コラム”

「船橋から大阪経由で鹿児島です」
2018年6月25日

岩手ダービーやら帯広やら佐賀やら高知優駿やらを経て、
先週火曜日は船橋競馬場にて「2018ヤングジョッキーズシリーズ」のトライアルラウンドを取材。
第2回目となる今年は、昨年からいくつか変更された点があります。

まず、12月27日(大井)と28日(中山)に行われる「ファイナルラウンド」への出場者は、
●トライアルラウンドに騎乗したときの着順に応じたポイント数の“良いほうから4レース分”の合計で順位が決まる
ということに。

昨年はポイントの合計を騎乗数で割った“平均点”でしたから、大敗してしまうとその影響もビッグ。
それが今年のルールでは、たとえ最下位に敗れても5回以上の騎乗機会があれば、それは「なかったことにできる」わけです。

実際、トライアルラウンド船橋で2戦とも9着だったJRAの井上敏樹騎手は「船橋はノーカウントで」と、苦笑いしていました。

もうひとつの変更点は、
●JRAの騎手は、自分でデザインした“騎手服”を着用する

昨年はJRAが用意した騎手服を使いまわしていましたが、そのデザインには大半の騎手が不平不満を口にしていました。

それに対応したのかどうかは不明ですが、今年はJRAから出場する20名の若手騎手は、自分の服で臨むことに。
そのデザインなのですが……、黒を基調にした騎手が多い!

これにはJRAの担当職員さんが、某ジョッキーに「任せきりにしたらダメでしょ」とお叱りを受けたとか。
デザインについてはJRAおよび地方競馬の規定にとらわれないものですが、
そのなかには某地方競馬の騎手の服にちょっと似ているデザインも。
そういったところを含めて、これから11月まで続いていくトライアルラウンドにぜひご注目ください。


トライアルラウンド船橋の騎手紹介式

(トライアルラウンド船橋の騎手紹介式)

というわけで火曜日は船橋競馬場に行ったものの、その後は積み重なった疲労でぐったり。
先週は木曜日から日曜日まで韓国に行くつもりだったのですが、往き倒れになりそうな予感すら感じる状況だったので、
自宅でおとなしくしていました。

その予感のとおり、先週末は重い頭痛がまったく取れず。
それを抱えたまま、日曜日は阪神競馬場に向かいました。
そしたら昨年よりもメチャメチャ混んでいる!!!

でも4コーナー寄りはわりと人口密度が低い感じ。
なんでゴール近辺だけがグチャ混みなのか、その理由はしばらく謎でしたが、第9レースあたりで判明しました。
それは、
【国歌斉唱が“関ジャニ”だから!】

私は仲間に取ってもらっていたゴール付近の一般席に座らせてもらいましたが、その後ろで層になって立っているお姉さん&オバサンは、
宝塚記念の本馬場入場が始まっても「あの馬キレイ」とか「あの馬暴れてるやん」などと話すばかり。
そして自分の位置から動かないものだから、馬券を買いに出たら戻るのが大変!

てか、その位置で動かないということは、馬券をまったく買っていないということですよね……

本馬場入場が終わり、国歌斉唱の時間。
ふつうならば観客は全員「ご起立」して、荘厳な雰囲気のなかで行われるはず。
しかし国歌斉唱が始まる前から、おびただしい数の「手」が見えたのです。
その景色は、まさに壮観!


国歌斉唱中

(国歌斉唱中)

でも関ジャニ目当ての人のなかには、レース中の雰囲気に何か感じた人もいた様子。
宝塚記念の表彰式が終わるとスタンド内の混雑度は半分以下になってしまいましたが、
これを機に競馬に興味を持つ人がいればいいなと思う次第です。

という私も用事があったために、最終レースは参加しないで退出。
そこで図らずも、スタンド内から関ジャニファンが一斉に消え去った理由を知ったのでした。
それは、
【関ジャニが出演する宝塚記念の回顧イベントを見るために、その人たちがパドックに移動していたから】

しかもそのイベントは、前方に陣取るためには整理券が必要というシステム。
こりゃおそらく、いわゆる普通の競馬ファンは見るのがむずかしいパターンだな……

さて、私が用事を済ませたあとに向かった先は、
「乗峯栄一さんの新刊発売を祝う会」


乗峯さんの新刊

(乗峯さんの新刊)

60名くらいの人たちが集まり、
グダグダに飲みながら乗峯さんの15年ぶりの新著「競馬妄想辞典~言いたいのはそこじゃない~」の完成をお祝いしました。
これは「週刊競馬ブック」に掲載されたコラムのなかから77本を選び、加筆修正をしてまとめたもの。
乗峯さんの深く、そしてやや偏った雑学知識と競馬とのコラボレーションが、読んだかたの人生を豊潤なものにしてくれると思います!


宝塚記念優勝騎手から胡蝶蘭の贈り物!

(宝塚記念優勝騎手から胡蝶蘭の贈り物!)

という楽しい宴会を終えて新大阪駅の近くで泊まり、私の現在地は鹿児島県。
そしたらなんと、数日ぶりに頭痛がしないではあーりませんか!!!

やっぱり100%フリーの状況で楽しいことがなくっちゃダメなのね。
そんなリフレッシュされた頭なら、今週の2つの重賞も当たるかも!?

まずは火曜日の優駿スプリントからいきましょう。

◎7.ヴィブラビ
○2.サンニコーラ
▲9.メモリーメンヒル
△13.オーサムロード
△15.ユニバーサルライト
△8.ミスターバッハ
△10.レベルスリー

と意気込んだものの、こりゃ混戦すぎてわけわからんですわ。
こういうときは流しちゃダメよ、ボックスですよ!

ちなみにワタクシ、宝塚記念は網打ち式のボックス馬券で的中させていただきました。
という勢いに乗って中心視するのは叩き2走目の上積みが見込めそうなヴィブラビ。
デビューから連勝した、その素質の発揮に期待します。

続いては帝王賞!

◎2.ケイティブレイブ
○4.ゴールドドリーム
▲9.アポロケンタッキー
△6.リッカルド

ケイティブレイブは昨年が“タナボタ”という感じの勝利。
そして秋のJBCは2着でしたが、今後も好位からの競馬をさせたいというような話が聞かれました。

しかし川崎記念とダイオライト記念は逃げ切り。
今となっては陣営、そして福永祐一騎手はおそらく
『スピードを出し惜しみするのはもったいない』という感じになっていると思うんですよ。
その状況で内枠を引いたら、これは鬼に金棒と考えるべき!

相手筆頭には堅実に差を詰めてくるゴールドドリームを指名。
大井コースは3着と7着ですが、ここ3戦の走りならそれほど気にしなくてもよさそうです。

アポロケンタッキーは超大型馬だけに、脚元をケアしながらの調整。
それでも崩れないとみて3番手にしますが、逆転までは厳しいような気がします。

4番手にはリッカルド。
4連勝の勢いは魅力でも時計的に劣勢というのは明らかですが、それでも相手なりに走れそうだから押さえたいところ。
この一戦が今後のモノサシになる面もありますから、どういう結果になるのか注目です!

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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