コラム”

「はじめてのウッカリミス」
2018年12月17日

先週も書きましたが、もともと今年は12月の香港国際競走に行かないつもりでした。
それがゆえあって出発の一週間前に航空券を取ったもので、2万円弱で往復した昨年よりも飛行機代が高め。
ならばキッチリと黒字決算を果たそうと乗り込んだのですが、マカオ競馬ではイマイチという結果でした。
よおし、それなら日曜日の香港で巻き返そうと誓い、香港島行きの船に乗ったのでした。
過去3年は190ドル(約3000円)のクラブエリアに入りましたが、今年は10ドルの一般席。
昨年、場内を歩いたときに、一般席には余裕があると気が付いたのです。
香港の競馬場も入場人員が減少傾向にあるのかしら?
そういうわけで、今年は地元のオヤジたちと同じ列に並んで入場。
と思ったら入口に「香港以外のパスポート所持者は入場無料」と表示されているではありませんか。
やった、10ドル儲かった!

意外とすいている残り200m付近

(意外とすいている残り200m付近)

入場口のところで香港国際競走の帽子をもらうと、第1レースが始まるところ。
一般戦の芝1400mで、今年の芝のコンディションをチェックしようとスタンドで見たら、
大外枠のスタートから最後方を進んでいた岩田康誠騎手騎乗のスマートシャレード(香港馬)が、3コーナーあたりから一気に加速して差し切り勝ち。
香港の短距離戦で最後方から大外一気で勝つなんて、あたしゃ初めて見ましたよ!
その配当は、単勝が22.25倍で、複勝が5.7倍。3連複が668.4倍で、4連単が79939.9倍!
岩田騎手を1着固定にして、2着から4着まで総流し(1716点)にしたら、日本風に言うと799万馬券が取れたってことですか。
1ドル単位で買っても払い戻しは79939ドル90セントだから、払い戻しはおよそ120万円!
第1レースで黒字を確定させた日本人も多かったのではないかしら?

でも私はきっと買えなかっただろうなあ。
そう思えたので、さして悔しくもなく食堂で朝食。
食べ終えてパドックに向かうと大阪在住の知人と遭遇したので馬券の買いかたを指導してあげると、
その人がいきなり110倍の馬連を50ドルも的中したではないですか。
いかん、自分もキッチリと当てなくては!

続く第4レースは国際競走の香港ヴァーズ。
ここはリスグラシューを信じて単勝を中心に購入。
そして残り100mで「もらった~!」と確信するも、香港馬に差し返されてまさかの2着。
17.55倍の馬連は当たったけれど、単勝をハズしたのは痛すぎる……
気を取り直して第5レースはスプリント。
日本から出走したファインニードルは、ゲートが大外12番。
その時点で上位に入る可能性はゼロと踏んで、ここは香港馬で勝負。
結果は予想通りで3連複が当たりましたが、36.4倍ではちと微妙。

立ち回りがうまくいかず

(立ち回りがうまくいかず)

この流れのままではイカンと危機感を覚えつつ、第7レース、香港マイルのパドックへと向かいました。
すると地元のオジサンから「私、ペルシアンナイトを狙っているんだけど」と話しかけられました。
でも個人的には買う予定がまったくなかったもので、「前回のレースはインコースを通って勝ったんですよ。
でも今回は14番ゲートだから、勝つのは難しいと思いますよ」と、マジメに返事してみました。
しかしペルシアンナイトは外を回って5着に入線。これはよく頑張った!
勝ったのは香港のビューティジェネレイションで、単勝1.5倍という数字どおりの完勝。
接戦の2着争いはヴィブロスが制しました。
その馬連は38.4倍で、3連単が470.2倍。ここだったか、勝負するべきレースは!

大阪の知人には「1着と2着を固定して、3着と4着は総流しとか、そういう馬券がオススメですよ」と話したのに、
なんでそれを自分がやらないのよバカバカバカ。
複勝は9倍ついたけれど、それだけじゃもったいないですよ。
よおし、国際競走4レース目の香港カップは9頭立てだし、キッチリと当ててやりますぜ。
と気を取り直し、ディアドラの単勝やら4連複やらを購入。
しかしそこで初めてのミスをしてしまったのです。

4階の席に戻って買った馬券をチェックしたところ、「現金券」が見当たらないのです。
香港の馬券は機械での発売が大半で、最初に窓口で現金を「現金券」というバーコード付きの紙に変えて、それを使って買う形式。
機械にはお金を入れる場所がありません。
そこに「現金券」を入れ、続いてマークカードを入れると馬券が出てくるのですが、最後に「完成」ボタンを押して精算する必要があります。
私はどうやら、その「完成」ボタンを押し忘れたらしいのです。

うーん、たしか380ドルくらい残っていたはずだから、5000円ちょっとの忘れ物。
日本だと精算ボタンを押さないと馬券が出てきませんから、取り忘れに気を付ければ済む話。
しかし香港は違うのよね……。

最後に完成を押さなきゃダメなのよ

(最後に完成を押さなきゃダメなのよ)

しかしそんなウッカリをここでやらなくてもいいのに。
さらに手元に残った馬券もディアドラが2着で、中心に据えた単勝がハズレ。
この状況でさらに戦う気は起きず、ラストの2レースは見るだけにしました。
というわけで今年は完敗。
それから1週間がたちましたが、振り返ると敗因として思い当たるのは「予習不足」ですね。
ガッツリと予習して行った一昨年は万馬券も取れて上々でしたが、昨年と今年はそこがダメ。
香港競馬は勝てるチャンスが日本よりも存分にあるんですよ。
それでこの結果というのはちょっとモヤモヤしますわ。
だから今のところ、来年も行く気分でおります。
日本の競馬も予習が重要。
全日本2歳優駿は人気の分布が偏る傾向がありますからね。
そこをうまく突かなくちゃ!

◎5.デルマルーヴル
○10.ミューチャリー
▲13.ウィンターフェル
△11.ガルヴィハーラ
△2.メイクハッピー

今年はわりと速めの流れで進みそうなメンバー構成。
となれば、長く差し脚を使えるタイプが有利になるとみて、デルマルーヴルを中心視します。
前走の兵庫ジュニアグランプリはロスが多いワイルドな走りをしながらも、好時計で1着。
その実力に期待です。
ミューチャリーはピッチ走法なので、瞬発力をいかせる展開になりそうな点がプラス。
ウィンターフェルは「走るのをやめようとする」気性だそうで、外枠と初コンビが心配。
でもマジメに走ればここでも勝機があるでしょう。
ガルヴィハーラとメイクハッピーも差し脚がありますから、ここでも上位食い込みが狙えそうです。
19日(水)は川崎競馬場で、笠松競馬場の愛馬会による正月飾りの出張販売があります。
ぜひご来場の上、お買い求めいただけると幸いです!

昨年販売の正月飾り

(昨年販売の正月飾り)

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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