コラム”

「ぐるり福島県」
2019年3月11日

毎年、春と夏と冬に発売される「青春18きっぷ」を、このシーズンも買ってしまいました。
以前は18きっぷを手にボケーと列車に揺られるだけというゼイタクな時間をたくさん過ごしたものですが、最近10年ほどはごぶさた。
15年前の春は、昼すぎに中央競馬中継の司会を終えてから東海道線の各駅停車で西に向かい、
大阪からムーンライト九州に乗って翌朝は小倉から南下。
そして正午頃に宮崎に着いてJRA育成馬を見学するというアホな行程を実行したものですが、今はとても無理ですね。

以前は“金はないけどヒマはある”でしたが、現在は“金はないけどヒマもない”みたいな感じで。
ただ、朝から晩までひたすら列車に乗っているというのは、
それはそれで修行みたいな面はあるので、鉄道の旅はメリハリをつけて楽しむほうがいいのかな、とは思います。
それはともかく、買ってしまった18きっぷ。
4月10日まで任意の5日を選んで普通列車に乗れる旅の1日目は、3月9日に福島県いわき市へとレッツゴー!

まずは東北本線に乗って宇都宮と黒磯で乗り換えて、最初の経由地である新白河に到着。
駅の裏手にあるウインズ新白河に寄って、九州で買った3連複92倍の馬券を払い戻します。
滞在可能時間は50分。
わざわざ来たので看板の写真を撮ったら「敷地内での写真撮影はご遠慮ください」と警備員さんに言われてしまいました。
ビックリ。
いまどきそんなローカルルールがあるなんて?


敷地外から撮影

(敷地外から撮影)

そう思いつつ施設内に入ると、ホントだ、壁の貼ってある禁止事項に「敷地内での写真撮影」と書いてある!
というわけで、ちょうど始まった阪神競馬の第5レースで藤井勘一郎騎手が勝つところを見たものの、
大画面に映った藤井騎手の写真は撮れませんでした。
ウインズ新白河の名物であるメリーゴーランドの写真も撮れないとは……

でも無料のコインロッカーがあるのはプラス材料。
そのおかげで施設内を身軽に探訪できました。
そして払い戻したついでに馬券も買って、次の列車は郡山行き。
郡山では待ち合わせが1時間半ほどあるので、駅のなかで夕方締め切りの原稿を完成させて送信。
こうやって仕事を連れて歩いているから心に余裕がないのよね……でも今から夜までは自由時間。

まだ次の列車まで40分ほどあったので“ぶらり場外車券場”に行きましょう。
目指すはいわき平競輪の郡山場外!
駅から徒歩15分とのことなので、現場での滞在時間はほんのちょっと。
長い連絡通路の先にある東口からはわりと近かったので、悪徳不動産屋なら「駅から7分!」とか書きそうな場所でした。


郡山場外車券場

(郡山場外車券場)

入ってみると、ざっと見たところ100人以上のお客さんがいて、人口密度が高くてビックリ。
福島県には南関東競馬の場外がニュートラック福島、オープス磐梯の2か所があって、競輪の場外が5か所。
競艇の場外が2か所と、公営競技の発売所がたくさんあります(ニュートラック福島は、競輪と競艇の場外と同じ建物)。
福島県は馬券車券舟券との親和性が高い県民性があるのかしら?

という雰囲気を感じつつ車券を100円分だけ購入して速攻で退散すると、目に入ったのは競艇の看板。
これはスゴイ……。
郡山駅からは磐越東線に乗って、1時間半の汽車旅。
終点のいわき駅からは徒歩で、目的地である「いわき芸術文化交流会館」に到着しました。
この日はここで、ももいろクローバーZの高城れにさんのソロコンサートが行われるのです!


イメージカラー

(会場前にはイメージカラーの紫色の人がたくさん)

2011年3月11日は栗東トレセンにいて、東日本大震災の揺れを体験していない私にとって、いわゆる被災地に足を運ぶのは心がけていること。
いわき駅周辺を見る限りは平穏そのものでしたが、実際のところはどうなのかしら。
今年のソロコンサートは、川崎競馬場の向正面にある「カルッツかわさき」で3月8日に行われ、2日目が福島県。
この会場を選んだ理由には、高城さんの思いがありました。
ももクロは震災後にスパリゾート・ハワイアンズでライヴを開催。
その近くにある湯本第一小学校の子供たちもステージに立ち、「花は咲く」を聴かせてくれました。
泣けました。


終演後の紫族

(終演後の紫族)

遠路はるばる来てよかったと思えるコンサートが終わり、駅に戻ると最終の特急はすでに出発。
というわけで、帰りも鈍行列車の旅が継続。
青春18きっぷをフル活用したのはいいけれど、日暮里駅に着いたら24時30分……
でも、春にやってくる大繁忙期の前に、すばらしいイベントに参加できたのはありがたいこと。
チケットが買えなかった人もたくさんいるわけですからね。
その思いを胸に、大型連休までがんばります。

そういえば千葉県も被災地。九十九里浜にも津波が来たんですよね。
その影響で、2011年のダイオライト記念は5月2日に行われました。
それ以後は3月に開催が戻って、昨年はケイティブレイブが逃げ切り勝ち。
しかし今年は出走馬にその名前がありません。
となると、どういうふうに考えるべきか?

◎1.チュウワウィザード
○4.サウンドトゥルー
▲14.ミツバ
△9.アポロケンタッキー
△6.オールブラッシュ

数年前までは、ゼッケン番号が1ケタ&2ケタで決着することが多かったのですが、最近は内枠優勢が明らか。
ということで、最内枠から先行できそうなチュウワウィザードを主軸に取ります。
サウンドトゥルーは移籍3戦目で初の地元コース。
つまり馬運車に乗らないでレースに出るのは初めてとなります。
そこに多少の心配はありますが、地力を考えると単勝まで狙えるかもしれません。
あとは川崎記念で上位に入った馬をチョイス。ここは絞って馬連と3連単で勝負するべきかな?

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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