
今週は北海道浦河町からの膝栗毛。
千歳空港での日曜日の昼過ぎの気温は6度でしたが、飛行機から降りた瞬間はそれほど寒さは感じないという印象。
やはり「北海道に行く」という心の準備があるから大丈夫というところがあるのでしょう。
これが自宅で「夜が明けたら気温が6度」となると、けっこうダメージを食らってしまいます。
晴れていてもそれほど強烈な陽射しではないという春先の北海道の空の下、レンタカーでレッツゴー。
日高自動車道を経て、もうおそらく100回は走っている国道235号線を南下すると、
国道と併走しているJR日高本線の線路が運転席からよく見えます。
大正期の創設から徐々に距離を伸ばし、昭和初期に様似まで開通した日高本線はまず、山の木を伐り出して輸送する役割を担い、
その木は建築材料としてはもちろん、苫小牧にある大きな製紙工場に運ばれて日本の発展に役立ちました。
そしてだんだんと木がなくなってきた大地は、牧場へと姿を変えます。
それとともに日高本線を走る貨物列車には、競走馬も積み込まれることになりました。
文字どおり、馬産地を走る大動脈として毎日変わらずに運行されてきた日高本線。
しかし2015年が明けてすぐ、いわゆる“爆弾低気圧”によって線路の路盤が削られたために鵡川から先の115kmが運休。
それでもしばらくすると静内から先の区間で運転が再開されましたが、波に削られる部分は徐々に大きくなってしまい、
2015年3月以降は列車が鵡川から先に行くことはなくなりました。
全線開業からおよそ80年。
それまでにも新冠川にかかる橋が流されたということはあったらしいですが、最近の破壊度はかなりのもの。
ここのところ台風が北海道に到達する回数がなんとなく増えている感じがしますし、これが「地球温暖化」の影響なのかもしれません。
いやしかし、国道を走るたびに破壊された線路を見るのは、じつに忍びないものがありますね。
2016年の夏の台風で流されてしまった慶能舞川橋梁は、
昨年の夏はぐにゃりと曲がったレールが放置されていましたが(波のパワーを実感しました……)、いつの間にかそれが撤去。
しかし落ちた橋は一部がそのままの状態になっています。
その橋の近くにある清畠駅に立ち寄ってみました。
一昨年の9月に通ったときは、駅前の家の住民たちが、浸水してしまった家財道具を天日干ししていました。
(写真:清畠駅付近の浮いた線路)
さっそく様子を見てみると、レールはあるものの、それを支える砂利がない部分がところどころ。
そこが徐々に広がっていくのかなと思いつつ、2つ先の大狩部駅に行ってみるとさらに厳しい状況になっていました。
(写真:大狩部駅から南を望む)
と、悲しい思いにはなるものの、私はじつは日高本線で様似まで行ったことは1回だけ。
そのほかには静内までが2回か3回、節婦までが1回、富川から苫小牧行きに乗ったことが2回……
しかないんですよね。
そして牧場に勤務する友人知人は「1回も乗ったことない」という人が大多数。
乗ったときの印象も、昼の列車は高校生か高齢者、ときどき旅人という感じで常にガラガラ。
貸し切りだったことも1回ありました。
でもまあ、実際のところはそれで仕方がないのでしょう。
大狩部駅では列車代行バスに遭遇しましたが、乗客は5名。
ここのところ高齢ドライバーの問題が議論されるケースが増えてきましたが、こういう場所では簡単な話ではないなと感じます。
(写真:JR日高線代行バス)
という線路状態ですから、JR北海道は日高門別駅から先の区間において、復旧を正式に断念。
しかしながら、現在でも「廃止」にはなっていません。
これはいろいろな理由があるようで、沿線自治体の同意が得られていないとか、廃止になると線路部分の土地の固定資産税額が変わるとか、
ほかにも細かい理由がある様子。
でも、個人的には現在のままの状態がベストのような気がしています。
そのいちばんの理由は、廃止になると地図から鉄道を示す黒い線が消えてしまうこと。
その線がなくなると、精神的な面においても過疎化が進むような気がするんですよね。
といっても、その代替として日高自動車道が近日中に厚賀まで延伸。
その先も新冠までジワジワと工事が進んでいます。
そんな風景を見ると、鉄道がなくなることへの抵抗感はなんとなくあっても、徐々に小さくなっていくのかなという気はします。
という寄り道を経て、こんどは静内にある場外馬券売場にレッツゴー。
(写真:Aiba静内)
日曜日の昼はJRAの全レースと、水沢と佐賀の全レースを発売していましたが、おおお、場内のモニターがみんなJRAじゃないのよ!
水沢と佐賀はどこでやってるのかとしばし探したら、座席の向きと反対の壁側でヒッソリと放映されておりました。
しかも音声がメチャメチャ小さい……
まあ、世の中の需要はそんなもんよね。
私もJRAの桜花賞を中心にけっこう買い、地方競馬は佐賀のル・プランタン賞をちょっとだけ。
馬券を買ったら今日の目的地である浦河まで移動開始。
もしJRAの馬券が当たっていても、日曜日に浦和に行けば払い戻せることを学習したから問題なし!
しかしJRAの馬券は全部ハズレてしまいました(涙)。
でもまだ佐賀が残っているぞ。
オッズを見ると1番と8番がメチャメチャ人気になっているけど、私の軸は10番のマイメン。
今日はノーホーラになってしまうのか?
とハラハラしつつレースを見ると、マイメンが圧勝したはいいけれど、3着争いがメチャメチャきわどい!
インの6番は持っていなくて外の1番だったらあるんだけど……スローVTRを見てもよくわからん!
ヒヤヒヤしながら待つことおよそ2分。
おお、ハナ差で1番が3着。
3連複の払い戻しは9750円!
これで今日の結果は黒字になりました。
大山真吾騎手、ありがとう。
これぞまさに起死回生の一発。
3連単にしとけば10万馬券だったんだけど、ゼータク言うのはやめときましょ。
(写真:起死回生の的中)
いや本当に、オールハズレと1コ的中はえらい違いですからね。
ブービー人気で2着に入った大井のアクアレジーナと瀧川寿希也騎手にもお礼を言わなければ。
さあ、その勢いのまま水曜日のマリーンカップに臨みますぞ!
◎7.アンジュデジール
○2.クイーンマンボ
▲9.ニシノラピート
アンジュデジールとクイーンマンボは負担重量が大きくても許容範囲で、この2頭の一騎打ちと判断。
ちょっと期待したいのは、たぶん少し速いペースで逃げてくれそうな的場文男騎手の妙技です!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。