コラム”

「基本と応用」
2019年5月6日

高校生のとき、よくつるんでいた同じクラスのヤツと、こんなことを言い合っていました。

「おめえは基本がなっていないのに、応用に行こうとするからダメなんだ」
「おめえは基本がまあまあでも、そこから先がひとつもできてねえじゃねーか」

まあ、バカ同士の罵り合いなんですが、それはともかく“基本があってこその応用”というのはまちがいないところでしょう。
その高校は中山競馬場から徒歩30分くらいの場所にあったために、
同じクラスの数名が馬券を買いに行って停学を食らうという事案が発生しましたが、
その当時の私は公営ギャンブルに対してまったく興味なし。
しかし20歳の秋にウインズ後楽園で馬券デビューを果たしてからというもの、
まっさかさまに堕ちてデザイアーといったところでございます。テヘッ。

ちなみに初めて買った馬券は、福島競馬の単勝と枠連。
そう、私に競馬=馬券を教えたヤツからは「まずは単勝を買うのが基本だ」と言われました。
勝つであろう馬を決めてから2着を選べと。
それ以来、基本的に「軸と相手」という概念で競馬活動を続けてきたわけですが、最近はご存じのとおり、
それをまるで無視した「流すな、ボックス」という標語を記した旗の下で取り組んでおります。

でもやっぱり馬券の基本は「単勝」だとは思うんですよ。

それでも実戦になると話は別で、あまたの試行錯誤の結果、前記の標語にたどりついたわけです。
その「たどりついた」要因は、たくさんの悔しい結果を経験したことが原動力。
さらに自分が馬に乗るようになってわかったこと、たくさんの騎手や調教師をインタビューし、
牧場や育成場の取材を経て知ったことも加わっているわけです。
陳腐な表現ですが「競馬に絶対はない」と。

しかしわたくし、久々に有言不実行をカマシてしまいました。
大型連休スタートの日曜日に、ウインズ横浜で買ったJRAの馬券。
それを佐賀競馬場で払い戻して、そのままNHKマイルカップの馬券を購入。
ここまでは立派なサクセスストーリーなんですが、
買った馬券があとで考えると「なぜ、どうして」というシロモノだったのです。


NHKマイルカップの3連複

(NHKマイルカップの3連複)

ご存じのとおり、7番は単勝1.5倍のグランアレグリア。
しかし出負けして追い上げて、最後の直線で前がカベになって進路を見つけ出そうと右に動いたらほかの馬に体当たり。
勝ったのは17番で、2着が18番、3着が10番。3連複は9万7千円という結果でした。

……なんでおめえは1頭軸なんか買ってんだよ!!!

上位入線馬がぜんぶ券面の右側にあるという哀しい出来事を繰り返すまい。
そう心に誓って「流すな、ボックス」という標語を編み出したんじゃないんかい!!!

しかしながら、そのレース映像、ならびに払戻金を見たときは、
悔しいとかハラタツとかいう感情がほとんどなくて、逆に笑えてきましたね。
我ながらアホだなあと……(悲)
でもいつまでもアホのままではダメなので、ここに改めて宣言します。

「3連複は、どんなことがあっても必ずボックスで買う!」

まあなんというか「今さらかよ」という感じはするわけですが……。
標語の提唱者がそれを実践していなかった件は、伏してお詫びを申し上げる次第でございます。
そんなわけで反省し、佐賀競馬の最終レースはボックスで買いましたよ!


佐賀競馬の最終レース

(佐賀競馬の最終レース)

買ったのは枠複ですけど。
このレースは8枠の山口勲騎手が圧倒的な人気で、8枠のもう1頭と6枠の2頭がそれに次ぐ人気。
ということで変則のボックスという考えかたで臨んでみました。
買ったあとでオッズを見たら、6-8が1.4倍でビビりましたが。

しかし結果は、8枠2頭がほとんど並んでゴールイン!

というわけで、馬複よりも少ない点数で仕留めることに成功いたしました。
ちなみに枠複は6.1倍、馬複は6.2倍なので万々歳!
改めて、馬券の基本は単勝ということを頭のなかに入れながら、
でもそれ以外の馬券は臨機応変に立ち回って買い目を選び、3連複は何も考えずにボックス。
たとえ1頭軸でいいだろうと思っても、全体をカバーするボックス馬券は必ず押さえましょう。
取ってマイナスでも上等じゃ!

それを改めて確認したところで、かしわ記念をSPAT4で買ったぜよ。
門別での買い間違いの影響で、残高が800円になっていたのを見て悲しみがよみがえったけど……
そして水曜日は東京湾カップ。
シルシはつけるけれど、馬券の買いかたは別よ!

◎13.レオズハウライト
○9.グリードパルフェ
▲6.エレガンテヴァイゼ
△12.サクセッサー
△2.イグナシオドーロ
△7.ホールドユアハンド
△4.ミスタージョイ

クラウンカップを57kgで制したホールドユアハンドがけっこうな人気を集めるでしょうが、
今回は内枠にイグナシオドーロがいる点が課題。
船橋の1700mなので、1600mよりは前半のペースが落ち着いても1800mよりはちょっと速い、
という雰囲気を頭に入れて展開を想像していくと、両方とも後半が苦しくなるのでは?
そこで差し脚を長く使えるタイプを上のほうに配置しました。
もちろん重賞ウイナーの逃げ先行2頭が粘る可能性にも警戒。
3連勝中のミスタージョイも押さえます。

ということで、3連複はおなじみの35点買い。
網を広げて後悔のない馬券で臨みます!

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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