
前回の「南関道中膝栗毛」は移動中に書いたもの。
その後、現在(6月17日)に至るまでに訪問した競馬場を北から順に挙げていくと、
●帯広
●門別
●川崎
●園田
●佐賀
となっておりまして、もうね、こういう行程で疲労が積み重なっていく状況になると、当たるものも当たらなくなるわけですよ!!!
ただこれは、移動の合間に日常業務もしているから睡眠時間が少なくなるという、個人的事情もあるから。
第2回目の「弾丸ツアー」においては、なるべくそのような状況におちいらないように頑張って臨もうと思います。
しかし先週の北海道は寒かった!
先々週は帯広で30度以上の最高気温を記録したという、そのことを頭に入れて着替えを持って行ったので、
それらがまったく役に立たなくてやんなっちゃいました。
北海道に上陸したら気温12度。
千歳と帯広の中間にある占冠(しむかっぷ)村にあった道路わきの温度計に表示されていたのはなんと「6度」。
これが正午すぎの気温ですから、北海道に「ナメてんのか」と怒られているような気さえしました。
仕方がないから量販店に行って長袖のシャツやらパーカーやらを買って、およそ1万円の予定外出費。
それを取り返そうと帯広競馬場で馬券を買ったら、ほとんど取り返すことにみごと成功!
……しかし翌日の門別でそれがほとんどなくなってしまいました。
門別競馬の3日間開催は、下級条件のレースが集中する初日、つまり火曜日は、予想がむずかしいレースが多いんだそうな。
と、競馬場近くの牧場の人に教えてもらいました。
うーん、いままでそんなこと考えたことなかった……。
その後もひたすらスパルタ攻撃で競馬場を巡っているものですから、もう数日前の記憶さえあやふや。
そんなわけで日曜日は高知競馬場に突撃です。
日曜日の高知競馬場のメインレースは「高知優駿」。
別名が“黒潮ダービー”となっておりまして、昨年からは地方全国交流という条件に。
そして1着賞金が500万円に増額されました。
つい6年前、2012年の高知優駿は、1着賞金が27万円。
ダービーを勝って27万円ですよ!
ですから、その当時のダービージョッキーに授与される進上金は、賞金の5%なので1万3500円。
ダービーはホースマンの夢とはよく聞きますし、お金がすべてではないことは承知していますけれども、
でもそれじゃあちょっとねえ……。
(高知競馬場)
そういう数字が設定されていたのは、馬券売上額が低かったことがすべての原因。
そのなかで高知競馬のホースマンたちのモチベーションが、よく崩壊しなかったものだと思います。
いや、なかには競馬業界を去った人もいたとは思いますが。
たしか2013年の秋、高知競馬場で取材をして、最終レース後にその日に行われた重賞を制した騎手を含めた何人かで食事に出かけたのですが、
その優勝騎手が「あ、そういえばオレって今日、重賞を勝ったんだった」と口にしたのです。
ちなみにその重賞レースの1着賞金は40万円。
南関東の最下級、C3の1着賞金の半分でした。
それがここ数年は一気に上昇。
ある騎手に聞くと「ぼくたちよりも、厩務員さんたちの目の色が変わったように思いますね」とのことでした。
なるほど、一所懸命に仕事をすることに対する見返りが大きくなるのなら、そりゃヤル気も出ますよね。
(昨年開業の高知・中西達也厩舎)
それでも厩務員不足は慢性化しているそうで、馬房には空きがあっても馬を増やせる余裕がない厩舎が多いとのこと。
もうすでに日本は人口減少社会へと向かっていますから、全国的な人材争奪合戦が本格化していくことになるのでしょう。
それは人口が多い南関東でも例外ではない様子。
もう20年以上も前になりますが、私の鉄道愛好家関係の知り合いが、1年だけ川崎競馬で厩務員をしていたのです。
その人の前職は一般企業のサラリーマン。
バブル崩壊の影響でその会社を退職せざるをえなくなり、川崎市のハローワークに貼られていた求人票を見て厩務員になったそうなのです。
その話を聞いたとき、とくに競馬好きでもないその人が厩務員になったことよりも、
ハローワークに厩務員募集の案内があることにビックリでした。
つい最近までは、JRA競馬学校の厩務員過程に入りたい人がたくさんいて、
しかし卒業してもトレセンからの募集がなかなか出ないために、私の知り合いには3年も民間牧場で働きながら“待機”していた人がいました。
でも最近はそんな状況にはなっていない様子。
うーむ、競馬業界の将来が心配だ!
しかし私がホースマンを志すのは年齢的にも体力的にも厳しそうなので、とにかく全国各地で馬券を買いまくるのみ。
京成盃グランドマイラーズも(自分の可能な範囲で)買いますよ!
◎3.ウェイトアンドシー
○1.キングガンズラング
▲8.オメガヴェンデッタ
△2.ムサシキングオー
△9.トロヴァオ
ウェイトアンドシーは9頭立てという条件は歓迎材料で、転入初戦から4連勝で重賞まで制したその勢いに期待。
キングガンズラングも4連勝中で、ここでも仕掛けのタイミングひとつで勝機が十分ありそうです。
オメガヴェンデッタは転入初戦から連続2着の実績なら、引き続き善戦以上が十分。
ムサシキングオーは再度のマイル戦なら今回も上位争いが可能。
穴には差し脚を長く使えるトロヴァオをマーク。
最近の成績はいまひとつでも、休み明け3走目での前進に警戒しておきます。
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。