コラム”

「予想と馬券はベツモノでした」
2018年11月26日

「すぱっと的中大作戦!」の浦和記念編、私の予想が当たったんですよ!
先週の「南関道中」にも書きましたが、過去10年間における浦和記念の不思議な共通点はコレでした。

【5走前までに、地方競馬の奇数100mのレースで3着以内に入ったことがある馬が、1頭だけ連対する】

今年の出走馬のなかで、それに該当するのは6頭いました。
●アポロケンタッキー=5走前に2100mの川崎記念で2着
●ガリバルディ=2走前に芝1700mの盛岡・OROカップで3着
●グリム=前走が2100mの白山大賞典で1着
あと、埼玉新聞栄冠賞で3着以内に入った3頭。

そして結果は、
1着 オールブラッシュ=過去5走とも偶数100mのレースに出走
2着 グリム=バリバリの該当馬
3着 クリソライト=4走前に1900mの平安Sで2着も、JRAのレースだから該当せず。

完璧じゃないですか!!!
しかしですよ。
クリソライトから流した私の馬券は的中ゼロ。
データに該当しない馬から該当馬に流す、という作戦は正解でしたが、その選択肢を間違えました。

本命をクリソライトに決め打ちしないで、オールブラッシュとの2本立てにしておけばよかった……(涙)
それか、断然の1番人気のグリムは2着以内に絶対入るという前提にしておけばよかったんですよね。
そうなると相手はオールブラッシュかクリソライトに絞れるわけですから。
いや本当にもったいないという言葉以外、出てきません。
総論が正解で各論がハズレというのは悲しいですよ。
じゃあ、これを来年も利用すればいいとは思うのですが、
でも来年の浦和記念はJBC浦和開催のあとに行われるので、この小ネタは通用しないような気が。
これで「いや、私は小ネタのおかげで当たりましたよ」というかたがいらっしゃれば救われるのですが。

ところで、私が浦和記念の馬券を買った場所は、神宮球場近くのマクドナルド。
じつはわたくし、浦和記念が木曜日にあると思い込んでいて、
レース当日はヤクルトスワローズのファン感謝イベントの入場券を、仲間の分も含めて買ってしまっていたのでした。

浦和記念の日の神宮球場

(浦和記念の日の神宮球場)

だから逆にマシだったんですよ。
これで現場に行って、苦労して見つけた小ネタが当たっているのに馬券はハズレるという大惨事を、臨場感たっぷりに経験せずに済んで。
これ、現場にいたら間違いなく悶絶死していますよ。
その点は前向きに考えつつ、今回の件に関しては「思い込みは大切だけれど、思い込むのもよくない」という教訓にしたいと思います。

しかし改めて、過去のデータは大切ですな。
「歴史に学べ」とはまさにこのことかと感じます。
さあ、気を取り直して、今週の2つの重賞を検討しますよ!

つば九郎も乾杯

(つば九郎も乾杯)

火曜日のローレル賞は2歳牝馬の重賞。
以前はときどき、北海道からの遠征馬が1コーナーをうまく曲がれずレースが破壊されることがありましたが、最近はそれほどでもない印象。
それでもこの点に関しては注意が必要で、北海道所属の某騎手によると、「坂路は乗りやすくて、馬も周回コースより楽に制御できるんですよ。
だからなのか、門別に入厩してから坂路だけで調教する厩舎があるんです。
なかには初めて馬場で走るのが2歳春のゲート練習という馬も。
そういう馬がときどき、レースで3コーナーを曲がらないことがあるんです」

北海道の育成場に東南アジアからの助っ人が増えている現状ですから、競馬場も人手不足になるのは自然のなりゆき。
そして従業員の平均年齢は、1年におおむね1つ増加しています。
私も育成場ではない坂路で馬に乗ったことがありますが、終点付近に来ると馬が自分からスピードを落としてくれるんですよね。
そんな話を聞かされて、まして左回りで急カーブの川崎競馬場。遠征馬は大丈夫なのか……?

と思ったら、今年の3頭はぜんぶ角川秀樹厩舎ですか。
ならばその心配は必要なさそう。
北海道のリーディングは田中淳司厩舎ですが、角川厩舎も第3位にダブルスコアをつける勝ち星を記録している名門厩舎。
ローレル賞も好相性で、3年前の優勝馬モダンウーマン、一昨年の優勝馬アップトゥユーが角川厩舎。
昨年3着のストロングハートも角川厩舎で、その3頭はグランド牧場のオーナーブリーディングホース。
となると、今年もグランド牧場のグレイアンジェラに期待できるかも!

しかし3戦3勝、それが全部圧勝のホウショウレイルはかなりの強敵。
重心が低くて力強いピッチ走法からは、完成度の高さが感じられます。
ホウショウレイルは様似町の清水スタッドで誕生。最近になって知ったんですけど、北海道の様似町では石灰岩が産出されているのです。
様似の某牧場で敷地内から湧いている水を飲んでみたらカルシウムっぽくって、その水をすくった手は、乾いたら粉っぽくなりました。
それを毎日飲んでいたら、そりゃ骨が丈夫になりますわ。
様似産の馬は地理的な不利があるためか、ほかの地域に比べると注目度が低いのは確か。
となると、ホンモノ馬主のみなさまにとっては穴っぽい場所といえるかもしれません!

◎11.ホウショウレイル
○12.グレイアンジェラ
△7.アークヴィグラス
△2.ダバイダバイ

ローレル賞のシルシは4頭に集約。
メンバー的にハイペースになりそうで、ホウショウレイルを追いかけた馬たちが苦しくなったところに後方からの馬が台頭してくる……
という前提で考えてみました。

続いては水曜日のロジータ記念。
今年は賞金額が昨年より増えましたが、メンバーは例年より小粒という印象。
このレースは7年連続で「2走前が大井の重賞」だった馬が勝利しているのに、今年はそれがミスマンマミーアだけ……

◎8.ミスマンマミーア
○10.クレイジーアクセル
▲12.ゴールドパテック
△11.タオルデスカーフ
△4.ファーストスキップ
穴2.ハーキマーダイヤ

ならば軸不動でいいでしょう。
相手は戸塚記念3着のクレイジーアクセル、トライアル戦勝利のゴールドパテックが筆頭格で、スタミナがあるタオルデスカーフにも要警戒。
連勝中のファーストスキップ、10月初旬からこのレースを視野に入れていたという、金沢のハーキマーダイヤも押さえます。

ちなみにタオルデスカーフは、生産牧場の山際辰夫さんが初めてJRAの馬主資格を取って持った馬。
馬名は、山際さんがいつも首にタオルを掛けているという。
その姿が由来です。
となると、レース当日はスーツ姿にタオルという姿で川崎競馬場に来るのかな?

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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