コラム”

「今年も2歳馬たちの様子を取材!」
2019年3月25日

3月後半は毎年恒例の北海道での牧場取材。
毎年毎年、それぞれの育成場で鍛錬を積んでいる2歳馬を見ると、これからどういうふうに成長していくのかと想像するだけで楽しみ。
そしてこれからも健やかにと願わずにはいられなくなります。
しかしながらいつも気になるのは、その年の冬がどんな感じだったのかということ。
昨年は2月後半からドカ雪が来襲し、3月には大雨で海沿いの街の一部では洪水状態になったそうです。
その影響で除雪やら馬場整備やらで調教がお休みになることがしばしばあったために「仕上がりがちょっと遅いですわ」という育成場もありました。

逆に一昨年は雪が少なかったことで「やりすぎないように気を付けています」というくらいに順調だった様子。
個人的に思うに、現在の4歳世代が結果を残している理由は“2歳時が暖冬だったから”ではないかと推察しております。
さて、となると今年は果たして……?

北海道在住の友人知人から伝え聞くところによると、今年は雪が少なかったとのこと。
気温もときどきマイナス20度くらいになることがあったものの、全体としてはおだやかだったそうです。
これが地球温暖化の影響なのかどうかは「神のみぞ知る」というところでしょうが、
北海道民ではない私が定点観測した限りでは、平均的な気温は上がっていると感じます。

10年くらい前は、3月下旬の時点で日高地区の入口にある鵡川(むかわ)が凍っているのが普通でした。
そして海岸からちょっと奥に入ると、山の陰では道路が真っ白になっていてよくビビりました。
しかしここ数年は道路上に雪が残っているという風景を見ていませんねえ。
私が2006年の1月に帯広競馬場に行ったときはマイナス25度で、これはマジで脳血管が切れるんじゃないかと思いましたよ。
しかしそれ以降は真冬の帯広に行っても、そんな強烈な寒波には遭遇したことがありません。
これって単に運がよかっただけ?

というところで、さて今年の北海道はどうなのか。
3月18日に新千歳空港に着陸してみると、うーん、やっぱり暖かい!
実際のところ、埼玉県とあまり変わらないという印象でした。
レンタカーに乗っても暖房は必要なく、日なたにしばらくいると汗が出てくるほど。


もうすっかり春ですね

(もうすっかり春ですね)

というわけで、行く先々の牧場や育成場では「順調すぎるくらいです」「例年よりも仕上がりが早いですね」という声が続出。
もちろんJRAの3歳未勝利戦の終了時期が少し早くなったことも意識しているのでしょうが、
冬毛ボーボーの馬が少なかったのは気候のよさの証明といえるかもしれません。
その代わりと言ってはナンですが、いくつかの牧場で耳にしたのは「蹄にトラブルがありまして」という件。
蹄は硬いところを踏まないと丈夫になっていかないのですが、
どうも気温が全体的に高いと放牧地がぬかるんでしまって、蹄に刺激が与えられなくなるケースが多発するようなのです。
うーむ、競走馬の育成はいろいろとむずかしい……


取材は各社合同で

(取材は各社合同で)

それでもまもなく2歳戦がスタート。
大井では3月22日に2頭の2歳馬が能力試験に臨みましたし、門別では3月14日に83頭の2歳馬が能力試験を通過。
3月21日にも34頭が合格して、4月17日の開幕に向けて陣容が整ってきているようです。
その3月21日、浦河での取材が終わり、
街に買い出しに行こうと車を運転していたら「あれ、黒船賞に間に合うじゃん」と気づいてしまいました。
そうなると行かざるを得ないのが人情。
久しぶりにAiba浦河に入ってみると、先客は10人くらいでやはりガラガラでした。
祝日の夕方なのに……(涙)
なのでモニターの真ん前に余裕で陣取れて、買いましたよ、黒船賞と大井の最終!


Aiba浦河

(Aiba浦河)

しかし急に来たので予習もなく、パドック診断だけで購入。
堅い決着だから当たりましたが、
兵庫のエイシンバランサーと高知のサクラレグナムを応援したので、収支は大幅なマイナスでした。
ついでに大井の最終も2着3着……
でもこういう体験をしていくと、何年かあとに過去を振り返ったときに思い出せるんですよ。
いつか自分史を作るときに役立つかも。

実際、確定申告の書類を作るとき、
過去のレース結果を確認すると「あっ、この日は大井に行ってたわ」と気づくことがよくあります(汗)。
という感じで、この時期はだいたい北海道にいるので、浦和の桜花賞を現地で見たことは1回もありません。
そのなかで思い出すのは2015年、兵庫のトーコーヴィーナスが挑戦したときですね。
結果は2着でしたが、ゼッケン3番をゲットしたので安心して勝負できました。
おお、今年の桜花賞もゼッケン3番は遠征馬ではないですか!

◎2.トーセンガーネット
○10.アークヴィグラス
▲1.ダバイダバイ
△4.ホウショウレイル
△5.ゼットパッション
穴3.ナラ

ユングフラウ賞はポッドギルが逃げ切りましたが、あの行き脚のよさをここでも再現できるかというと微妙な気も。
おそらく先手は取れるでしょうが、
8番枠だし後続のプレッシャーは大きそうだしということで“来たらしょうがない”の気持ちでヌケにします。
勇気!

中心は2番ゲートからスタートするトーセンガーネット。
ニューイヤーカップでしぶとく伸びてきた末脚の再現に期待します。
アークヴィグラスは10番ゲートというのがなんとも……。
実力的には上位でも、その点は割り引かないとイカンいう気持ちで対抗に。
あとは内枠の馬たちに網を打ってみました。
3番のナラはさすがに厳しいと思うんですが、念のためということで、3着に100円だけかな~。

ところで好天に恵まれた北海道でしたが、
金曜日の夜に新千歳空港に向かうと雪が降り始めまして、あっという間に風景が真っ白になったんです。
その翌日は浦河方面もけっこうな積雪があった模様でしたから、この雪がちょっとズレて降っていたら取材日程がメロメロになっていました。
やっぱり今年も運がいい!


取材が終わって1週間ぶりのビール

(取材が終わって1週間ぶりのビール)

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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