
いろいろと事情がありまして、出発1週間前に航空券を買いました。
行先は香港とマカオ。
ということで羽田空港から飛行機に乗って香港空港に到着し、10月にできたばかりの香港とマカオをつなぐ高速道路をバスで通ってマカオに上陸。
さっそくマカオのタイパ競馬場で短期免許を取得している、今春まで船橋競馬場所属だった中野省吾騎手の様子を見に行ってきました。
12月現在、マカオでライセンスを持っている騎手は16名。
フルゲートは12頭でも少頭数の競馬が多く、それで開催日数が週に1日または2日で、1日あたりのレース数が6つ。
それだと騎乗数を確保するのがなかなか難しそうなわけで、中野騎手も12月7日(金)、8日(土)ともに、騎乗数は3つずつでした。
(中野騎手だけ漢字4文字)
ちなみに今月末までの開催日は、14日(金)、28日(金)、30日(日)。
1か月に5日間しか開催しないというスケジュールですから、中野騎手はかなりヒマなのでは?
それについて本人がどう思っているのか、そこはよくわからないのですが、10年ほど前にマカオで短期免許を取得した岡部誠騎手は
「時間が余りすぎて、仕方がないから競馬場の周りを走ったりしていましたね」と話していました。
ちなみに厩舎数も16。競馬場全体の在厩頭数もそれほど多くなさそうです。
さて、現在の中野騎手の成績ですが、今年の9月に今シーズンが始まって、11月末までの時点で44戦2勝、2着3回、3着4回で第9位。
ちなみに1位のマイア騎手は19勝で、2位のコラレス騎手は16勝ですから、ちょっと厳しい感が否めません。
大丈夫なのか、中野省吾!?
(中野騎手ファイト!)
でもパドックでの表情は以前と変わらない感じで、元気にやっている様子。
彼に高い騎乗技術があるのは分かっていますから、こちらは中野省吾馬券を買いますか!
しかし2年ぶりのマカオ競馬ですから、まずはマークカードの塗りかたをお勉強。
マカオのマークカードは長方形で、そのなかに塗っちゃいけないところと塗らなきゃいけない項目がある、客にやさしくない構造なんですよ。
(塗りかたの説明書はあるけどややこしい)
第1レースは7頭立てで、中野騎手は騎乗なし。
パドックを見たらすぐに実質4頭立てであることが判明したので、雰囲気がよかった九天神駒を1着固定にしての3連単を買うことに決定。
それを塗って窓口に出したら、余計なところを1か所塗っていたようで、塗り直せと命令されました。
しかしマカオ競馬は客があまりに少ないために、スタンドの窓口は3か所だけ。
だからその少ない客が集中するわけですよ。
それであえなく締め切られ、あっさり九天神駒が勝利。
実質4頭立ての4頭が4着以内を独占して、3連単の配当は89.1倍でした。
こんなチョロイ馬券を塗り間違いで逃すとは……
(相変わらず客が少ない)
続く第2レースは中野騎手が騎乗。
しかし成績的に微妙な馬で、パドックで見た馬体もビミョー。
最終的には12頭立ての11番人気で、それでも6着に健闘しました。
レースを見ると、中野騎手の騎乗姿勢だけがとても低くて、ほかの騎手とは明らかに違う乗りかたをしていました。
マカオの騎手は通年ライセンスの所持者が10名で、短期免許が6名。
マカオ人は1人だけで、あとは香港、フィリピン、パナマ、ブラジルなどから流れてきた人たちという構成となっていまして、
騎乗技術のレベルとしては、まあそのなんというか、アレですよ。
そのなかに入れば中野騎手は間違いなく互角以上だと思うんですけれどねえ。
いろいろとむずかしいところがあるのかしら。
しかし中野騎手は続く第3レースで、10頭立て6番人気の馬に乗って3着に入線!
最内枠からうまく立ち回った騎乗は、まさに技あり。惜しむらくは、そのすばらしい騎乗に私が応えられなかったことでしょうか。
4.5倍の複勝しか当たりませんでした。
138.1倍の3連単、あれは取れましたわ(涙)。
中野騎手の3クラ目の第5レースは、6頭立て6番人気馬で5着。
全体的にみると、騎乗馬の質がイマイチのようです。
翌日の土曜日は、第1レースで8頭立て4番人気馬で3着。
これは複勝とワイドを取りました(喜)。
(パドックでの中野騎手)
しかしそのあとの2クラは、人気薄でブービーまたは最下位という結果。
この2日間で勝つところを見られるかなと期待していましたが、現実は厳しいということを目の当たりにしてしまいました。
中野騎手のマカオでのライセンスは来年2月末日まで。
そのあと延長するのかどうか、それは分かりませんが、その才能を花開かせてもらいたいものです。
しかし私ったら不甲斐なし。
中野騎手が3着に2回も入ってくれたのに3連単を1回も取れないというのは、ちょっとアンタ、買いかたヘタすぎ!
今に始まった話ではないにしても、決断力不足だったなと反省しました。
せっかくの遠征競馬なのだから、もっと大胆に行かなくては。
いや、普段も大胆にいかなきゃダメですよね。
今回の旅で得たその思いを、今後の指針にしたいと思います。
さっそく水曜日のクイーン賞でそれを実践しようではあーりませんか。
11頭立てだし、ここは選択と集中で大胆に。
しかし出馬表を見て初めて、私の出資馬であるブランシェクールが出ていることを知りました(汗)。
◎9.プリンシアコメータ
○3.ブランシェクール
△10.サルサディオーネ
△7.アイアンテーラー
ブランシェクールは左回りで勝利なし、内枠もいまひとつ。
そんな成績なんですけど、こんなに逃げ馬がたくさんいるメンバー構成なら展開的に恵まれそう。
川崎のスパーキングレディーカップで1番枠が災いして最後方からになって、
しかし直線だけで5着に進出したという、その脚を再現できればチャンスがあるかも!
でも本命には、ブランシェクールが最近では1回も先着してない、プリンシアコメータにします。
馬券の種類は馬連ワイド複勝で。単勝は100円だけでいいかしら。
ちなみに私の現在地は、台湾の台中市。
水曜日は成田空港から船橋競馬場に突撃します!!!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。