
2月初旬に園田競馬場に行く用事がありまして、しかしその日程が決めにくいという状況。
その段取りをなんとかつけて、先週火曜日に行ってきました。
そういうわけで、利用したのは夜行バス。
出発までの日程が1週間を切っていたので飛行機のツアーパッケージを組むという選択肢は消滅したため、移動手段は自動的に夜行バスになりました。
だって東海道新幹線はなるべく使わないようにしているんだもん……
ということで手配に入ったところで、ちと違和感。
2月のド平日なのに、大阪行きの夜行バスの値段が以前よりも上がっていたのです。
1~2年前は4列シートで片道2000円とか、けっこうあったんだけどなあ。
それなのに、月曜日出発の夜行バスは最安値が3000円くらい。
3列シートになると5000円前後からになっていました。
なんでこうなっているのだろうと考えたところ、
1. 利用者が増えてバス会社が強気になった
2. 人手不足でバスの本数が全盛期よりも減少した
3. そもそも今までが安すぎた
というところでしょうか。
それでも検索を続けたおかげでなんとか片道4000円の3列シートを確保できました。
しかし乗ってみたら満席。
これって景気がいいんだか悪いんだか、よくわかりませんですね。
懐事情がイマイチだから夜行バスに乗る人が増えたのか、それともサイフに多少の余裕があるから旅行に行く人が増えたのか?
それはともかく、USJに行くとおぼしき人たちを含めたバスは無事に大阪に着き、私は園田競馬場に移動したわけであります。
(火曜日の園田競馬は上々の入り)
そこで最終レースまで過ごし、その日は大阪市内の安宿に宿泊。
翌日は朝4時起きで、兵庫県競馬の西脇トレーニングセンター(正式名称は、西脇馬事公苑)に向かいました。
「そのだ・ひめじ」競馬の厩舎は、園田競馬場の敷地内と西脇トレセンの2か所。
もともとは兵庫県競馬が持つもうひとつの競馬場である姫路にも厩舎がありましたが、
競馬場周辺の都市化によって厩舎だけ移転されることになって、その行き先が姫路から40kmほど北にある西脇市に決まったそうです。
それが昭和55年(1980年)。
中国自動車道はその当時からあったので、園田競馬場からの所要時間は1時間少々。
私も車に便乗させてもらって朝6時半に現地に到着できました。
けっこうな山あいで、気温も海岸部より3度くらい低い感じがします。
到着時は夜明け前でしたが、調教スタンドに行くと徐々に空が明るくなって、調教コースを走る馬の姿がよく見えるようになってきました。
この日は開催日なので馬の数は少な目でしたが、開催が始まる2日前あたりはかなりの混雑になるそうです。
調教コースは1周が1000mで、その内側に900mの内馬場、さらにその内側に800mの坂路コースがあります。
坂路コースは右回りの1~2コーナーを掘り下げて作られたもので、直線部分250mの高低差は5m。
ということで勾配は2%です。
(3本ある馬場の一番内側が坂路)
しかし実際のところは「坂路といってもね……」(某西脇所属騎手)という感じなのだそうで、私がいた1時間ほどの間、そこに入った馬はゼロ。
利用している厩舎は限られるとのことでした。
個人的な感想としても、それも仕方ないかなあ、でした。
直線部分が250mではゆっくりめの速足くらいしかできなさそう。
その坂路は西脇トレセンができてから20年後の平成12年(2000年)に作られたのですが、もうちょっと何とかならんかったんですかねえ?
と、同じことを多くの人が思うのでしょうが、岩盤が予想以上に堅くて、それ以上の高低差が作れなかったとのこと。
せっかく巨額の費用をかけたのにもったいない……
それでも坂路の必要性は誰もが認識していること。
ということで、周回コースの外縁部にある登り坂を「坂路」に転用してほしいという意見が出ているそうです。
それなら高低差は20m以上。
こんないい勾配は北海道の育成場にもなかなかありません。
私からもトレセンの所長に
「アスファルトをはがして砂かウッドチップを敷くだけで大丈夫ですから、費用はそれほどかからないのでは?」
と言っておきました。
(向正面に坂路に適した坂道が!)
実際、北海道にある坂路は地面の上に砂などを載せただけ。
競馬場のように何重もの層を作る必要はないのです。
兵庫県競馬組合の上層部のみなさまにおかれましては、ぜひ北海道の育成場を視察していただいて、改造工事の実施へとつなげてほしいと思います。
大きい坂路が実現したら、兵庫の2歳馬はレベルが上がること間違いなし。
兵庫デビュー馬も増えることでしょう。
しかし現在のところ、西脇トレセンの馬房使用率は95%前後とのことで、増えても困る感じになるのかも。
ここにも全国的な馬主さんの増加の波が来ていることが実感できました。
(坂道の頂上からの景色)
南関東も在籍する馬の数が増加傾向にある様子。
水曜日のユングフラウ賞も当然、12頭立てです。
◎1.ホウショウレイル
○3.スティールティアラ
▲12.マルパソ
△7.ラブミーピンク
穴8.サブノダンサー
最近5年のユングフラウ賞では「東京2歳優駿牝馬で5着以内に入っていた」馬が1頭だけ連対しているというデータがあるのですよ。
そこで、前走がハナ差勝ちでも後方から差を詰める新境地を見せたホウショウレイルを軸にして、
相手に東京2歳優駿牝馬組を据えるという手にしてみました。
ホウショウレイルはバランス的に胴が短めで、ローレル賞のパドックで見たときに“コース適性的にビミョー”だと感じました。
でも浦和の1400mなら問題なし。
素質の高さで押し切る可能性が高いと判断しました。
ということで今回はボックスではなく、軸を決めてという方式に。
「流すなボックス」の合言葉は、ほかのレースで使用します!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。