
今年のJBCは京都競馬場で開催。
JBCは11月3日の祝日に実施されるのが基本ですが、その日が土曜日だとJRAの開催と重なるわけで、その年は平日に開催されていました。
ただ、それができるのはナイター開催が可能なところ。
そういった点を含めて検討された結果、第18回JBCはJRA京都競馬場にて開催されるということになりました。
しかしながら、主催がJRAになったことで、地方競馬からの出走馬は例年よりも少なくなることに。
それでもJBCスプリントに4頭、JBCクラシックに3頭、JBCレディスクラシックには4頭の地方所属馬が集まりました。
そして私の友人知人も京都競馬場にたくさん遠征。
京都競馬場ではディアマルコの熱烈なファンにも遭遇しました。
京都にも遠征ですか!
「違いますよ。僕はこの辺に住んでいるんです」そうなんですかマジですか。
その人とは福山とか高知とか名古屋とかでしか会ったことがなかったもので、
てっきり地方競馬がある都市の住民だと思っていましたわ。
「今日、パドックに張った佐原騎手の応援幕は、福山競馬場に張ってあったものなんですよ」おお、スタンド2階の鉄柵にあったアレですか!
京都競馬場には佐原秀泰騎手の嫁になった元騎手の下村瑠衣さんも来ていたようで、前半のレースでけっこうな配当の馬券を取ったという情報。
しかしレディスクラシックに出走するディアマルコは、大井のジュエルクイーン、ラインハートからちょっと離れた最低人気でした。
まあ、投じられた金額のほとんど全部が応援馬券だろうからなあ。
しかしディアマルコ本人にとっては、そんなの関係ない話。
パドックで私の近くからは「かわいい~」という声が、複数の方向から聞こえてきました。
私もディアマルコの写真は撮りましたよ。
だって高知所属馬がJRAのレースに出るのって、2014年にチューリップ賞に出たクロスオーバー以来。
古馬重賞になると、むむむ、ちょっと記憶にないぞ。
もしかしたら初めてだったりして???
(流し目佐原騎手)
しかしながら、私の視線が多く注がれたのはブランシェクール。
なんてったって、いわゆる一口馬主を始めてから、私の出資馬がG1級のレースに出るのは初めてなのですよ!
ついでにJRAの重賞レースに出走するのも初めて。
苦節20年、どれだけハズレを引いてきたのでしょう。
もう涙がちょちょぎれですよ。
パドックに出走馬が入ってきた当初のブランシェクールの単勝オッズは28倍あたり。
しかしまあ前売りで穴馬の単勝を買っているのは、だいたいが儲けとかあまり考えない人ですからね。
したがってオッズ表示が更新されるたびにその数字は大きくなっていき、最終的には52.9倍になってしまいました。
(ブランシェクール)
でも個人的には、むしろよく売れたなあという印象。
ブランシェクールはパワーが必要な馬場状態とか展開になって、
ほかの馬が苦しくなったときに相対的に浮上するというタイプだと思っているので、京都競馬場は合わなさげ。
なので馬券の対象として考えていなかったのですが、買っちゃいましたよ、記念馬券を。
(応援馬券ですが単価が高い)
これを買った理由は、入場門からすぐのところで、JBCの馬券を500円以上提示すると抽選会に参加できるイベントをしていたため。
というか、それに気づいたのはSPAT4のおかげなのですよ。
入場門を通過したらSPAT4のパンフレットが入ったビニール袋を渡されそうになったとき、その向こうにあるSPAT4のテントが目に入ったのです。
抽選会の会場はそのすぐ横。
参加手段を確認したとき「今から3時間後の馬券か……」と思いましたよ。
でも縁起物だから参加しておくかと馬券売場に向かい、応援馬券を買って戻ってきたという次第。
しかし得られたものは、参加賞のキットカット1個と来年のJBCのパンフレットだけでした。
そこそこの距離を歩いて、さらにお金も使ったのに~。
ホント、苦労って報われないことのほうが多いのね。
というか、欲を出して参加した抽選会では、いいことって基本的にないですよね(涙)。
(SPAT4のテントと抽選会場)
そんなこんなでJBCは無事に終わりましたが、
JRAしかやらない人のカレンダーに刻まれていないイレギュラーなG1だったわりには、上々の結果だったのではないかしら?
先週の天皇賞(秋)の売上は183億円でしたが、
JBCスプリントが39億、クラシックが75億、レディスクラシックが42億なら、合計すればJRAのG1に近い数字(昨年12月のチャンピオンズカップは141億円)。
2011年に東京競馬場で行われた南部杯が70億円でしたから、それとの比較でも今回の試みは成功したと考えていいと思います。
京都競馬場で実施した目的のひとつである「JBCの認知度をもっと上げること」にもつながったのではないでしょうか。
もしそうならとても喜ばしいですが、同時に心配がひとつ。来年のJBCは浦和競馬場。
浦和に2万人くらいが押し寄せたら、はたしてちゃんと収容できるのか???
ちなみに昨年の大井は、祝日昼間開催で2万8千人。
その点がちょっと心配ですが、競馬場に来る人が減ってきた昨今、ぐちゃ混みになるくらいでちょうどいいのかも!?
一昨年の川崎開催はローレル賞を最終レースに組んで、重賞4本立てにしていました。
しかし浦和には2歳重賞がないのよね。
来年はどういうレース構成にするのか、楽しみにしたいと思います。
今週水曜日の平和賞は、船橋でJBCが行われた2010年は、JBCの次のレースとして実施されました。
その年の優勝馬はヴァインバッハで、平和賞が通算での初勝利。もしかしたらそういう馬にも要注意?
◎5.トーセンアイアン
○12.トーセンガーネット
▲9.ヒカリオーソ
△14.リュウノボサノバ
△11.ハルディネロ
△7.アギト
穴10.カジノフォンテン
……さすがに未勝利馬では、今年のメンバーでは厳しそう。
中心には、ここまで4戦4連対のトーセンアイアンを指名します。
父のトーセンモナークはヴィクトワールピサの兄で、アグネスタキオン産駒。
今年の2歳は4頭だけの模様ですが、ここで大物が出るのかも?
トーセンガーネットは前走が失格でしたが(レースの10日以上前に治療で使った薬の成分が体内に残っていたため)、レース自体は完勝。
ここでもそのスピードには注目できそうです。
ヒカリオーソは今回も先手主張が叶えば粘り込みがありそう。
リュウノボサノバは距離延長に対応できるとみて連下の筆頭に押さえます。
連勝中のハルディネロにも要マーク。
アギトはひと押し不足の成績ですが、しぶとさに警戒して連下に押さえます。
大穴は船橋で活躍したジーナフォンテンの仔、カジノフォンテン。
一昨年は同じく栗毛のスカイサーベル(7番人気)が優勝して波乱になって、その馬券を取りましたから!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。