コラム”

「最近の風潮?」
2019年1月7日

12月22日からスタートした毎年恒例の繁忙期は、1月6日のグリーンチャンネル「地方競馬中継」でひとまず終了。
1月7日から日本から外国に出発すると1回につき1000円がかかる“出国税”が導入されるので、
6日のうちに航空券を買っとこうと思ったのですが、イマイチ考えがまとまらないうちに日付が変わってしまいました。
そういう決断力って、相変わらずないのよね……。


1月6日は地方競馬中継

(1月6日は地方競馬中継)

しかし日付が変わって0時30分頃に改めてチェックしてみると、値段が逆に下がっている航空券もあったりするのが謎なところ。
それはともかく、ムチャな行程を実行できるのも今のうちですから、今年は昨年以上に見聞を広めていきたいと考えております。
しかし、ニュースではよく「年末年始の出国者数は○○万人」などと聞きますが、
私の周囲の友人知人を見る限りでは、まったくリアリティがないんですよね。

20年前まで勤めていた会社はカレンダーどおりの出勤日でしたが、
ビルの一室にいた40名ほどの社員では、部長が3月末にハワイに行った事例があるくらい。
この年末年始も海外で過ごしたとおぼしき私の友人は、マレーシアに行った夫婦2組だけでした。

個人的な感覚では、ある程度の年齢を重ねた人が旅行に行きまくっているようで、逆に若者の旅行者は減っているような気がします。
北海道なんて昭和60年代は、夏の夜の稚内駅前にはバイクが100台近く並んでメチャメチャ活気がありましたが、
今ではバイクで旅する人が珍しいという状況ですからね。
先日乗った東京発大垣行きの「ムーンライトながら号」も、高校生や大学生っぽい人は少なかったなあ。

6日の「地方競馬中継」の控室でも、それに関連する話が出ました。
いわく「最近のタレントや若手記者には個性がない」。
その人いわく、なんでも平均以上にこなせる一方で、突出して訴えかけてくるものに乏しいと。
解説の言い回しにしても、いわゆる競馬用語を使ってやりすごそうとしているのではないかと。

確かに「ちょっとでも他人と違うことをして目立ってやろう」という気概がある人は、以前より少なくなっているような気がします。
ただ、競馬新聞やスポーツ新聞の記者は会社員。いわゆる破天荒型の人間が生きる余地が少なくなるのは仕方ないと思うんですけどね。
それでも以前に比べると“無難”を是とする人が増えているような気はします。
その一方で、ピン芸人の祭典「R-1ぐらんぷり」には3700名以上の出場者がいるんですよね。
摩訶不思議。

それを含めて考えると、どちらかというと安寧を求めるグループと、
どちらかというと目立つことを求めるグループとの差が、昔よりも開いているのかなと思います。
しかしですよ。
どちらに属するかといえば後者であるはずの騎手が、どうも気持ち的に前者になっているケースが増えているような気がしているんですけど!?


1月4日の川崎競馬場

(1月4日の川崎競馬場)

スタートしたときの位置取りのまま直線に向き、そのままの位置取りでゴールするというレースを見ると、
「なんで後ろの馬は向正面で動いていかないのかなあ」と思ってしまうことがたまにあります。
ちょっと前までは大マクリとか大逃げとか、ときどき見たんですが……
と思っても、私は競馬場で馬に乗ったことがないので、そう簡単にはいかないところがあるのかもしれません。

さらに若手や成績的にいまひとつの騎手が、
力量的に劣勢という馬で一気に仕掛けると、レース後にほかの騎手や調教師などから文句を言われる感じがあるのもまた事実。
それもあって“冒険せずに漁夫の利が巡ってくることに期待する”。
いろいろな事情を考えると、そうなるのはまあ仕方がないのかな、とは思います。
ただ、観ている側の勝手な立場としては“勝負”してほしいんですよね!
力量どおりに決着すれば当たる人が多くなりますが、レースとして面白いのかといえば別の話。

その点で、南関東で導入されている「期間限定騎乗騎手(通算1000勝以上(冬季休催場は800勝以上)の騎手が2カ月間騎乗できる)」は、
とてもいい制度だと思います。
現在は北海道から五十嵐冬樹騎手(1月18日まで)と服部茂史騎手(1月25日まで)、吉原寛人騎手(3月1日まで)が活動中。
1月15日からは岩手の村上忍騎手、2月12日からは岩手の高松亮騎手が来ます。
他地区から来た騎手には空気を読まない騎乗を期待したいですね。


川崎の稲毛神社の奉納絵馬

(川崎の稲毛神社の奉納絵馬)

と同時に、南関東で騎乗機会が少ない騎手は、他の競馬場にどんどん行ってほしいものです。
ほかの国で運用されている「強制移籍」や「強制トレード」という制度に倣ってもいいですし。
ある程度の規模の会社では、ずっと同じ部署にいる人ってほとんどいないでしょ。
それと同じで、騎手にも転勤があっていいんじゃないかと思うんですけど!
というわけで、ニューイヤーカップもそこに期待。

◎6.トーセンガーネット
○7.レベルフォー
▲2.ヒカリオーソ
△9.アギト
△8.マイコート
△4.トーセンボルガ
△3.アイアス

単純ですが、本命は五十嵐騎手のトーセンガーネット。
堅実に差を詰めてくるタイプで、前走の兵庫ジュニアグランプリの走りができればチャンス大。
相手筆頭には先行力があるレベルフォーを指名します。
ヒカリオーソは平和賞が、個人的に展開に恵まれた印象が残っているんですよね(現地観戦でハズレを喫したせいかも……)。
でも浦和のマイルで2番枠を引いたら強めのシルシを打たないわけにはいきません。

アギトは6月の「弾丸ツアー」のときに見た、大出遅れから追い上げた脚に潜在能力の高さを感じてしまったので、ここでもマーク。
マイコートは育成者&馬主が兵庫の元ジョッキーということで、そこに期待してみました。
休み明けでも地力があるトーセンボルガと3着内率が高いアイアスは、内枠なので押さえます(笑)。
ということで、11頭立てのうちの7頭にシルシを付けるという無節操予想。これは買うなら3連複ボックスでしょう。
ちなみにワタクシ、1月6日の高知競馬の最終レースで、11頭立ての7頭ボックスにて、3連複21890円を的中させております(自慢)。
だから過半数のボックスでも良いと思いますよ!?

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

コラム一覧