
私の場合、年末年始の繁忙期を過ぎると、スケジュール的に余裕が出るのが毎年のパターン。
そして、この時期になると体調が下がるのもよくあるパターン。
業務満載の日々が過ぎ去ったことで、気持ちの糸が緩むんでしょうなあ。
今年の1月も、5日あたりからノドがガラガラで熱っぽい状況。
そういえば昨年は、1月7日あたりからインフルエンザで寝込みましたわ。
そんなわけで1月6日にグリーンチャンネルの「地方競馬中継」のあと、
海外行きの航空券を探索したものの、発病の不安もあって予約するのを躊躇していたのでした。
そして1月7日、1回の出国につき1000円が徴収される「出国税」がスタート。
しかしですよ。
先週水曜日の夜、仕事の息抜きに航空券を検索してみたら、バンコク往復の航空券が28600円で売られているではあーりませんか!
これ、6日に見たときは32000円くらいしていたやつ。
それが出国税込みでも値下がりしているなんて、いったいどういうことやねん!?
という事実を知ってしまったが百年目。
2日後に出発する航空券を買ってしまったのでした。
乗ったのはノックスクートで、6割くらいの搭乗率。
LCCでも座席は狭くなくて、まあまあ快適でした。
ところでこの時期に行くことにしたのは、もしかしたら「タイ・ダービー」が行われるかも、という理由でした。
(ノックスクートは中国語で酷い鳥と書きます)
“もしかしたら”というのは、開催日程は発表されていても重賞日程が発表されていないからなんですね。
さらに昨年までダービーが実施されていた「ロイヤルターフクラブ」という競馬場が、昨年の9月17日に廃止されたことも不安材料。
ちなみにバンコクでは毎週日曜日に「ロイヤルバンコク競馬場」と交互に開催していましたが、存続している競馬場の開催日数は現状のまま。
つまりバンコクの競馬オヤジどもは、1週おきにヒマになっている模様です。
それでも「ダービー」なんだから、それは残った競馬場が引き継ぐだろう、というのが個人的な予想。
それで現地に向かったのですが、結果から書きますと「そんなことはなかった」でした。
なにを考えているんでしょうかね、タイの競馬業界は。
と憤っても仕方がないので、とりあえず本来ならダービーが行われていたはずの「ロイヤルターフクラブ」に行ってみました。
ひょっとして、世界でもっとも新しい廃競馬場かも?
(左側が入場券売場跡地)
現地に着くとバリケードもなく自由に場内に入れる感じでしたが、数台の警察車両が見えました。
王室の物件だから勝手に入ったら撃たれてしまうかも。
しかし厩舎や装鞍所が見えてしまったら、もうそんなの関係ねぇ~!!!
バシバシと写真を撮って、こんどはスタンドに侵入。
兵士っぽい人がいる一方、地元民とおぼしきオヤジもいたので、たぶんウロウロしても大丈夫でしょう。
そして馬券売場跡地や入場ゲート跡地、売店跡地などを巡ってセンチメンタルに。
廃止からたった4か月なのに、なんですかこの廃墟感は……
この段階でもう遠慮ゼロ。
かつての芝コースが土コースになった本馬場にズカズカと入ってゴール地点の写真を撮り、
まだ残っている大型ビジョン、巨大なスタンドと、いずれ取り壊されるであろう施設の写真を撮影しまくりました。
このビジョンって、設置されてから4年くらいしか経っていないはずなんだけどなあ(涙)。
(ゴール跡地から4コーナーを望む)
競馬場が廃止になった理由は、地主である王室と競馬主催者の賃貸借契約が切れたからとのこと。
ただし、主催者は地代をしばらく滞納していたらしいんですよね。
ダービーは王室からトロフィーと名誉が与えられるレースで、
5年前に買ったダービーのDVDでは華やかな表彰式を見ることができました。
しかしこの状況ということは、競馬場とともにダービーも廃止になるってこと?
競馬場と同時に内馬場にあったゴルフ場も廃止されていて、現状を見る限りでは「廃止して誰も得してないやんけ」という印象。
せっかくナイター設備もあったのに、もったいないにもほどがある!
という廃競馬場探索を終えて、3kmほど離れた場所にある競馬場に移動。
今日のレースはすべて1200mですから、ゲートは向正面に置きっぱなしです(笑)。
英語の専門紙も売られていますが、今回は地元の40バーツ(約130円)の新聞で勝負。
書かれていることはなんとなくわかりますが、基本はパドック診断が頼りになります。
ちなみにわたくし、廃止されたほうには2回行って、2回とも的中ゼロだったので、こんどこその意気込み。
馬券は単勝、複勝、馬連、3連単の4種類があって最低購入単位は50バーツ(約160円)となっています。
しかしそれは現地の感覚では相当に高額。
場内で食べたグリーンカレー&ゆで卵が50バーツですからね。
ちなみに市内バスの運賃は6.5バーツ(20円)。
そして馬券はすべて、口頭窓口での購入。電話投票はおろか場外馬券売場もないのに、それで3連単とか成り立つんかいな?
と思っていたのですが、これが意外。タイの馬券オヤジたちは3連単をメッチャ買っているんですよ!
(3連単3頭ボックス各100バーツ)
馬券は係員の手打ちで発券されるので、ボックスは買えてもフォーメーションとかは無理。
そしてその売上にビックリですよ。
前開催(12月29日)の最終第10レースを例にとると、単勝が155万3300バーツ、複勝が155万6000バーツだから、それだけでおよそ1千万円。
これに馬連と3連単も加えたら……
場内の現金投票だけでこの数字って、かなりすごいものですよ!
ホント、これなら毎週やればいいのに。
改めて、廃止して誰も得していないと感じましたわ。
それはともかく、ここで私はタイで初めて馬券が当たりました。
第8レースの4号馬の単複。
パドックでの雰囲気を重視して的中を勝ち取りましたが、単勝3.3倍、複勝1.7倍なので収益の点ではいまひとつ(笑)。
(ついに初当たり)
でも当たったことに力を得て、水曜日の船橋記念にもチャレンジしましょう。
体調が無事なら成田空港から現地に直行する予定です!
◎5.アピア
○2.クルセイズスピリツ
▲11.ドラゴンゲート
☆3.ユアマイラブ
☆7.ユメノヒト
中心は昨年の優勝馬、アピア。
スピードがあるクルセイズスピリツが2番手で、転入初戦でも実績上位のドラゴンゲートを3番手に置きます。
ここで思い出したのが昨年の「南関道中膝栗毛」。
昨年はハズレましたが、それ以前は「負担重量が53kg以下の馬が3着以内に1頭だけ」入っていたわけですよ。
その復活に期待して、今年も53.5kg以下の2頭を3連勝式の候補に挙げておきます!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。