コラム”

「最近の若者は、という話」
2018年10月22日

先週は火曜日に川崎競馬場に行ってきまして、4戦1勝という結果でした。
川崎競馬場に行ったのはヤングジョッキーズシリーズの取材のため。
しかしこれ、新企画としてスタートした昨年の後半から感じているんですけど、わりと順当におさまるケースが多いのよね!?

川崎でも第1戦が1→4→2番人気の順で入線。第2戦はゴール前が4頭の争いできわどくなりましたが、2→7→1番人気の順でした。
井上オークス先生が開発した「騎手交流戦は単勝全部買い」を実行していたら大損害になっていましたわ。
これは個人的に思うに、最近の若者気質といいますか、つまり“冒険したがらない”というところが出ているような気がするんですよ。

たとえば新社会人にアンケートを取ってみると「出世よりも安定」みたいな結果が出る昨今のように。
川崎の2戦が両方とも先行争いがわりとすぐに終わったところからも、そんな雰囲気が感じられました。
今年の東日本地区は、単勝1番人気馬の3着内率が100%。
各騎手を見ても「一発やったろうか」的なギラギラ感は雰囲気的になく、
1コーナーの位置取りのまま4コーナーまで行くというレースがほとんどになっている気がします。

ヤングジョッキーズシリーズ出場騎手紹介

(ヤングジョッキーズシリーズ出場騎手紹介)

例外なのが、地元騎手でさえコレという乗りかたがわからないという高知競馬場。
第1戦は12→11→1番人気の順で入って3連単は129万8950円。
第2戦は12頭立ての11番人気馬が単勝24.2倍という恐ろしく割れたオッズになり、そして結果は10→3→5番人気の順。
しかし3連単はたったの547倍でした。

あとは金沢の第2戦で3連単10万馬券が出たくらいで、そのほかはわりと、想定内の展開で想定内の結果という感じです。
若者らしいドカ逃げとか若者らしい大マクリとかは、このあとも見られることはなさげかなあ。
というか正直な話、これならヤングジョッキーズシリーズは隔年開催でいいと思いますよ。個人的には。

企画したほうもそこが気になっていたのでしょう。
ポイントの配分を昨年と変えたのは、各騎手に勝ちを狙うレースをしてもらいたいからだと思います。
昨年は1着が20ポイントでしたが、今年は30ポイント。
だから勝たないとファイナルラウンド進出はむずかしくなるのですが、
昔にくらべると“ピンかパーかを狙う騎手がいてレースが壊れた”というケースは減ったように感じます。

私が思うに、この大きな要因はズバリ、スマホの普及。
以前はレース映像を手軽に見られませんでしたから、出たとこ勝負になることが多々。
それが今は、騎乗予定馬のレース映像をデビュー戦から見るのも簡単。
となると、全員が“この馬はこんな感じかな”というのを頭に入れて臨めますから、
それが“思い切ってやってみよう”という意識を減らしている気がするのです。
とはいえ、自分が騎手の立場だったら「うまく前のほうに行って、ドカ負けしないようにしよう」と考えるかもしれないですけど……
でも11月21日に行われるトライアルラウンド浦和は、バチバチした戦いが見られそう。
ポイント数が現在のところ第2位の山本咲希到騎手(北海道)は、
もし吉井章騎手(大井)と落合玄太騎手(北海道)が1勝ずつを挙げると、第4位に落ちる可能性が高くなります。

昨年のトライアルラウンドで、レース後に得点状況をいちばん気にしていたのが山本騎手。
今年は3位以内に入るべく、気合の騎乗を見せてくれることでしょう。
もう一人、カギを握っているのが、現在のところ東日本地区で1位の櫻井光輔騎手(川崎)。
櫻井騎手が地方競馬全体で1位の得点を挙げると、東日本地区から4人がファイナルに進出できることになります。
という櫻井騎手を応援するかのように、ピンクの大先輩、内田利雄騎手が川崎競馬場に登場。
櫻井騎手のピンクは内田騎手より暗い感じですね。
次に新調するときは、もうすこし蛍光色を入れるといいかも!

ピンクな2名がそろい踏み

(ピンクな2名がそろい踏み)

その川崎競馬場では、100%遊びで来ていた鈴木麻優元騎手に遭遇(1枚目の写真を参照)。
もろもろの取材を終えたあと、ともに最終レースで戦いました。
しかし私はこのときかなりの体調不良。
なんだか熱っぽくて頭がフラフラ~それでもパドック診断で2頭をチョイス。
そこから3連単2頭軸マルチで勝負すると、

惜しい馬券

(惜しい馬券)

3着がヌケました(涙)
その3着馬はパドックの第一印象がもっともよかった馬(2番人気)。
でも新聞を見て、力量的に劣勢かなと思って相手から外したのです。
10頭立ての3番人気と5番人気を軸にして、それがワンツーを決めてくれたのに、なんともったいないことか(3連単は312.3倍)。
スズキマユの「内田さんの馬(9番)がよさそう」という声に惑わされた自分にも腹が立つ!!!
(ちなみに最下位)

そのくやしさを翌日の野球観戦で晴らし、その翌日は笠松競馬場に突撃。
しかしさすがに疲労が大きかったらしく、的中ゼロで終了でした。
断然人気のサムライドライブの単勝までハズレるとは……。
でもこれも、知らず知らずのうちに“先入観”があったことが敗因なのでしょうなあ。
水曜日の埼玉新聞栄冠賞は、イチかバチかの予想にしてみようかしら。

◎7.クラージュドール
○6.ヤマノファイト
△1.ナンヨーマーク
△5.トキノエクセレント
△10.キスミープリンス
穴11.グルームアイランド

このレースには「2走前までに○○記念で4着以内に入っていた馬が1頭だけ連対する」という鉄板データがあったのに、
今年は○○記念出走馬が2頭しかいなくて、しかも12着と13着ですか。
じゃあ、先着したクラージュドールに期待しましょう。
鞍上の庄司大輔騎手はあまり目立たない成績ですが、意外と勝率と連対率がいいのですよ。
今は亡き上山競馬場(山形県)から移籍して15年。
一昨年の優勝騎手、熊本県の荒尾競馬場から移籍した西村栄喜騎手に続く勝利を期待しましょう。

ヤマノファイトはおそらく断然人気になると思いますが、休み明けで58kgは心配材料。
でもあっさり逃げ切る可能性もありそう。
流れ込みが狙えそうなナンヨーマークが3番手。
あとは大マクリが狙えそうなトキノエクセレントとキスミープリンスの10歳馬コンビに警戒しておきます。
グルームアイランドは実力的に無視できないのですが、ノドの心配と馬体重が減少傾向にある点を考慮して押さえまで。

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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