コラム”

「引退式」
2018年10月15日

先週の月曜日の体育の日は、千葉マリンスタジアムに行っておりました。
千葉ロッテマリーンズ対福岡ソフトバンクホークスの試合というわけで、南海時代からのホークスファンの私は当然……
というところでしたが、この日だけはマリーンズ側。
引退試合に臨む岡田幸文選手を見に行くことが目的だったので、1塁側に陣取ることにしたのです。

これはホークスファンから寝返ったわけではなくて、あくまでも特例。
試合中はニュートラルな気持ちで見ていましたが、周りは全員がロッテファンなので、攻撃中はいちおうロッテを応援……(笑)
そして試合はホークスが勝利。
でもヒーローインタビューは省略で、そのまま岡田選手の引退セレモニーが開始されました。
岡田選手は運動能力が高く、守備範囲がとてつもなく広いのが長所。
2010年にレギュラーシーズン3位だったロッテが中日ドラゴンズとの日本シリーズを制した要因のひとつには、
岡田選手が魅せてくれた数々のスーパープレイがあったからだと思います。
ラーラーララーララララララーラーラーララララ~♪
熱くハートを燃やせ~ オカダ!

岡田選手の応援歌

(岡田選手の応援歌)

と、私も熱く歌いましたよ。
ホークスファンですけど。
でもこういうときはそんなの関係なし!
みんなの想いに応えてくれたのか、岡田選手は3安打もしてくれて盛り上がりました。
となりで見ていたロッテファンの大久保くんは岡田選手の背番号入りユニフォームを着ている人なので、目がウルウル。
私もグッとくるものがありました。オカダ~!!!

その2日前は、ホークスの本多雄一選手の引退試合をテレビでアツく見ました。
でもこの時期になると、そういう話が多く出てくるのがツラいところですね。
私も以前、レギュラー番組を続けられるのか、それとも戦力外通告をされるのか、けっこう神経質になっていた時期がありましたから……
だから“引退”できるのは幸せなこと。
プロスポーツの世界において、自分のことを他人ではなく自分で決められるのは、実力と実績があったことの証だと思います。

最後の盗塁成功

(最後の盗塁成功)

しかし同じプロスポーツでも、いわゆる公営競技はあまりそういうことがないような気がします。
競馬だと騎手を引退する人の多くは「調教師試験に受かったので」とか「体の問題で……」というケースが多い印象があります。
騎手は主催者と雇用関係がないのだから、そりゃそういうことになりますよね。
地方競馬では“2年間で騎乗回数が60回未満だと騎手免許を更新できない”という規定くらいしかありません。
つまりそれが「戦力外通告」ということになるのでしょう。

とはいえ、活躍していたのにいつの間にか引退していた騎手って、けっこう多いんですよね。
ここ1~2年だと、金沢の桑野等騎手(2218勝)とか高知の三村展久騎手(920勝)とか。
ちなみに三村騎手は、引退前に高知競馬から告知がされたものの、本人の意向で引退式を行いませんでした。

三村展久元騎手

(三村展久元騎手)

このあたりはプロ野球などとは違い、“免許”がある競技ゆえの特性かもしれませんね。
また、騎手にはその競技に関するセカンドキャリアが豊富にある点も野球とは違うところ。
そう考えると、騎手試験に受かる人がもっと増えてもいいような気がします。

でもいわゆるベテランジョッキーのなかには、この先の人生設計をどうしようかと思い悩んでいる人も多いのです。
何歳まで乗るか、決めるのは自分ですからね。
その意味では「戦力外通告」や「定年」があるほうが気持ち的に楽かもしれません。

某競馬場の40代の某騎手は、せっかくだから引退するまでに一度は海外で乗ってみたいと情報を収集中。
その候補にはインドも入っているそうです。
ちなみにコルカタ競馬だと、真ん中あたりのクラスで1着賞金が15万ルピー(=約24万円)、つまり進上金が1万6千円前後。
インドで暮らすなら十分すぎる金額だと思いますが、どうなんでしょうね……
(コルカタの地下鉄の初乗り運賃は5ルピー=約8円。私が行ったまあまあまともなインド料理店は、いろいろ頼んで200円くらいでした)。

もちろん、大きなケガや減量苦がなければ、2年間で60騎乗以上という規定を下回らず、毎年の更新試験をパスできれば騎手を続けることが可能。
現在は30年前あたりに比べると騎手の数が少なくなりましたから、それも大ベテランが騎手を続けられることにつながっているのかもしれません。
しかし川崎の“還暦ジョッキー”森下博騎手は、7月20日から騎乗ゼロ。
もうひとりの還暦ジョッキー、石崎隆之騎手も7月17日から騎乗していないとは!

うーむ、的場文男騎手のスゴさが改めてわかる話ですね。
ちなみに今年の鎌倉記念に騎乗する騎手の最年長は、北海道の五十嵐冬樹騎手(1975年生まれ=43歳)となっております。

◎10.ルマーカーブル
○2.ミューチャリー
▲13.カネトシテッキン
△7.リンゾウチャネル
△6.グラビテーション
△3.ヒカリオーソ
穴4.リンノレジェンド

鎌倉記念の過去5年の成績を見て、まず目につくのが、【ゼッケン番号が2ケタの馬が3着以内に1~2頭入っている】という件。
続いて【南関東の○○特別またはそれに準ずる名前のレースで3着以内に入っていた馬が1頭だけ連対している】となると、
軸には前走が門別でゼッケン10番のルマーカーブルが適任ということでよいのでは?
あとは適宜、南関東所属の該当馬に流しまして、
先週のレディスプレリュードでわが出資馬のブランシェクールを2着に連れてきてくれた吉原寛人騎手が乗るリンノレジェンドまで押さえます。

ところで鎌倉記念の日ですが、私はメットライフドームに行く予定。
しかしそれは10月15日(月)のクライマックスシリーズ・ファーストステージでの、福岡ソフトバンクホークスの結果次第なんですよね……
こういうとき前売り券を買うのはリスクがあるってことを、完全に忘れていましたわ!

月曜日にホークスが勝ってくれないと!

(月曜日にホークスが勝ってくれないと!)

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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