コラム”

「ご時世といいますか」
2018年10月8日

時代の流れは速さを増しているような感じがあるわけでして、その最たるものが情報化社会の進化。
ネットショッピングが定着したことによってリアル店舗の売れ行きが下がる反面、
気軽についウッカリと買い物ができてしまうためか、マーケット全体としては拡大している感じがします。
馬券もそうですね。

リアル店舗である競馬場や場外発売所での売り上げよりも、
SPAT4をはじめとした電話投票、ネット投票が充実したおかげでマーケットが大きくなっていますよね。
ケータイやスマホの普及があと数年遅かったら、
鬼籍入りした地方競馬はほかにもあったように思いますし、廃業した牧場もあったかもしれません。
そりゃそうですよ。
だって私が競馬=馬券を覚えたのは仙台市民だったころ。
馬券を買いに行くには片道1280円を払って福島駅まで行き、そこから30分歩いて福島競馬場に行くしかありませんでした。
つまり往復で2560円のマイナス。それが自宅とかでホイホイ買える状況だったら、そりゃ馬が走っていない日に福島まで行かないですよ!
しかしあの当時、我ながらアホだったなあ……。

会社員になってからもしばらくは電話投票の権利を持っていませんでしたから、馬券を買うイコール、紙の馬券を手にすること。
会社の帰りにはよく大井に突撃しましたし、オフト後楽園にもたまに行きました。
そういえば会社を退職する最終週、打ち合わせで文京区の会社に行った帰りにオフトに寄ったら「グリーンチャンネルに出てますよね」と、
知らないオッサンに言われてビビったなあ。上司が一緒じゃなくてよかった(汗)。

10月7日にオープンした大井競馬場のメガイルミネーション

(10月7日にオープンした大井競馬場のメガイルミネーション)

そのころ、つまり20年ほど前は混雑していた競馬場や場外発売所でしたが、徐々に来場者が減って売り上げも低下。
JRAの馬券発売額は1997年に4兆円を超えましたが、その後は10年もしないうちに6割程度まで減ってしまいました。
でもその後はネット投票の普及で経済規模が復活傾向。
しかし競馬場や場外に行く人は順調に減っているところです。
ウインズ後楽園では閉鎖されたフロアに宇宙のミュージアムが入り、さらにオフト後楽園が組み込まれることになりました。

私の先輩の某鉄道会社の幹部職員さんによると「山手線はそのうち、今の本数を維持するなら6両編成で足りる計算」になるそうです。
在宅勤務の人は増えていますし人口減少社会でもありますし、一笑に付せる話ではないのかも。
その一方で「定期券の発売枚数は増えている」とのこと。
昨今の経済状況で、契約社員から正社員になる人が増えたためではないかと分析しているそうです。
でも競馬業界は在宅の人が右肩上がり。
先週火曜日は晴天の船橋競馬場に行ってきましたが、場内の風景は先月、先々月の台風接近時とたいして変わらないような感じがしました(涙)。

火曜日の船橋競馬場

(火曜日の船橋競馬場)

その状況をどうにかしようと船橋競馬場ではいろいろと策を講じていますが、なかなか難しいものですね。
手ぶらで楽しめる「ハートビートバーベキュー」は3組ほど利用があった模様ですが、現状は苦戦ぎみという雰囲気です。
私も1回は利用してみたいと思っていますが、ひとり焼肉はちとサミシイ……

しかしこれから先は「どこかに行くのは疲れるしお金もかかるし」という消費マインドを持った人が増えてくるのは確実。
でもそこをなんとかして、競馬場の賑わいを維持したいものです。
騎手だって厩務員だって、観客が多ければ張り合いが出るというのが人情ってものでしょう?

それもあって私は、「競馬場に来て、パドックをナマで見た人だけにわかることがある」ということを提唱しているのです。
なかなか広まりませんけれど(汗)

実際、一昨年の平和賞では、パドックで異様に馬体が輝いていたスカイサーベルに魅力を感じて、
1番人気のマルヒロナッツオーと組み合わせて買ったら3連単が16万円もついてビックリ。
これは間違いなく、在宅投票では取れなかった馬券でした。

先週火曜日もその再現を狙って最終レースのパドックを凝視。
出走12頭から6頭に絞って3連複ボックスを買ってレースを見守ったら、ピンク色の帽子が好スタートから粘りそうな雰囲気。
「やめてそれ買ってない~~~」と願っても勘弁してくれるわけはなく、柏木騎手のキョウエイビーナス(6番人気)が2着に入ってハズレ。
4着のエンプレスダンス(7番人気)は持っていたのに~。柏木め!

レース直前になるとまあまあ賑やか

(レース直前になるとまあまあ賑やか)

でも、仮に7頭ボックスにしていたとしても、キョウエイビーナスはたぶん買い目に入れていなかったな。
35点買いにしなかったおかげで1500円儲かったと前向きに考えますか……
それでも現地にいればこそ、という考えは貫きたいところ。
ただ、水曜日の東京盃は大井に行けないのですよ。
その日はヤングジョッキーズシリーズが行われる名古屋競馬場に突撃するのです。
なのでナマでのパドック診断はできませんが、予想はキッチリとしますよ!

◎5.マテラスカイ
○4.キタサンミカヅキ
▲7.ネロ
△3.テーオーヘリオス
△14.グレイスフルリープ
△10.サクセスエナジー

いや~、本当はマテラスカイ以外の馬を本命にしたかったんですけれど、坂路でも動いているし、こりゃたぶん逆らえませんわ。
フランス帰りの武豊さんも、エコノミーシートに乗るわけじゃないだろうからなあ。
ということで相手探し。
凄みを増しつつあるキタサンミカヅキ、疲れは心配でもワンターンの舞台なら見直せるネロを上位に取ります。

続いては木曜日のレディスプレリュード。

◎14.クイーンマンボ
○9.プリンシアコメータ
▲6.アンジュデジール
△1.ワンミリオンス
△11.リエノテソーロ
△12.ブランシェクール

JRA所属馬に上昇の勢いが感じられる馬が少ないならば、昨年の覇者であるクイーンマンボが狙えそう。
プリンシアコメータは今回は逃げるであろうニシノラピートをマークする形が有利になるとみて対抗に据えます。
アンジュデジールは調子次第というところでしょうが、地力発揮なら勝機まで。
流れ込みが狙えそうなワンミリオンスも押さえます。
リエノテソーロは休み明けでも無視できない存在。
私の出資馬であるブランシェクールは前崩れの展開なら……と思うのですが、ちょっと厳しいかなあ。

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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