にご来場を!
その前に行われるのは大井の金盃。
1月22日の「金盃トライアル」がドカ雪のために競走取り止めとなってしまいましたが、その影響を受けた5頭を含めた16頭が登場。
ちなみに2600m戦はダートとしては日本最長。
ほかは金沢の北國王冠が2600mで残るだけとなっています。
それを考えると、3000mで実施していた東京大賞典って、すごいレースだったんですねえ。
◎12.クラージュドール
○9.ウマノジョー
▲13.レーザー
△14.ユーロビート
△7.サブノクロヒョウ
△10.キングニミッツ
穴15.オリオンザジャパン
過去の結果をみたところ、先行馬が粘るところに追い込み馬が加わってくるという傾向がある様子。
しかしながら、3年前のアウトジェネラルが8番人気で逃げ切ったのには悶絶しましたね。
12番人気のフォーティファイドを軸にしていた快楽亭ブラ坊兄さんが、ワイド万馬券を取ったことにもまた悶絶。
そうなんです。
金盃は基本的に、どうなるか予測しにくいレースなのです。
だいたい今年は逃げそうな馬さえ不明。
だったら差し脚を長く使えそうなタイプをマークするのが吉でしょう。
そんななかでも、逃げ候補にはサブノクロヒョウとキングニミッツを指名。
2001m以上のレースが少ない大井競馬だけに、騎手も様子を探りながらのレースをすることになりそう。
その状況ならば「まんまと逃げ切り」には要注意。
穴はオリオンザジャパン。
大井移籍後の成績はサッパリでも、本来は猛烈に差を詰めてくるタイプ。
“長距離戦は騎手の技量がモノを言う”面があるのならば、大井の帝王がいいところを見せてくれる可能性はあると思います!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。